読まれなかった小説

映画『読まれなかった小説』は、トルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の映画で、前作の『雪の轍』は、カンヌでパルムドールを受賞している。
3時間半という近年にしては珍しい長尺の映画だけど、最後までじっくりと映画の世界に浸ることが出来た。
この作品は、父と息子がテーマの作品である。
父は長年教師をしていて、出世街道からは外れていて、今は賭け事ばかりやっている。家はそのためいつもお金がなく、それでも父は賭け事を止める気配さえ見せない。母や娘はそんな父にイライラしている。息子は大学をやっと卒業して、田舎町に帰ってくる。『野生の梨の木』という小説を書き上げたので、それをなんとか出版したいと考えている。
どんなに借金に困ろうが賭け事がやめられず、気ままに田舎暮らしを続ける父と、自分の将来が全く見えずに、そんな賭け事ばかりしている父を赦せずに、次第に不満や怒りが膨らんでゆく息子。
物語は、沢山の言葉でゆっくりと繋がれていき、3時間半を経たのち、とても長い小説を世読み終えた後のようななんとも満たされた読後感を感じることができる。
『ガリポリの戦い』や『トロイの木馬』のことは、観る前に調べておくとよりわかりやすいかもしれない。
⭐️読まれなかった小説http://www.bitters.co.jp/shousetsu/

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