パタゴニアの防水パーカー

梅雨の雨の日に、Kが濡れて出勤するのがかわいそうだと思い、雨具を買いに行った。
靴は前にティンバーランドで完全防水のブーツを買ってあったので、今回は上に着るカッパ的なものを。
もともと着る物に無頓着なKは、雨の日であってもスニーカーを濡らしながら履いているようなタイプなのだけど、これから土砂降りの日なんかには雨具があった方が濡れずにすむだろうと思ったのだ。
パタゴニアで見つけた雨具は、1万円代でありよいかもしれないと思った。
Kは赤にほんの少し抵抗があったみたいだけど、青が少し彩度も抑えられているので気に入ったらしく、結局この2色使いにした。
雨の日にこれを着て出かけていくKを窓から見送りながら、自分がなんだかお母さんになったような気分になっていた・・・。

海獣の子供

日曜日は、『海獣の子供』というアニメーション映画を見た。
Kがもともとアニメ好きなこともあり、いつも僕の好きな映画ばかり付き合わせているから、たまにはアニメでも見ようと思い決めたのだけど、どうやらKも作者の『五十嵐大介』さんを知らなかったみたい。笑
この映画、物語自体のツッコミどころはたくさんあるのだろうけど、めちゃくちゃ映像がよかった。多様な海の生き物や海そのものの怖さ。宇宙や生命に関するイメージ映像がものすごくて、見終わった後に不思議な満足感のある作品だった。
湘南に住む中二くらいの女の子が主人公。長い夏休みのはじまりの日に、フィリピン沖で野生のジュゴンに育てられたというふたりの少年の出会うことから物語がはじまる。
この作品自体の論理性とかはきっとないのだろうけど、五十嵐大介さんの次の作品も、また見て見たいと思える面白い映像作品だった。
⭐️海獣の子供https://www.kaijunokodomo.com

アラジン

さて、前々からずっと気になっていたディズニーの実写映画『アラジン』を観た。
映画好きの友人たちの間では、見に行かないという人もいたのだけど、僕はたとえ実写であろうとも、ディズニー映画とくれば絶対に見たいと思っていた。そして結果として『アラジン』を見て、よかったと思う。
あらすじはみんなが知っているアラジン。それをいったいガイ・リッチーがどうやって演出したのか見ものだったのだけど、全編を通してミュージカル仕立てにしていて、歌によってはちょっとしつこいくらい長く感じるものもある。
たとえば、空飛ぶ絨毯が二人を乗せて世界を飛び回るシーンは、実写なだけに景色はよく見えるけど、それゆえに、意外とこれっぽっちなのか・・・と。昔のアニメの時のレジーナ・ベルとピーボ・ブライソンの『a whole new world』が完璧だったからか、どうしても比べてしまうのだ。
でも、ウィル・スミスは思ったよりもはまり役だったし、プリンセスがとても綺麗だったし、主役のアラジンもこれから期待されるであろう素晴らしい演技だった。
演出がどうであろうとも、アラジンはもともとの本が奥深く素晴らしいから、恋人や友人と観に行ってもきっと楽しめると思う。
⭐️アラジンhttps://www.disney.co.jp/movie/aladdin.html

ヘイトクライム

ロンドンのバスに乗っていたレズビアンカップルが、ヘイトクライムの犠牲になった。https://www.afpbb.com/articles/-/3228997
犯人は、15歳から18歳の男性グループのようだけど、女性に向かってキスを強要して、血まみれにした挙句、窃盗に及んだという犯行は、許されるものではない。
このニュースを読んだ時、言いようのない怒りがこみ上げてきた。
これが、普通の男女であったなら、バスの中で軽くキスをしようとも、何事もなかったに違いない。
この犯行に及んだ彼らの、レズビアンに対する知識はあったのだろうか?
暴力にまで打って出るほどの憎しみは、いったいどこからくるのだろうか?
ホオフォビアからくるヘイトクライムを目にするたびに、こういう世界を変えていかなければならないと強く心に誓うのだ。

築地 寿司清 伊勢丹会館

おまかせ シャリ少なめ

新宿でカジュアルに寿司を食べたいと思っても、意外と寿司屋さんが少なく、伊勢丹の上の『鮨 魯山』に行くことが多いのだけど、魯山も列をなしていることが多い。
そういえば、しょっちゅう行く伊勢丹会館に『寿司清』が入っていたと思い、行ってみた。
『築地 寿司清』は、明治22年の開業。僕が若い頃はニューヨークにも出店していた老舗だ。
昭和から平成へと時代が移り変わる中で、おそらく寿司屋さんもできては潰れを繰り返し、どちらかというと新しい大将主導のお寿司屋さんが生き残っている気がする。
この伊勢丹会館3階にある『寿司清』は、なんというか、昔、父に連れて行ってもらったような、飾り気のない『醤油』を思う存分自分でつけて食べるようなお寿司屋さんだった。
おまかせが3240円でちょうどいい食べ応えとコストパフォーマンスだと思う。
渋谷の東急本店の『すし屋 磯勢』の方がより格が上だけど、カジュアルに寿司を食べるなら、ここで十分で、少々店内が酔っ払い客が多く騒がしいものの、それも昔の寿司屋のようでほっとした。
⭐️築地 寿司清 伊勢丹会館https://isetan.mistore.jp/store/group/isetan_kaikan/shop_sushisei.html

グラミチのショーツ。

夏に向けて、グラミチの水陸両用のショーツをKとお揃いで買った。
中にはアンダーウエアがついていないのだけど、柄とデザインが気に入ったのだ。
迷彩柄は意外とどんなものにも合わせやすく、気軽に履ける気安さがある。
今年初めての宮古島ではこうと思っていたのだけど、昨日、何気なく朝起きたKを見たら、新しいこのパンツを履いて寝ていたみたい。
洋服に全く頓着のないKにとっては、僕が新しい水着でワクワクしていることなど気にとめることもなく、どれもこれもみんな一緒なのだ。笑

サツマイモ。

キッチンの片隅に、じゃがいもやサツマイモを入れて置いておくワイヤーのバスケットがあって、その中に数ヶ月サツマイモが入ったまんまだった。
そのサツマイモだけビニールで覆われていたからか数ヶ月経つのにサツマイモは萎んだりせずに、小さな芽が見えていた。
もう食べることもはばかられたので、2つに切って器に水を入れてつけておくと、サツマイモはうれしそうに芽を伸ばし、やがて美しい葉っぱを展開させはじめた。
キッチンの片隅に急に緑が加わって、まるで新しい観葉植物が置かれたように明るくなった。
どんな植物であれ、成長していく姿を見ていられるのは、楽しいものだ。
サツマイモの葉が、こんなに美しいとは知らなかったな。

無印良品のリネンのシャツ。

先日、無印良品が10%OFFの『良品週間』の時に、母と父にプレゼントを買うついでにリネンのシャツを買った。
買った時は、「綺麗な色!」と思ってたのだ。Kは薄い色のリネンのシャツを買った。
家に帰って衣替えの季節がやってきて、トランクから夏物を出すと、中にほとんど…いや、全く同じ色の無印良品のリネンのシャツがあった。
それを見たKは、「ただしくん、もうボケてきたのかも…」
昨年、このシャツを1回か2回は着たはずなのに、まるきり忘れていたみたい。
「まぁ、夏は汗をかくから、同じシャツをバッグに入れておいて、午後に着替えればいいや」
Kはケラケラ笑っていた。

誰もがそれを知っている

イラン出身の映画監督『アスガー・ファルハディ』は、今、最も映画界で注目されている監督のひとりだろう。
僕は、『彼女の消えた浜辺』でノックアウトされて、『別離』ではその奥行きに驚かされた。
今作『誰もがそれを知っている』は、ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムという、スペインの誇る演技派夫婦が、かつての恋人役で共演している。
息をつかせない脚本、先は意外と読めるのだけど、僕は犯人は誰なのだろう?とずーっと犯人探しをしていた。
一見、スペインの田舎町のただの大家族の出来事のようでいて、よく読み解いていくと、多様な立場の人物が寄せ集まっているのがわかる。
ペネロペは広大な地主の娘であり、かつての恋人ハビエルは下働きの家の子ども、ペネロペの今の家族には昔のような莫大な財産はないものの、かつての栄光は心の中にあり未だにしがみついている。ペネロペの家から土地を買い、今は成功しているハビエルの家には外国人労働者が沢山住み込みで働いている。
こんなスペインの田舎町で、ひとりの人間がいなくなるところから、急に物語に引きづりこまれるように落ちていく。
このような奥行きのあるサスペンス映画を作る監督は、作品で何を表現しようとしているのだろう?と考えてしまう。
この作品は、脚本の段階から綿密に計算された、現在の世界の縮図のようなもにも感じられた。
⭐️誰もがそれを知っているhttps://longride.jp/everybodyknows/

氷上の王ジョン・カリー

この映像が素晴らしかった。

ずーっと前に新宿2丁目のBridgeのMから勧められていたドキュメンタリー映画『氷上の王ジョン・カリー』は、類稀な芸術を成し遂げたひとりのゲイの物語だった。
スポーツであるアイススケートに、バレエを取り入れることによって芸術という領域にまで昇華させたスケーターがイギリス人のジョン・カリーのドキュメンタリー映画。
1976年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子シングルの金メダルを獲得したジョンは、マスコミによって勝手にゲイであることをアウティングされる。
映画は、ジョン・カリーの美しい滑りをメインに据えていて、そこにさまざまな人々のインタビューが重なる。
今は亡きジョン・カリーの父親との関係性、恋人との関係性、母親との関係性が描かれる。
ジョン・カリーが、生涯かけて成し遂げようとする芸術への挑戦と、それを運営していかなければならない金銭面でのストレスの狭間で生きていたことが感じられる。
80年代の『HIV=死の病=ゲイ』という恐ろしい時代の中で、ゲイであると公言しながらスポーツの世界で一線で生きたジョン・カリーには、想像もつかない勇気が必要だったに違いない。
ジョン・カリーという人を、リアルタイムで知らなかったのだけど、この人の美しい芸術を、出来れば生で観ておきたかったなぁ。
⭐️氷上の王、ジョン・カリーhttps://www.uplink.co.jp/iceking/