氷上の王ジョン・カリー

この映像が素晴らしかった。

ずーっと前に新宿2丁目のBridgeのMから勧められていたドキュメンタリー映画『氷上の王ジョン・カリー』は、類稀な芸術を成し遂げたひとりのゲイの物語だった。
スポーツであるアイススケートに、バレエを取り入れることによって芸術という領域にまで昇華させたスケーターがイギリス人のジョン・カリーのドキュメンタリー映画。
1976年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子シングルの金メダルを獲得したジョンは、マスコミによって勝手にゲイであることをアウティングされる。
映画は、ジョン・カリーの美しい滑りをメインに据えていて、そこにさまざまな人々のインタビューが重なる。
今は亡きジョン・カリーの父親との関係性、恋人との関係性、母親との関係性が描かれる。
ジョン・カリーが、生涯かけて成し遂げようとする芸術への挑戦と、それを運営していかなければならない金銭面でのストレスの狭間で生きていたことが感じられる。
80年代の『HIV=死の病=ゲイ』という恐ろしい時代の中で、ゲイであると公言しながらスポーツの世界で一線で生きたジョン・カリーには、想像もつかない勇気が必要だったに違いない。
ジョン・カリーという人を、リアルタイムで知らなかったのだけど、この人の美しい芸術を、出来れば生で観ておきたかったなぁ。
⭐️氷上の王、ジョン・カリーhttps://www.uplink.co.jp/iceking/

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