せいもん払い

フグのブツ切りあん肝和え

ごまカンパチ

夜の8時半に福岡空港に着いて、誕生日の晩ご飯は予約を入れていなかったのだけど、結局大好きな中洲川端にある『せいもん払い』に。(笑ってしまうのだけど、昨年の誕生日もこの『せいもん払い』に来ていた)
この店、超人気店なのだけど、6時半前の時間以外は予約を受け付けていないので、直接店に来て順番を待たなければならない。ただ、9時を回ると1回目のお客さんが出始めるので、ほとんど待たずに入れるのだ。
ごまカンパチに、鯖刺し、フグのブツ切りを食べて、やっぱり九州の魚は改めて美味しいとしみじみ思った。
カキフライは巨大でプリプリだし、はじめて頼んだクリームコロッケがとても美味しかった。
アラやフグ、カワハギなどは高いけど、比較的リーズナブルな値段で最高のクオリティの魚が食べられる素晴らしい居酒屋さん。
来年もまた来たいな。
⭐️せいもん払い
092-281-5700
福岡県福岡市博多区上川端町5-107 シャトー川端 1F
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40000029/

ささやかな、ハッピーバースデー。

朝起きると、目の前にKの顔があった。
「ただしくん、49歳になっちゃったね…」
一瞬何のことかわからず、少し間を置いてからやっと自分の誕生日なのだとわかった。
SNSでも誕生日を公開していないのは、フェイスブックなどでいちいち誕生日が知らされることにうんざりしているから。(鬱陶しいと思いませんか?)
やがて8時を過ぎた頃、待ちかねていたように母親から電話が入る。
「あんた、49歳になったんだね!50歳じゃないわよね?」
「うん。誰か他の人の誕生日みたいに感じるよ」
母はきっと、昨日から、いや、12月に入ってからずっと電話をかけることを覚えていて、早起きだから今朝も今か今かと時間がたつのを待っていたに違いない。
そんなことを思うと、ちょっと泣きたくなる。
こんな僕でさえ、誕生日を覚えてくれている恋人と母がいることを、とても幸せなことだと思う。
自分の誕生日を、派手にお祝いされることが苦手な僕は、毎年東京を離れた町でひっそりと過ごすことにしている。
今年も去年と同じ我が心の故郷、福岡へ。

Filson

フィッシングメーカー『フィルソン』のマッキノクルーザーは、かれこれ20年近く着ているだろうか?
赤と黒のチェックは大胆だけど、冬の寒い日には元気が出るような暖かい色使いだ。
僕が高校生の頃に人気があったマッキノクルーザーは、身幅があり腕周りも太く重たく無骨なシルエットだったのだけど、僕が持っているジャケットは、イタリア人のデザインが反映された身幅がも腕周りも細くなったものだ。
冬のニューヨークやパリ、モントリオールなどの寒い場所に行く時に、迷わずこのジャケットを持って行きたくなるのは、シャカシャカのプラスチック素材のものにはないウールならではの安心感があるからだろう。
中にセーターを着込んでこのジャケットを着てマフラーを巻けば、マイナス15度の町でも平気で過ごすことが出来た。
たとえ多少重くても、シャカシャカ音がするような人口の素材にはない確かな温もりが僕は好きだ。

細昆布と職人だし。

家で常備している食料品に、『細切り昆布』と『職人だし』がある。
『細昆布』は、利尻昆布を細く切ってあるので昆布のうまみがすぐに引き出されるようで、昆布水を作るにもいいし、たとえばみそ汁ふたり分だけ500mlの出汁を取ろうという時や、ちょっと煮物に入れたりするのにもとても重宝する。
『職人だし』は、さばやうるめいわしなど、いくつかの出汁がブレンドされていて、うどんの出汁やそうめんの出汁など、豊かでしっかりとした味付けの出汁を作りたい時に重宝する。
これらは『うね乃』のHPから直接取り寄せも出来るのだけど、三越にも置いてあるので、寄ったついでに買って帰ることが多い。(なにもかも取り寄せで買える時代だけど、送料が意外と馬鹿にならないので、僕は勤め先や近所で買えるものは、極力買って持ち帰るようにしている)
こんなささやかなものたちが、僕たちの毎日の時間のない中でのご飯作りを支えてくれているのだ。
⭐️うね乃http://odashi.com

ビキニ タパ

ピンチョス

鶏肉とシーフードのパエリア

牛肉とシーフードのパエリア

スペイン料理を軽くつまみたくなったら、時々『ビキニ タパ』に行く。
ピンチョスと生ハムなんかをつまみながらワインを飲んで、パエリヤを食べるのが通常のパターン。ランチはひとり分のパエリヤが出てきて、それにタパスがつくコースもあって男性でも十分食べ応えがある。
日本橋のCOREDO室町にも入っているけど、渋谷のマークシティにも入っているので、こちらの方がジムの帰りなんかに便利なので利用することが多い。
パエリヤを食べながら、しばらく行っていないスペインのことを思い出す。バルセロナは何度も訪れているけど、どちらかというと光と陰のアンダルシアにいつかまたゆっくりと行ってみたいものだ。
⭐️ビキニ タパ
‪050-5869-8686‬
‪東京都渋谷区道玄坂1-12-5 渋谷マークシティ レストランアベニュー4F‬
‪https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13056546/‬

乾燥ゆば

いつも家に常備しているもののひとつが、乾燥ゆば。京都の『千丸屋』の『お徳用乾燥ゆば』は、錦小路に行かなくても三越で売っているので、時々三越に寄ったついでに買っておくのだ。
味噌汁に、お吸い物に、うどんに、煮麺に、煮浸しに、ほんの少し何か足りないような時にさっと入れるだけで、急に料理が格上げされて奥行きが出るようだ。
油揚げいつも切らさないようにしているのだけど、油揚げと同じように万能で、それでいてちょっとだけ品の良い味わい。
おふや湯葉などの、主菜ではない端っこのあしらいのような食べものこそ、和食の奥深さなのだと思う。

ブラジルのお土産。

リオ・デ・ジャネイロに旅行に行っていたMが帰ってきて、お土産をもらった。
ずっとブラジルに行きたいと思いつつ、まだ行けていない僕にとってはとても羨ましく思っていたのだ。
滞在中にMが泊まったair b&bのゲイカップルの写真が送られてきたのだけど、年を重ねていてもマッチョなふたりはインターナショナルなゲイカップルに見えて、自由な国なんだなあ…と旅情を掻き立てられた。
リオのゲイクラブの写真を見せてもらったのだけど、大きなクラブは満員で、全員と言ってもいいほど、上半身が裸の男たちが身体を寄せ合い踊っていた。
箱に入ったハートのオブジェは、楽しかったMの思い出とともに、僕の家の玄関に飾っておこう。
いつか行けたらいいな。ブラジルに。
そんなことをぼんやりと考えていたら、来年は、仕事でコスタリカに行く予定が舞い込んできた。
行ったことにある国や町に行くことって、なんてワクワクすることだろうか。

欲望という名の電車

『欲望という名の電車』は、1947年にブロードウェーで初演されたテネシー・ウイリアムズによる戯曲。ゲイの必須演劇のひとつと言っても過言ではないだろう。今回、大竹しのぶさんが主演のブランチ役で出演するということで東急文化村のシアター・コクーンに観に行った。
広大な敷地を持つフランス系アメリカ人の名家の出であるブランチが、ニューオーリンズに住む妹の家に突然転がり込んでくるという話。
僕自身は観たことはないのだけど、日本では文学座の杉村春子さん主演が有名で、杉村春子さんはブランチ役を今までに600回演じたという。
没落してゆく名家、それにしがみつこうとする人間の姿。粗野で野蛮な原始的な人間の魅力、そして、『欲望』というとらえどころがなく恐ろしい生き物。ゲイやレイプ、少年愛や狂気を含んだ内容は過激であるとも言われるけど、芝居は静かに人間の本質に迫ってゆく。
フィリップ・ブリーンの卓越した演出にうならされる3時間。舞台美術も衣装も本当に素晴らしい。そしてブランチの宝石のようなセリフの数々・・・。
大竹しのぶさんはちょっとおさえ気味の演技で、北村一輝さんはスタンローの荒っぽい演技がはまっていた。でも今回、ステラという妹役の鈴木杏さんがとてもよかった。それと、ミッチ役の藤岡正明さんも素晴らしい。
映画とは違った演劇という生の空間でしか味わえない不思議な興奮を、久しぶりに堪能した夜だった。
⭐️欲望という名の電車http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_desire/

年賀状。

この時期に、一番頭を悩まされるのが、年賀状の製作。
僕は仕事柄、広告を考えデザインしているので、年賀状でさえも「この人の仕事はこうなんだ…」と思われてしまうため、手を抜くことはできないのだ。
いっそのことやめてしまおう…と毎年思うのだけど、年賀状でしかやり取りをしていない学生時代の友人などもいて、今年も年賀状を出すことにした。
今年は、十二支の干支のすべてを持っている箸置きの犬。
みなさんにとって2018年も、
おいしい毎日でありますように。

冬の庭仕事。

僕の家のベランダには、スタンダード仕立ての月桂樹が2本あって、ベランダの左右に配置されている。
スタンダード仕立てとは、根元からすーっとまっすぐに伸びた幹の上に、枝や葉を刈り込んで球体の形をしている植物のスタイルのこと。フランス式庭園によく見られる。
スタンダード仕立てに向く植物は、基本的には強健で蘇生力が強い柘植や月桂樹などの常緑植物。一年を通して美しい緑色の球体を眺められるもの。
月桂樹は家に一本あると重宝する植物で、葉っぱの香りが良く、スープを作るときには欠かせない植物。僕の家の月桂樹はスープを作る時に葉をむしられるけど、その蘇生力から葉はいつでも沢山生い茂っている。
冬になり葉が落ちたベランダで植物のボリュームが少なくなったので、月桂樹の足元に水仙やバイモユリの球根とガーデンシクラメンを植えてみた。
水仙やバイモは、植えっぱなしにしておくと毎年春先に花を咲かせてくれる。ガーデンシクラメンは、この時期にお店にある普通のシクラメンではなく、寒い時期の屋外で健気に咲き続けてくれるシクラメンだ。
布施明の『シクラメンのかほり』を思って、真っ白なガーデンシクラメンを左側の月桂樹の根元に、右側には、ピンクの濃淡のガーデンシクラメンを植えた。
これから落葉樹のすべての葉が落ち本格的な寒さを迎えるベランダで、陽だまりのように明るさを添え続けてくれるだろう。