千円くらいで買えるもの。

ヒマラヤスギのお香

紙のお香

毛玉取り

昨日もここにあげたお気に入りの雑貨店『LABOUR AND WAIT』で、最近買った小物たちをご紹介しますね。
千円くらいでも、こんなにも楽しく幸せになれるもので溢れているので、プレゼントに迷った時は覗いてみると面白いものに出会えるかもしれない。
他にも、鳥の鳴き声のするおもちゃとか、ソファや洋服に着いた犬の毛などを取るブラシとか、いちいち品揃えが面白いのです。
◎最初の写真は、CEDER(ヒマラヤスギ)のお香。
箱の中には杉の木の粉が凝縮したお香が繋がって入っていて、それを割って木で出来たスタンドに立てて火をつけると、まるで深い森の中に迷い込んだようないい香りが部屋中に広がる。1000円(税別)
◎次の写真は、紙で出来たフランスの120年の歴史あるお香。
安息香の木から採った香りは、どこかパリのエッセンスが感じられる。旅行でホテルに入った時などに炊くと、たちまち部屋中がうっとりするような香りに包まれる。空気の浄化作用もあるらしい。600円(税別)
◎ニットの毛玉取り
1986年にアメリカで作られた毛玉取り。箱の中には軽石のようなものが入っている。これでこすると手玉が取れるのだ。1500円(税別)
⭐︎LABOUR AND WAIThttps://www.instagram.com/labourandwait_tokyo/

小さなカミングアウト。

Kが勤めている病院で、クリスマスパーティーがあり、そこでプレゼント交換が行われるということ。
「ただしくん!なんでもいいから千円のものを買いたいんだけど、ただしくんといつも行ってる千駄ヶ谷小学校のそばの雑貨屋さんにあるかな?」
「うーん…
千円って、なかなかありそうでないかもね…今度行ったら見ておくよ」
そんな話をして、時間のある時にお気に入りのお店『Labour and Wait』を覗きに行った。いつものようにメールも時々送り合っている若い女性の店員さんと話をしていると、店員さんが聞いて来た。
「今日は、いつも一緒にいらっしゃる方はご一緒じゃないんですか?
ご一緒にいらっしゃる方…あの方…同じ会社の方ですか?」
「あ…あれは僕の…
パートナーなんです。
勤め先でクリスマスパーティーがあって、千円でプレゼントを探さなくてはいけないみたいで、頼まれて探しに来ました」
「あ、そうなんですね…
いつもご一緒ですもんね…
千円でしたら、うちには結構あるんですよ…」
店内をよく見て行くと、千円で買えるものが結構沢山あって、本来ならば僕が買って行ってあげようと思っていたのが、またあとでKを連れて買い物に来ることを伝えた。
カミングアウトをする機会は、何も、家族や友人、会社の同僚や上司などとは限らない。自分に最も近い家族や仲のよい友人たちの方が、人によってはカミングアウトは難易度が高い場合が多いのではないだろうか。
僕は僕で、今後ともKと一緒にお店を覗きに行っても、たとえばお揃いのセーターを買おうとしてふたりで試着しようとしても、周りに何も気兼ねすることなくショッピングを楽しむことが出来るのだ。
近所の雑貨屋さんで自然にしたカミングアウトによって、雑貨屋さんの女の子はふと身近にゲイのカップルがいることを知ったかもしれないし、今後他のスタッフや友人、恋人や家族なんかにもふと話をすることもあるかもしれない。
僕たちひとりひとりの小さな一歩が、周りを、世界を少しずつ変えていっているのだ。

劇団ぺんぺん第29回公演『WHOSE PARTY?』

『The Boys in the Band』が、ニューヨークのオフブロードウェーではじまったのは、僕が生まれた年の1968年。1970年にはアメリカで映画化されたこの作品は、日本では『真夜中のパーティ』というタイトルで公開された。
ハロルドという豪華なオネエさんの誕生日パーティーのために、ゲイの友人たちが8人、マイケルのアパートに集まるたった一夜の物語。
僕はこの物語を、劇団ぺんぺんの公演で何度も観ているのと、友人から借りた映画でも観ているのだけど、今回は、「50年近くも前のゲイを題材にした脚本が、今やLGBTだ。同性婚だ。などというニュースが溢れている現代の日本において、特に若い人たちが観た時にどんな風に感じるのだろう・・・」そんな風に思いながら、僕は金曜日の初演と日曜日最終の回を観に行った。
公演を観て改めて思ったことは、この脚本がいかによく考えられて構築されているかということ。
長いセリフの中に秘められた宝物のようなゲイの言葉を繰り出すマイケル。
マイケルの恋人で、頼りがいがありながらも精神的にまだ不安定なドナルド。
生真面目なハンクとセックスが好きで遊び人のラリーのゲイカップル。
生まれた時からオネエ言葉を話していそうなエモリー。
黒人で、純粋な心を持ったバーナード。
若さを最大限の武器にしながら、ルックスと身体が売りのカーボーイ。
ユダヤ人でゲイというダブルマイノリティでありながら、圧倒的な存在感を誇るバーナード。
マイケルの友人で、ストレートということになっているアラン。
ひとりひとり違う登場人物たちの言葉が、しっかりと心を捉えて離さないのは、それぞれのゲイゲイしい部分が、完全に僕の心の中に存在するからであろう。
周りで笑っていた若い子たちを見ながら、たとえ50年経とうが、改めてこの脚本は死ぬことはないのだと思ったのだ。
おめでとう!劇団ぺんぺん第29回公演『WHOSE PARTY?』

オリエント急行殺人事件

若い頃からいつか一度は乗ってみたいと恋焦れている『オリエント急行』。
アガサ・クリスティの小説『オリエント急行殺人事件』が久しぶりに映画化されると知って、鼻息荒く劇場へ。
名探偵エルキュール・ポアロが偶然乗ることになったオリエント急行。美術商や大金持ち、公爵や大学教授、宣教師や医師などそれぞれ個性的な乗客たち。乗客以外誰もいるはずのない電車の中で、ある夜、恐ろしい殺人事件が起きる・・・。
主演に監督のケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー・・・錚々たる顔ぶれなのに作品として今ひとつなのは、何をやっても一緒に見えてしまうジョニー・デップと、やっぱりケネス・ブラナーのゆるい演出のせいかもしれない。それに、美術も撮影も衣装もメイクも、オリエント急行のヨーロッパのすえた匂いがするような恐ろしさを伝えきれていなかったのが残念だ。
一番驚いたのは、あのセクシー女優だったミッシェル・ファイファーが、ただのおばあちゃんになってしまっていたこと。
この映画を観て一番強く思ったことは、『みんな年をとるのだ。ミシェル・ファイファーのように・・・』ということだったな。笑
⭐️オリエント急行殺人事件http://www.foxmovies-jp.com/orient-movie/

冬を迎える準備。

5つの色違いのヒヤシンス

Kが手伝ってくれたコンテナ

シックな色合いにしてみた

昨年もここに書いたのだけど、毎年冬がはじまる頃、球根の栽培をはじめる。
それは、長く寒い冬に備えて温かさを感じたいからであり、少し先に訪れる春を心待ちにしているから。
部屋の中ではヒヤシンスとアマリリスの水耕栽培を。ベランダでは、チューリップや水仙、ムスカリ、スノーフレークなどの球根を植えつける。
球根は、寒さを一身に感じた後に、ゆっくりと根を伸ばしながら、やがて春の訪れを知らせるかのように芽を伸ばしはじめる。
チューリップなどは、球根だけ植えておくと土しか見えずに退屈なので、球根の上に草花を植えること。そうすれば水やりを怠ることはなく冬の間中花が咲き続ける小さな植物たちに、毎日元気をもらえるだろう。
ここに何度も書いているけど、チューリップや水仙などのコンテナ栽培とヒヤシンスの水耕栽培の仕方をもう一度書いておこう。
⭐️チューリップなどのコンテナ栽培
◎用意するもの
鉢(沢山植えたい場合は直径50センチくらいのものを。もちろん鉢は小さくても構わない)
球根(チューリップ、水仙、ムスカリ、スノーフレーク、フリチラリア、ブルーベルなど)
草花(パンジー、ビオラ、ガーデンシクラメン、スイートアリッサムなど、黄色や銀色や紫色の葉っぱのきれいな草類。アイビーやシルバーリーフやヒューケラなど)
◎植え方
1.鉢の底には網を入れて、ゴロ石を少し敷き水はけよくする。鉢の上の淵から5センチくらい空けたところまで最終的には土を入れるイメージで、そこから更に15センチくらい下がったところまで土を入れる。そこに、チューリップの球根を並べる。
2.土をその上に5センチくらいかぶせて、水仙、ムスカリ、スノーフレークなどの球根を置く。背丈の高いものは中央に集めて、ムスカリなどの背の低いものは周囲に配置する。
3.球根が隠れるくらいにその上に更に土をかぶせて、そこにパンジーやビオラ、美しい葉っぱの草花を配置して土をかぶせて完成。水をたっぷりとあげる。
寒い冬から春が終わるまでずっと、花々の競演を楽しめるだろう。
⭐️ヒヤシンスの水耕栽培
◎用意するもの
水耕栽培用の容器。または球根が上で止まるような小さなコップ。
ヒヤシンス
◎水耕栽培のやり方
ヒヤシンスの球根は、水に浸けっぱなしにすると菌が水の中で繁殖してすぐに腐ってしまうので、珪酸塩白土などをひとつまみ水に中に加えてから球根の下部の黒っぽい部分だけ水に浸かるようにして、暗く寒い場所に1ヶ月間くらい置く。(ダンボールなどに入れて光が入らないようにガムテープで蓋をしておく)
その間、1週間に1度くらいはお水を替えてあげて、やがて白い根が伸び始めて、芽が顔を見せ始めたら、やっと明るい室内に移動にさせる。
小さな球根をひとつ育てるだけで、宇宙の力を感じるに違いない。

L.J.Smithのセーター

随分前から、着るものに関してはほとんど物欲はなくなっているのだけど、久しぶりに、一目見て気に入ったセーターがあったので、Kとふたりお揃いで買ってしまった。
スコットランドのもので、ザックリとしていてとても重く、着ると驚くほど温かい。
首回りや袖周りの雰囲気といい、胴回りや腕周りがすっきりと細めなので素朴でありながらデザインは洗練されている。
僕は素朴なグレーでKは黒。
ふたりでお揃いで着る日が待ち遠しい。
⭐️L.J.Smithのセーター
Labour and Waithttps://www.instagram.com/labourandwait_tokyo/

クリスマスツリー。

「ただしくん、今年はクリスマスツリーはないの?」
「ただしくん、下の家にはリースが飾ってあったよ」
11月の終わりくらいからKは、たびたびクリスマスツリーやリースのことを聞いてくるのだ。
僕も、「日本のクリスマスは早すぎるんだよ。サンクスギビングが終わってから飾り付けをするものだよ」などと答えながらも、あっという間にサンクスギビングの週末も過ぎていったのだった。
昨年末に買った本物のモミの木は、東京の酷暑をなんとか乗り越えたものの、秋口に入り急に枯れてしまった。
夏が暑すぎたせいで疲れてしまったのだろうと思いながら、来年こそ夏を無事に乗り切りたいと思いながら、新しいクリスマスツリーを探してはいたのだ。
渋谷の東急本店の屋上にあるヴィラデステには、クリスマスツリーかいくつか入荷していたのだけど、枝ぶりがちょっとスカスカしていたので、他に枝が多いものがあれば取り寄せてほしいと伝えていた。
広島にいる時に、苗が入ったという連絡が入り、帰ってから見に行くと、昨年と似たような立派な苗が取り置きされていた。
配送してもらった苗を家に入れて、空いていた小さめの鉢の中に仮に入れて、晩ごはんの準備をしていると、Kが帰ってきた。
「かわいい!」
「鉢が小さいから、別のを用意しないとね」
「うん」
「日曜日に、飾りつけしようね」
今年も我が家に、クリスマスツリーがやって来ました。

乾燥した冬の夜。

東京をはじめ太平洋側の冬の天気は、晴れて乾燥した日が続くことが多い。
乾燥が続くと手や唇が荒れたり、脚が乾燥して痒くなるものだ。
年をとったからか昔よりも乾燥することが多く、足の裏がカサカサになっていることがある。
洗面所にはハンドクリームもボディクリームもボトルで置いてあるのだけど、自分の足の裏は手が届きにくく、尚且つ面倒くさいのでお風呂に入ってそのまま寝てしまうことが多かったのだ。
そんなある日、僕のカサカサの足の裏に気づいたKは、ベッドから抜け出して洗面所からボディクリームを持ってきて、僕の足を抱え込むと丁寧にクリームを塗りはじめた。
「なんでこんなに乾いてるんだろう?」
「年取ると、油分が少なくなるんだよ。きっと」
朝起きると、足はまだしっとりと潤いを保ったままだった。
そしてその夜も、次の夜も、Kはクリームのボトルを持ってきては、僕の足の裏に丁寧にクリームを塗ってくれた。
「だいぶ良くなってきたね。ひび割れはなくなってきたみたい」
「いつもそうやって労わってあげて!」
東京の乾燥した寒い冬の夜を、僕たちはそんな風に過ごしている。

はじまりの街

大好きなイタリアの女優『マルゲリータ・ブイ』が出ているので思わず前売り券を買っておいたのだけど、週末は2週連続で東京にいなかったので岩波ホールでの上映が終わりそうになり慌てて観に行った作品。
ローマで暮らしていたアンナ(マルゲリータ・ブイ)は、夫のDVが激しくなり、13歳の息子ヴァレリオを連れて学生時代の友人カルラ(ヴァレリア・ゴリーノ)を頼りにトリノへ向かう。
カルラは結婚もせず演劇を続けている気ままな一人暮らし。決して広くはない家に親子で転がり込んだのはいいが、はじめての土地や学校に慣れないヴァレリオは、母に反抗するかのように荒っぽく当たるようになる。
映画はとても地味で、淡々と流れてゆくのだけど、僕の家の境遇と重なるところがありずっと映画の中に入り込んで見ることができた。
夫から隠れて暮らしながら収入もなく、見知らぬ土地で生きることを選んだ母親の決死の思いが伝わってくる。
揺れ動く13歳の繊細な感情を、少年はとてもうまく演じている。
母親の友人役のカルラ(ヴァレリア・ゴリーノ)は、『レインマン』『リービングラスベガス』にも出ていた女優だけど、奔放でやさしいイタリア女になりきっていて素晴らしい。余談だが、友人が本当に困った時に、カルラのように全てを差し出して助けてあげられるような人が、本当にやさしい人なのだと思った。
イタリアの至宝『マルゲリータ・ブイ』のやつれたおばちゃんになりきった演技はさすがだ。秋が深まってゆくトリノの町の紅葉が息が止まるほど美しくおさめられている。
⭐︎はじまりの街http://www.crest-inter.co.jp/hajimarinomachi/

牡蠣とお好み焼き。

白肉

ホルモン

お好み焼き

広島といえば、牡蠣とお好み焼き。他にも色々あるのだろうけど、一般的には牡蠣とお好み焼きではないかと勝手に思っている。
滞在中、何度かお店で生牡蠣を食べようと試みたのだけど、ほとんどのお店で生牡蠣は取り扱いがなかったのには驚いた。(牡蠣屋という先日あげた宮島の店にはあったのが驚きなくらい)
広島の人に聞くと、「昔から生牡蠣は食べちゃダメと言われて育った」などと言うのだ。
今となっては生牡蠣は、ごく一部の免許のあるお店でしか取り扱いはないし、もはや東京の食べ物になりつつあるのかもしれない。
そして、お好み焼き屋さんに全部で3回も入った。(学生時代にKが広島に住んでいたこともあってお好み焼きが好きなようだ)
広島のお好み焼きを「広島焼き」や「広島風お好み焼き」などと言ってはあまり喜ばれないそうだ。
「お好み焼き」もしくは、「広島のお好み焼き」が妥当とのこと。
お好み焼きに対する思い入れが全くない僕にとって、大阪であろうが広島であろうが、お好み焼きをそれほど美味しいと思うことはない。東京出身者にとってお好み焼きは、夕飯には味気ないものなのだ。
それでも、広島のキャベツが沢山入って粉が上にしか載っていない層になっているお好み焼きを食べながら、お酒を飲むのは悪くない。
白肉(ミノ)やホルモンが鉄板焼きとして好んで食べられるのも広島らしい。
また行きたいな。牡蠣とお好み焼きを食べに、広島に。