料理 小松

香箱がに

鱈の白子の茶碗蒸し

鰤のぶっかけ

毎年のことなのだけど、冬の訪れとともに、金沢を訪れることを、ここ10年くらい続けている。
香箱がにが採れる11月の解禁を待って、たいてい11月に来ていたのだけど、今年は慌ただしく少し遅くなってしまった。
金沢に来ると、毎年一緒に食事をするストレート(たぶん)の友人がいる。
その昔、『あいじ』と言うお寿司屋さんに行った時に、偶然カウンターで隣り合わせてからの縁なのだけど、毎年僕が金沢を訪れるのを、誰よりも楽しみにしてくれているのだ。
今年は、この方が選んでくれた『料理 小松』というお店に行くことが出来たのだけど、これがまた素晴らしい和食店だったのです。
『小松』は、金沢の割烹料理の総本山でもある『銭屋』で働いていた方のお店で、僕の大好きな『雅乃』なんかも、兄弟子にあたるそうだ。
お料理は、シンプルでいて潔く、金沢の豊かな食材を見事に生かしている。
香箱がに、鱈の白子の茶碗蒸し、鰤のぶっかけ、炊き合わせも甘くなく素晴らしい。
大将は温和で、とても話しやすい。友人が用意した日本酒を飲みながら、楽しく豊かな時間を過ごすことが出来た。
また再訪したいと思う素晴らしいお店。
★料理 小松
076-224-0118
石川県金沢市鱗町86-1
http://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17005224/

Kちゃん、東京に住めるかな?

京都駅で別れる時はいつも、Kは西に向かう新幹線を待ち、僕は東に向かう新幹線を待ち、手を振りながら別れた後に別々の電車に乗る。
そんな時いつも思うのだ。もしも一緒に暮らしていたら、こんな寂しさを感じなくてよいのに…。
先日の京都からの帰り道、同じように西と東行きの新幹線に乗ると、KからLINEが入った。
K「Kちゃん、東京に住めるかな?」
僕「東京に来るの?」
K「仕事なら、あるから大丈夫。正くんの家で一緒に暮らせるかな?」
僕「段ボール三つくらいで来てね」
今までは、大分と東京で離れて暮らしていることで、うまくいっていたこともあるのかもしれない。べったりと一緒にいないことで、それぞれ自由に生きることができたところも大きいと思うのだ。
先のことはわからないのだけど、このまま離れて暮らしていくことに、Kは我慢が出来なくなったようだ。
僕も、先のことはわからないし、一緒に暮らしてゆくことが出来るのか、不安がないわけではない。
それでも、Kが決めたことなので、Kの思うようにまずはやってみようかと思う。
新しい家で、新しい暮らしがはじまるようだ。

別れる時に。

A-LANDで飲んでいたら、年下の恋人と別れたという27歳くらいの若い人が話しかけてきた。
この1ヶ月くらい、ずっと別れるための話し合いをしていたけど、やっと別れたということ。どちらかというと自分の方が年下君をいまだに好きでいるけど、彼とこのままつきあっていても、お互いに幸せになれないとわかっていると。
彼「それで、僕、手紙書いたんです。ちょっと長くなっちゃったけど…でもみんな友達は、手紙なんて渡さない方がいいと言うんですよ。今時手紙なんて形にも残るし重たいって言うんです。どう思いますか?
手紙なんて渡さない方がよかったですかね?」
僕「自分の気持ちを整理するためにも、きっと手紙を書くということが必要だったんだろうね。僕は、手紙を書いてよかったと思うよ。
最後にきちんと自分の気持ちを、文字にして伝えたかったんだよね?メールではなく手紙で」
彼「はい。きちんと自分の気持ちにも決着つけて、これから新しい人生をはじめたいと思ったんです」
僕「自分のやりたいようにやったのなら、あとで時間が経った時に、やっぱり手紙を書いてよかったって思えると思うよ。やりたかったのにやらなかった方が後悔すると僕は思うんだ。
別れ際は面倒だったりして、話し合うことさえ避けて別れるカップルがいるけど、きちんと思い残しのないようにして別れた方が、そのあとのふたりの人生にとっては、ずっと建設的なことなんだよね」
一度は恋に落ちて、ともに生きることを選んだふたりだとしても、その恋が終わって別れる時は、力仕事だ。
新しい道を歩き始めた27歳君の、次の恋愛話を楽しみにしている。

思いがけないプレゼント。

今月の終わりに、僕はまた一つ年をとる。
自分が47歳になるなんて、到底受け入れられずにいるのだけど・・・。
年末の慌ただしさと引っ越しの段取りですっかりそんなことも忘れていたところ、思いがけず年下の弟のようなKTから、誕生日プレゼントをいただいた。
MoMAのデザインショップの削ったチーズを入れる容器。
引っ越しが落ち着いて、友人たちが集うようなパーティーに活躍してくれそうで、とてもありがたかった。
僕がもし、僕のような人にプレゼントを選ぶとすると、本当に面倒くさいと思う。
大抵のものは持っているだろうし、変に自分の好き嫌いがハッキリしているのでうるさすぎるからだ。
そんな面倒くさい僕のような人間に、素敵なプレゼントを選んでくれて、ありがとう。きっと沢山迷ったに違いない。
たいせつに使いますね!KT

たいへんな時には。

僕には、知り合ってから25年くらいになる友人Tがいる。年は僕の2つか3つ上50歳くらいだろうか。
特にしょっちゅう連絡を取り合うような仲ではないのだけど、時々思い出したようにLINEが来るし、ぺんぺん草でもひょんな時に顔を合わせるので、まあ元気にしているのだろうと思っていたのだ。
それが、先日のぺんぺん劇団の芝居の後、一緒に食事をしたら、少し前に肺炎をこじらせて入院していたということがわかった。
僕「肺炎?!肺炎って、老人がよくなる病気じゃない?こじらせたって大丈夫だったの?」
と叫ぶ僕に、「今は大丈夫だけど、年をとるといろんなところにガタがくるのよ・・・」と、なんだか力のない返事。「KIがいてくれて助かったわ。やっぱり年下の恋人に限るわ」と言って笑った。
幸い、Tにはもう15年くらいになるだろうか、年下の恋人KIが一緒に住んでいたので、彼がすべて面倒を見てくれて、ようやく退院することができたようだ。
そんな話を聞いて、なんだか病気のせいかやつれて、心なしか老けたようにも見えるTのことが、とても心配になったのだ。
翌朝、Tのことが気になっていたのでTにLINEをしてみた。
僕「体調崩したり、何かあったらすぐに教えてね!」
しばらくすると、Tから連絡が入った。
「死にそうな時は言うから、心配しないで。入院くらいで死にゃしないから。」
年を重ねていくと、思わず体調を崩すようなことがある。家族を持つ人が少ないセクシュアルマイノリティにとって、そんな時に頼れるのは恋人であり、友人だろう。
たいへんな時には、頼って欲しいし、そんな人間でありたいと思う。これから先、僕だって何かが起きたら、思わず友人に助けを求めることもあるに違いない。
たいへんな時には、誰かを頼ろう。
支え合って、僕たちは生きているのだから。

劇団ぺんぺん第27回公演 瞼の母

毎年恒例でもある劇団ぺんぺんの芝居を、新宿のBRATSという劇場に観に行った。
僕は、第2回目から観るようになって、東京にいる時はほぼ欠かさず観て来たのだけど、さすがに第27回目の千秋楽にもなると、昔のように常連がわんさか駆けつけて、妙な一体感があるあの感じも薄くなってしまったように思う。
時代とともに新しいお客さんも入り、昔からの常連や役者さんのノンケの友人たちが自然に入り交じる新しい時代になったのだ。
実は、劇団ぺんぺんは今年もアクシデントが起こっていたようだ。12月第1週目の本番を数週間後に控えた11月のある日、前から何度か出演していた役者さんが諸事情により劇団を突然辞めた。
そして、それに伴う脚本の変更もあり、続けてまた新しい役者さんが辞めた・・・。
ふたりも役者が辞めたことにより、配役や脚本を大幅に修正しないと不可能となり、今回の講演自体が危ぶまれる事態となったのだけど、実際の千秋楽を観た感想は、ひろしさんをはじめ、昔からの役者たちが『女の意地』を見せるかのように、素晴らしい舞台になったのだった。
実は、この『瞼の母』は、劇団ぺんぺんでも再演で、15年くらい前だろうか、『明治一代女』との抱き合わせでやった演目だった。舞台を観ながら、その当時のことも思い出され、目頭が熱くなった。
舞台が無事に終わり、九州男でおこなわれた打ち上げに行くと、昔懐かしい顔ぶれが集まっていた。こんな風に懐かしい人に出会える年に1度のぺんぺんのお芝居も、残すところあと3回となってしまった。
30回目の公演で終了になるという劇団ぺんぺんのお芝居。いつまでも毎年の暮れの楽しみであって欲しいと思うのだけど、いつの日か、観たくても観られなくなる日が来るのかと思うと、なんともせつなくてたまらないではないか。

Patti LaBelle

髪なのか、羽なのか、わからない。

パティ・ラベルが好きだ。
押しも押されぬ大御所の実力派黒人女性シンガーと言ったら、アレサ・フランクリン、パティ・ラベル、グラディス・ナイト・・・だろうか。
彼女たちに続く存在としてきっと、ホイットニーヒューストンはいたのだろうけど、あんなに若くして逝ってしまったのが残念でならない。
90年代に、キャリン・ホワイトという黒人の若い女性が、『super woman』という曲を大ヒットさせたことがあったのだけど、その数年後に、グラディス・ナイトとパティ・ラベルと、ディオンヌ・ワーウィックという大御所の『THEおばさん』3人がしゃしゃり出てきて、その『super woman』をカバーして歌ったことがあった。http://youtu.be/Y-2olRqxK7c
「そこの小娘、引っ込んでなさい!」
と言った感じだろうか。
グラディス・ナイトは強烈な顔と個性を放っているし、パティ・ラベルは、頭が羽のようになっていて相変わらず気狂いのような声を出しているし、ディオンヌは控えめに抑えて歌っているけどなんだか化け物じみて見える。
そんな3人の『THEおばさん』たちの「super woman』は、本当はか弱い女の歌詞なのに、とてもそんな風に聴こえなくて苦笑いしたのを覚えている。
この町中がクリスマスに向かって温かい光に満ちている時期に、友人が上げたファイスブックの投稿で久しぶりにパティ・ラベルを聴いて、あまりにも素晴らしかったのでここに上げておく。
このビデオを見ると、パティ・ラベルは、他の誰とも違う唯一無二のシンガーであることがわかるだろう。

Merry Christmas!

For Harrietさんの投稿 2014年12月25日木曜日

Merry Christmas!

紅葉とは。

今までずっと、紅葉のことを勘違いしていたようだ。
「紅葉とは、人間でいう老齢期のようなもので、
そこはかとなく詫びしいものである」と。
人間の人生を、植物に例える文章をよく目にすることがある。
3月に芽吹きの若年代があり、4月に美しい花を全身で咲かせる20代、緑が鮮やかに濃くなってゆく思春期から初夏から盛夏の30代、9月に入る頃は40代を過ぎる頃だろうか。やがて、葉が50代で黄色くなり、60代からはいよいよ紅葉の季節に例えられ、やがて葉を少しずつ落としてゆくような…。
でも、先日の京都旅行で、様々なグラデーションに染まった樹々の中を歩いてみると、「紅葉とは、老齢期とはおよそ似つかぬものだということを思ったのだった。
『紅葉とは、樹々が全身を使って生命を燃えたぎらせ、謳歌している姿』に思えたのだ。
なんとなく、秋や紅葉を物寂しく感じている方がいたら、11月終わり頃の京都に行ってみてほしい。
桜の咲く頃に決して負けないような、樹々が紅く燃え盛る姿を見れば、僕が言っている意味がお分かりになると思う。

引越しのお値段。その2

結局、8社に見積もりをお願いして、
8万円から30万円までの開きがあることがわかった。
電話だけで家具やエアコンの取り外し、処分するものなどを聞いて、見積もりを書いてくれる業者は、17000円から8万円の間だった。
いちばん最初に来てくれた業者に、恐る恐る聞いてみた。
僕「あのー、僕の家の家財って、1人分にちょっと毛が生えたくらいですかね?」
業者「いやあ…4人分の家族くらいありますね。特に家具がみんなでかいし高そうだから保険にも多めに入ったほうがいいし、本と食器が半端じゃないですね。何か飲食店やられてるんですか?」
僕「いや、何も…。ダンボールって、40くらいで入りますかね?」
業者「今、ざっと見たところ、100個くらい用意しようと思っていました。」
僕「ひゃ…百個???」
結局、この中で8万円でやってくれそうな業者さんにお願いすることに決めたのだけど、きちんとすべてのものが新居に運び込まれることを願うばかりだ。

引っ越しのお値段。

三週間後に引っ越しすることを決めて、さて、引っ越し業者はどこにしたらいいかと、一斉見積もりが出来るサイトに書き込むと、狂ったように本当に一斉にメールと電話が鳴り出した。
会社によって、電話で家具の大きさや個数、処分するものなどを聞いて、見積もりを送ってくれるのだけど、その見積もりの額があまりにも各社バラバラなのでおかしくなってしまった。
引っ越しの時に加算されるのも怖いので、今回も家に来ていただいて、きちんと見積もりをもらった後に検討しようと思い、5社が入れ替わり立ち替わり現れ、見積もりを作っていただいたその結果が以下のものになる。
A社 300000
S社 191404
A社 181580
H社 130680
A社 119800
30万円から、12万円までの開きがあることがわかる。(ちなみに、30万円の有名引っ越し店は、僕が難色を示すと、すぐに20万円に下げた…いったいどういうこと?)
全ての家具や取り付け、処分するものを説明して、同じ条件で見てもらっているのに、この金額の差はなんなのだろう?
ちなみに、一斉見積もりをした後に、すぐに返信が来たところは、17000円というところまであって驚いたけど、もしかしたら実際の現場で加算をしていくのかもしれない。
それにしても、値段があってないような引っ越し業界。もう少し合い見積もりをもらって、検討することにしようか。
どなたか安くていい業者さん知りませんか?