憎悪。

先週末、ソウルではLGBT PRIDE(クイアパレード)が5000人によって行われた。
友人たちもわざわざ日本からソウルに向かい参加していたのだけど、16時半のスタートになっても一向に進む気配はなく、いったいどうしたのかと思っていたら、20メートルほど進んだところで保守団体とキリスト教の団体が行く手に立ちはだかり、座り込んだり、道路に寝そべってまったく動けなくなったそうだ。
そればかりでなく、パレードを先導する車に飛びかかって水をかけたり、車の下に潜り込んだり、力ずくでパレードを進行できないような行動に出たのだ。
警察はその中間に入り、騒ぎは結局5時間以上も続き、夜の22時を回ってから、ルートを変更してパレードに突入できたそうだ。
そしてこれは偶然のようだが、今回のソウルパレードのタイトルは『愛は憎しみより強い』であったそうだ。そのスローガンのもとにパレード側は、保守団体やキリスト教団体に対して、いっさい暴力行為に出ることはなく、歌を歌い、踊り、自分たちの主張を叫び続けたようだ。
自分とは違うセクシャリティを受け入れることができないにせよ、なぜ前に立ちはだかり、暴力をふるったりするのだろうか?
この、暴力行為にまで膨れ上がる、得体の知れない『憎悪』は、いったいどこから生まれてくるのだろうか?
そしてこの『憎悪』は、世界のあらゆる国で長い間起こっていることであり、ロシアのように法律が出来たり、ウガンダやブルネイのように死刑になったりする国もあるのだ。身近な例を上げると、同性愛やセクシャルマイノリティに対するいじめはいたる所で起こっており、LGBTの多くの割合が自殺を考えたり、実際に自殺を試みたりするようなことが起こっているのだ。
『愛は憎しみより強い』僕もそう信じたいと思う。
でも、本当に一人一人が、もっと強い愛で願い、行動しないと、セクシャルマイノリティが生きやすい社会はなかなかやってこないのだと思う。
★神様の名前で同性愛嫌悪暴力騒動 http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/knews/00_2014/1402186858428Staff

強い人。

今日から友人Hが、36回目の入院をした。
Hは、難病のため、入退院を何度も何度も繰り返していて、時々思いついたように何気ない日々のメールをくれる。
それは、お爺様の描いた絵があったり、お母様とのやりとりがあったり、家に遊びに来る野良猫だったり…
また、退院して体調がよくなると、ひょっこり飲み屋に現れたりする。
もう、何年も病院と自宅との生活を続けていて、病と向き合い、毎日を過ごしているHのことを、僕は、とてつもなく強い人だと思って尊敬している。
どうやったらHのように、強く生きていけるのだろうかと日頃から思っていたことを、今朝、メールで聞いてみた。すると…
「いろんな執着を捨てることでしか、こういう事態には対処できないよね。
もし、大きな病気になったら、まず、執着を捨てれば、なんとか生きていけるかも」
送られて来たメールを、今日は何度も何度も読み返しながら考えた一日でした。

UNDER ARMOUR のコットン95%Tシャツ。

ジムに行く気がすぐになくなる僕にとって、時々気を紛らわしてくれるのがウエアだ。(ゲイはみんなそうですよね?)
ウエアもどんどん進化して、汗をかいても渇きやすいと言われている性能は、どこもそんなに変わらないのだと思う。
シューズはずっとニューバランスで、ウエアは色々見たけれど、結局アンダーアーマーに落ち着いて来た。
昔は、ナイキだ、アディダスだ…といったわかりやすいブランドが目についたのだけど、アンダーアーマーっていつから出て来たのだろうかとwikiで調べてみると…
1996年に、アメリカンフットボールの選手だったケビン・プランクが祖母の地下室で設立した会社だという。ほぼ、10年でトップブランドに成り上がった。
ブランド名は、「セカンドスキン(第二の皮膚)」のように身体に密着するという特徴的なウェアを、ユニフォームの下(=Under)に着用する「アスリートが戦うための鎧(よろい=Armour)」としたことに由来する。
曇り空の中、新宿のオッシュマンズに買い物に行き、いつものお気に入りのコットン95パーセントのTシャツを買って来た。
このTシャツがお気に入りなのは、いわゆるコットンのさっぱりとした気持ちよさがあるから。
それでいて、他のTシャツに比べて身体に必要以上にフィットしないのと、汗の渇きも早く改良されている。
化繊で身体にフィットするようなものが今は流行りのようだけど、僕はこんな、さらりとしたコットンの質感で、適度にラフなウエアが好きだ。

幸せな人の選択。

先週の日曜日の夕方に新島から帰って来てから、この一週間、仕事に行って(時々ジムに行って)、毎日そのまま家に帰って、のんびりと晩ご飯を作ってワインを飲んでいる。
『幸せな人が毎日実践している7つの選択』http://www.lifehacker.jp/sp/2014/06/140606happy.html?r=www.google.co.jp
というのを読んだ。
1.運動をする。
2.外で過ごす。
3.家族を大事にする。
4.友達との時間をつくる。
5.仕事に意義を見出す。
6.コミュニティに貢献する。
7.よく眠る。
どうしても我々日本人は、仕事が人生のほとんどを占めているのではないだろうか?
この7つをみるかぎり、仕事はあくまでも一つの重要な要素であるけれども、自分の人生を支えてくれているたいせつな要素は、他にもあるのだ。
コミュニティというのは、自分の利益の追求ではなく、自分の活動が誰か他者のためになるような場ということだろう。
運動をすること。
外で過ごすこと。
よく眠ること。
そんな子どもみたいなことを、なかなか毎日出来ていないのが現実かもしれない。
そして何よりも、
家族を大事にすること。
友人との時間をつくること。
それを『毎日』実践するということが、幸せな人の選択なのだ。

冷凍庫や貯蔵庫。

冷蔵庫の中は、もともとあまり沢山の食材を溜め込まないので、だいたい中身はわかっている。
でも、冷凍庫はうる覚えのことが多く、定期的にチェックをしなければ、1年くらいそのままになってしまうケースも少なくない。
面倒くさいけど棚ごとに、今入っている食材を書こうか…などと考えていたのだけど、先日思いついて、冷凍庫の棚ごとにすべてを表にさらけ出して、iPhoneのメモ機能に書き込んでみた。
すると、驚くほど効率的だということがわかった。(しかも、食材を出して書き込むのに、実は10分とかからないのだった)
疲れて家に向かう電車の中でも、帰ってから食べるものを考えることが出来るし、足りないものは一目瞭然。
それに、無駄に食材を買わなくても、意外とストックでなんとかなるものだし、食材も効率よく回せることがわかった!
今では調子に乗って、レンジ下の貯蔵庫の中身もすべて書き出して、放ったらかしになっていた缶詰なども無駄なく食材を回していけるようになった。
スマホのメモが良いことは、持ち歩けることと、書いたり消したり自在なこと。
そんなの想像出来るよ…と思われるかもしれないけど、ぜひ一度、すべての棚の中の食材をカミングアウトしてみて欲しい。

よしこさん。

その昔、二丁目の新千鳥街に、『ぽけっと』という魚中心の小料理屋さんがあった。
『五郎』という、高級魚料理のお店の二階で、『よしこさん』というママがお店を取り仕切っていた。
五郎の奥さんは、おしゃべりなおばあちゃんで、着物の上に割烹着を着て上と下を行き来していた。
よしこさんは、生まれも育ちも裕福だったのだろうなあと思わせる上品さがあって、お客さんを思いやり、いつも僕や僕のパートナーを気遣ってくれた。
おばあちゃんは、おしゃべりで飲むと口が悪くなるし、ほとんど働かないで、同じことばかり話していた。
ぽけっとに行きはじめて、常連となっていく途中に、五郎さんとよしこさんが出来ているという話を、酔っ払ったおばあちゃんが僕たちにした。おばあちゃんも、飲まずにはやっていられなかったのだろう。
仲が良さそうに見えた上下の店の家庭内で、憎悪が渦巻いていることを知って、僕たちは恐ろしくなったものだ。
そのうちに、よしこさんも珍しい腫瘍に侵されていることがわかり、手術を繰り返すようになり、その後、五郎さんも腫瘍で入院して、暫くした後に亡くなり、おばあちゃんも亡くなり、よしこさんも入退院を繰り返した後に亡くなったと聞いたのは3年以上前だろうか…。
僕たちは、よしこさんの明るい笑顔とやさしい思いやりが大好きだった。
時々喧嘩をする僕たちに、よしこさんは遠くから見守るようにいつもやさしく接してくれた。
不倫とか、世の中の道に外れたこととか、様々な言われ方もしたのかもしれないけど、よしこさんは、間違いなく五郎さんを愛していたし、五郎さんも、自分の腫瘍がわかってから、僕たちにそっと、「私に何かあったら、よしこのことをお願いします」と言って、頭を下げたことがある。
今日は、東京でも梅雨の始まりで、雨が静かに降っている。
夕食の鯖を焼く時に、よしこさんがよく、焼きながらお酒を振っていたのを思い出して、鯖にお酒を振りながら、よしこさんのことを思い出した。
少し照れたようなはにかんだ表情をしたよしこさんは、今でも僕の中で、明るく微笑んでいる。

TRANSFORM YOURSELF

UNDER ARMOURのこのコスプレTシャツ、めちゃくちゃ欲しいのだけど日本では品切れみたい…
ニューヨークやブラジルに出張に行く後輩に頼んで、買って来てもらおうかと画策中。
スパイダーマンになりたい…^ ^
★UNDER ARMOURhttp://www.underarmour.co.jp/alterego/

不安や、心配な時には。

先日食事をした友人が、とてもやつれて見えたので、どうしたのかと尋ねたところ、「皮膚の荒れが酷くなる一方で、これはひょっとしたら別の病気ではないかと心配になって、暫くそのことが頭から離れなくて夜も眠れなかったんだ・・・」と言う。
「病院に行って詳しく検査をした方がいいんじゃない?」と言う僕に、「うん。実は、あまりにも心配になって、HIVの検査もお願いしたの。先生はただのアトピーだから心配はないと言うのだけど、もうなんだか恐ろしくなっちゃって・・・」
何が原因であれ、まずは不安になっているその元凶をつきとめて、きちんと正体を見ることをしなければ、不安は姿が見えないままだと巨大化するばかりだ。
先ほどその友人から電話が入った。「大丈夫だった。心配かけてごめんね。」
電話の向こうの声は明るいけど、ちょっと涙ぐんでいるようだった。
一人でずっと心配を募らせていたに違いない。「よかったね。これで正体が分かって安心だね。これからは、アトピーときちんと向き合って戦っていけるね」
一人暮らしが多いこともあるのだろうけど、セクシャリティを隠して生きている僕たちは、本当に不安だったり恐怖に陥っている時に、周りにその問題を相談できない人が多いように思う。
パートナーがいればまだしも、親や兄弟に、特にセクシャリティに関わる問題を相談することは難しいのだろう。
それでもよく自分の身の周りを見回してみると、友人や少し年上の知人なんかがいないだろうか?
年上の人は、自分よりも長く生きている分だけ様々な経験をしてきているし、その人がわからなくても、その問題に繋がる術や人脈を知っていたりする。
酒場に行けば話を聞いてくれる人がいるかもしれないし、探せばきっとコミュニティだってあると思う。
不安や心配が重なって、自分では抱えきれないくらい大きくなる前に、思いきって自分の周りにいる人に相談してみるといい。
僕自身も周りの友人たちにとって、いつでも相談されるような人でいられるようにと思う。

民宿に泊まるということ。

民宿のそばで食べた魚だらけ定食

新島では、民宿『sarohttp://saro-niijima.jp/』に泊まった。
民宿というものに泊まるのは、学生の時以来で、「お風呂もトイレも一緒です。みんなと雑魚寝でお願いします」と言われた時は、「ごめん。雑魚寝とか…無理だから…」と断わった。
その後も何度もしぶとく新島の話が出たので、一度丁重にお断りした。「雑魚寝とか出来ないので、今回はキャンセルさせてください」
すると幹事から連絡があり、「個室をご用意出来ました」。なんでも、みんなは雑魚寝をして、僕だけ個室に泊まれというのだ…
カースト制度…
そんな熱意にほだされて、新島に向かったわけなのだけど、自転車を借りて島中を走り回ったり、バーベキューをやったり、線香花火をみんなでしたり、まるで中学生に戻ったように楽しかった。
そして夜寝る時、個室でも二人が寝られるように、布団を敷いておいた。みんなには、「いつでも隣に来ていいからね」と言い残して…。
そして、結局朝まで、誰も僕の隣には来ることは無かった…。
僕の隣は空いたまま、みんなは狭い部屋で、5人や6人で雑魚寝をしたのだ。
僕の隣に来たら、襲われちゃうとでも思ったのだろうか?
それともただ単に、怖かっただけ???

Kのご両親がやって来る。

7月の連休に、Kのご両親が大分から東京に遊びに来たいと言っているらしく、東京のホテルはどこがいいか?飛行機はどうしたらいいか?など色々聞かれている。
僕は東京生まれで東京育ちなので、東京のホテルに泊まることはまずないので、どこのホテルが気持ちよく適当な料金なのかもあまりわからない。
お父さんたちが何をしたいのかと聞くと、スカイツリーに登ったり、築地に行ったりしたいというのだ…『ザ・東京観光』。
そうなると、泊まる場所は、新宿などではなく、汐留なんかがいいかもしれない…と思いつつ、自分の恋人のご両親なのだから、出来るだけ居心地のいいホテルに泊まらせてあげたいと思う。
ちょっと交通の便は悪いけど、例えばオークラとか、銀座なら帝国とか、クラシックなホテルの方が、お父さんお母さんの世代ならいいかもしれない…などと思う。
普通、男女のカップルならば、僕が東京を案内したりするのだろうけど、16歳離れた僕を、Kは、「この人、東京の友達でTさん!」などと紹介出来るわけもなく…今回はご両親に会うことは叶わないのだろうと思う。
僕の周りのほとんどのゲイのカップルたちは、ご両親が出て来るという時に、毎回こんなことをしているのだろう。
決して姿は見せず、自分がゲイだとは悟られぬように…。
なんだか日陰者のような感じでせつない気もするけど、『巨人の星』のお姉さんのように、隠れてちょっと遠くから見守っていようと思う。