OUT IN JAPAN 広島撮影会

他のスタッフは土曜日の夕方入りなのだけど、僕だけ夜の便でKと一緒に広島へ来た。
お好み焼きを食べたらすぐに、ゲイバー 『USED』へ。目的は、『OUT IN JAPAN』のチラシを配りながら、撮影に参加してくれるゲイを探すこと。
『USED』は、恰幅のいいふたりのマスターがやっていて話し上手で居心地がよく、今夜も12時を過ぎていたのに店内は満席だった。
『OUT IN JAPAN』の趣旨を話しながら、興味のありそうな人がいないかと思ったのだが、興味はあっても、やっぱり仕事のことを考えるとカミングアウトすることは難しいという人ばかり。
広島でカミングアウトをすることは、東京でカミングアウトするのとはわけが違うんですと言われる。
次に、若い子が集まるという『pPside+』へ。
ここはブラックライトがあるような店でカラオケもある。知り合いの女の子なら入れるというお店。店内は30代を中心に満席だった。
マスターにチラシを見せると、「あら、これ聞いてるわ。うちのお客さんでひとり聞いて来た人がいたわよ。あそこの〇〇」
そこで〇〇さんを席に呼び寄せ、聞きたいことを聞いて質問に答える。
「媒体社の取材が入るというところが気になっていたんです…」
「新聞社やテレビ局は入りますが、出たくなければその旨をお伝えください」
そんなやりとりをしながら、どうやらひとり、撮影会に来てくれそうな人に出会えた。その後も、隣に席に座っていた人やその友達が興味を持つ持ってくれて、撮影会を見に来てくれるとのこと。
まだまだ撮影会参加者を受け付けていますので、広島以外の方も気軽に参加ください!
⭐️『OUT IN JAPAN』広島撮影会
photographed by Leslee Kee
12月3日(日)
リーガロイヤルホテルhttp://goodagingyells.net/join/

LGBTと教育フォーラム

CLOSET IN HOKURIKU

金沢に来たのは、僕の周りの友人たちが金沢の『シイノキ迎賓館』で行われるイベントにパネリストとして登壇するから。
同時に、二階では『OUT IN JAPAN』の展示も行われた。
東京とは違う、日本の中でも最もLGBTにとって保守的な地域と言われている北陸において、このようなイベントがあり多くの人が集まったことに驚いた。
『OUT IN JAPAN』の隣には、福井発の『CLOSET IN HOKURIKU』の写真も並べられ、東京とは違った町でのLGBTの温度差を感じさせられた。
今、札幌や福岡、那覇では、LGBTフレンドリーな都市になろうとするムーブメントが起きて来ているけれども、北陸の金沢においても、ゆっくりと確実にそんなムーブメントが起こりつつあるのを感じた。
⭐️第1回『LGBTと教育フォーラム』 in 金沢 ~SDGs 「誰も置き去りにしない」 から考える、地域コミュニティにできること~http://ouik.unu.edu/events/1417

OUT IN JAPAN 広島撮影会

OUT IN JAPANの撮影会が、先月の札幌撮影会と今月の東京撮影会に続いて、来週末の日曜日に広島で開催される。
『OUT IN JAPAN』とは、日本のLGBTをはじめとするセクシュアル・マイノリティにスポットライトを当て、市井の人々を含む多彩なポートレートを様々なフォトグラファーが撮影し、5年間で10,000人のギャラリーを目指すプロジェクト。
僕たちゲイやセクシュアルマイノリティにとって、カミングアウトほど難しいことはないかもしれない。
人によって置かれている状況は様々だし、みんなにカミングアウトをすすめるつもりはない。
でも、セクシュアルマイノリティの人が、もしも誰かひとりにカミングアウトが出来たら、それはこの世界にとっても大きなインパクトになるのではないかと思っている。
今の日本の状況を見ていると、長い沈黙の時代があって、ほんの数年前までは自分の周りにそんな人たちはいないと思われていたセクシュアルマイノリティが、実はいるのだと気づきはじめたところだろう。
セクシュアルマイノリティとは、テレビに出てくるオネエタレントだけではなくて、学校の同級生かもしれないし、会社の先輩かもしれないし、従兄弟かも、弟かも、お姉さんかも、もしかしたらお父さんかもしれないというところまで、変わっていったらいいだろうなあと思うのだ。
⭐️まだまだ募集しています!OUT IN JAPAN広島撮影会
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1961991244043407&id=1571822369726965
⭐️OUT IN JAPANhttp://outinjapan.com/

OUT IN JAPAN ✖️ GEORGE TAKEI vol.2

繪もんのもつ鍋

集合場所である渋谷の丸井MODIに着いたのは、朝の9時。
12:30からのジョージ・タケイさんとレスリー・キー、そしてLiLiCoさんのトークショーの予定が、急遽諸事情が入り中止になったのが本番の1時間半前くらいだろうか。
※(会場にいらっしゃった方には大変なご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。)
中止になった会場での撮影会は場所を変更して丸井の本館8階にセッティングをすることになり、急遽カメラ機材を運ぶことに。2時に始まった撮影会は、無事に3時を回る頃に終わり、撮影の最後には渋谷区長の長谷部さんが駆けつけてくださった。
ジョージ・タケイさんは、やさしく周囲に気を配り、スマートで、温かな雰囲気の人だった。
「LGBTの人たちは、みんな誰かの家族なのです。私たちはみんな誰かの息子であり、娘であり、兄妹であり、時には親子なのです・・・」
すべてが終わったのは夜の6時。
気がつくと、朝ごはんを食べて以来なにも口に入れておらず、トイレも一度行ったきりだった。鏡も見ていなかったので、きっと髪はボサボサだっただろう。
スタッフの打ち上げには参加せずにそのまま渋谷からバスに倒れ込むように乗り込み、バス停を降りるとKがぽつんと立って待っていた。
K「疲れた・・・?
ただしくん、顔が真っ白だよ!!!」
僕「うん。何も食べてないんだ・・・」
それからふたりで『繪もん』に行って、もつ鍋を食べた。
ふたりで食べるもつ鍋は温かく、身体の奥の方に沁みていった。僕はKを前に、今日一日どんなに大変だったかをぽつぽつと語った。そして、やさしかったジョージ・タケイさんのことも。
僕「I respect you
という言葉を別れ際に言ったんだけど、僕の声はいつも雑音に埋もれてしまうから、耳には届かなかったと思う。でもね、本当はもうひとつ言葉を用意していたんだ・・・言えなかったんだけど・・・」
K「なにを言うつもりだったの?」
僕「I am behind you
って言おうと心に思っていたんだけど、緊張しちゃってそこまで言えなかったよ」
身体も心も疲弊してぼろぼろだったのだけど、食事をしながらKと一緒にいることで、僕の顔色も戻っていった。
帰り道、ほとんど手をつなぐようにして歩く僕たちは、もしかしたら男同士だから、道行く他の人から見たら奇異に映ったかもしれない。
でも、そんなこと、僕たちにはもう関係なかったのだ。
「僕には、家族がいるんだ」
ふたりで肩を寄せながら、世界で一番温かい我が家に帰った。
⭐️繪もん(EMON)北参道店
03-3478-5050
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-5-1 ニュー外苑ハイツ 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130403/13038610/

GEORGE TAKEI ✖️OUT IN JAPAN vol.1

ジョージ・タケイさんをご存知だろうか?
スタートレックなどでハリウッドで活躍されている俳優で、80歳の日系アメリカ人であり、ゲイであることを68歳の時にカミングアウトした人だ。
今回、ジョージ・タケイさんがミュージカル映画『アリージャンス 忠誠 』で来日するにあたり、『OUT IN JAPAN』の撮影に出たいという連絡が直接ジョージさんの事務所から入った。
今週末の日曜日、渋谷の丸井MODIにて、レスリー・キー、そしてLILICOとともにトークイベントが行われ、そのあとにOUT IN JAPANの撮影会が行われる。⭐︎https://www.oricon.co.jp/pressrelease/234535/
BUZZFEEDの記事がとても素晴らしくて、今から胸が熱くなっている。
⭐︎「人と違うことが怖かった」68歳でゲイだと告白した俳優が政治家に伝えたいことhttps://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/george-takei-lgbtetc?utm_term=.baeEx0Yx1P#.fyn9B3kBrP
関連リンク
http://goodagingyells.net/contact_outinjapan/

TAIWAN PRIDE 2017

毎年10月の最後の土曜日に開催される台北のパレードに行くことを、僕はこの10年間くらい毎年楽しみにしていたのだけど、今年はなぜかあまり行きたいという気持ちにならず、Kも仕事があるということもあり見送ることにした。
毎年、東京レインボープライドのTシャツのデザインをさせてもらっていて、写真が今年のデザインの表裏になる。
いつもは日本と台湾の友好を掲げてデザインしていたのだけど、今年のデザインは更に拡大して、アジア最大のパレードで、アジアの人たちがひとつになって歩こう!といったものになった。
今年の『台湾PRIDE』では、東京レイボープライドのフロートに、歌手のMISIAさんが乗ることになり、そのフロートの飾り付けなども考えさせられた。少ない予算もあるので、思ったように豪華にはならないかもしれないけど、銀色のスパンコールのイメージで行く予定だ。
台湾パレードに行く方は、ぜひ楽しんできてください。
東京の空の下、台湾パレードの成功を願っています!

OUT IN JAPAN 札幌撮影会。

札幌に来たのは、『OUT IN JAPAN』の撮影会が久しぶりに札幌で実現したから。
撮影日はパレードの翌日に決まっていたのだけど、撮影会の日にちが近づいて来ても残念ながら応募者がなかなか集まらず、改めて地方で暮らすLGBTにとってのカミングアウトの難しさがあるのだろうと考えさせられていた。
めげない僕たちは、撮影当日まで夜のゲイバーを何軒もハシゴして、「『OUT IN JAPAN』の撮影会に出ませんか?」となりふり構わず声をかけ続けた(実際にはゲイバーのママにも、お客さんにも参加していただくことが出来た)。そして当初36人くらいだった応募者が、撮影日を迎える日には結局65人にまで膨れ上がったのだった。
今回の撮影会で改めて感じたことがある。それは、僕たちのチームのことだ。
僕たちの今回の撮影チームを構成している人たちを見てみると、ゲイが6人と少し多いのだけど、ストレートの女性が3人いたり、MTF2人、FTX1人、とセクシュアリティもバラバラ。
それでいて、みんながそれぞれの持ち場の仕事をきちんとこなしていて、周りを思いやり、撮影会場はいつものようにとても温かい空気に溢れていた。
ゲイである僕は、周りがゲイで囲まれている心地よさを知っている。でも、こんな風にさまざまなセクシュアリティの人たちと、同じ思いで何かをやり遂げることの心地よさは、なんとも温かく、居心地のいいものに感じられた。
そして撮影会に訪れた人たちも、スタッフの作り出す温かな空気感に自然と調和して、カメラ前に立っても楽しそうに過ごしていたのだった。
札幌の撮影会を終えて、これで1099人のセクシュアルマイノリティの人々の撮影をしたことになるのだけれども、主宰者である妹のGがあげた目標は、2020年までに1万人というとてつもない数のセクシュアルマイノリティの撮影であり、僕たちの道のりは、ようやく11%達成したばかりなのだった…。
⭐️OUT IN JAPANhttp://outinjapan.com/

札幌レインボーマーチ 2017

およそ450人のパレード参加者

美しい紅葉がはじまった札幌

Sapporo Factory

はじめて『札幌レインボーマーチ』に行ったのは、8年くらい前だろうか?
1996年からはじまった札幌のパレード(LGBTのパレード)は、その当時日本で一番成功しているパレードとも言われていて、前の恋人と別れた僕は友人たちと参加したのだった。
参加して驚いたことは、東京のパレードでは感じられなかった一体感と、沿道で応援する人たちの温かい声援だった。それに加え、札幌市の市長をはじめ、自民党以外の各政党から議員の方々がお祝いに参列していた。
その年か翌年に台北のパレードにはじめて行って、その規模といい一体感といい、ニューヨークのパレードに近いものを感じたのだけど、これに近いパレードと町の一体感は、日本のパレードの中では札幌のパレードだけだった。
この札幌パレードで一番感動的だったのは、パレードを終わった場所や、小さなお店でセクシュアルマイノリティのお母さんたちが団結して『炊き出し』が行われていたこと。おにぎりと豚汁がお母さんたちの手によって作られ配られていたのだった。
これは友人に聞いたところによると、昔、パレードの実行委員のメンバーが自殺をしてしまい、その後そのお母さんが、「もう二度とうちの子のような悲しいことは起こらないように・・・」との思いから、子どもたちにおにぎりと豚汁を作って応援することをはじめたそうだ。
その後、この札幌のパレードは規模が大きくなり過ぎてしまい、運営がうまくいかなくなり4年前に中止に追い込まれたようだ。今回参加した『札幌レインボーマーチ』は、実はこの当時の流れを汲んだものではなく、22歳のMTXの子が立ち上がり、ツイッターで拡散して実行に漕ぎ着けたそうだ。
秋晴れの札幌レインボーマーチには、およそ450人が参加したそうだ。
沿道は、大阪などに比べるととても温かかったけど、わずか450人のパレードは、残念ながらレインボーの旗の意味するところも、何の為に歩いている団体なのかもわかりづらく、大成功という感じではなかった。
それでも、一度中止に追い込まれたパレードを、若者たちが団結して立ち上げた勇気と実行力に讃辞を贈りたいし、今後の札幌のパレードが続いていって、少しずつセクシュアルマイノリティの人たちがより暮らしやすい町に近づいてゆくことを願っている。

PINK FOR ALL!!

『新宿まちフェス2017ファッションステージ』という催しが、
10月14日(土)12:30〜16:00まで、
新宿通り特設ステージであるのですが、
その中の15:40から16:00まで、
『PINK FOR ALL‼︎ ファッションパレード』
というテーマでパレードがおこなわれます。
そのロゴ、及びチラシをデザインさせていただきました。
当日は15:40から16:00まで、錚々たる顔ぶれのドラアグクイーンをはじめ、年齢、性別、国籍を超えたさまざまな参加者がパレードをおこなう予定です。
お近くへお越しの際は、お立ち寄りください。

RAINBOW REEL TOKYO 2017

ファーザーズ

僕の世界の中心は

17歳にもなると

3日目に見た映画は、『迷い子たちの物語』。
フィリピン人ストレートのアレックスは、思い立って台北に旅行に来た。そこで台湾人ゲイのジェリーと出会う。
アレックスは白人と台湾人のハーフであり、複雑な生い立ちでフィリピンで育った。ジェリーは台湾原住民の保守的な家庭で育ち、両親はジェリーが大学を卒業したら村に戻って来て同じ原住民の女性と結婚してくれるものと信じている。
それぞれの若者の家族問題を、敢えてセクシュアリティの枠を超えて対比して描いた作品。企画意図はわかるのだけど、映画としてはちょっと物足りない。
今年のレインボーリールは、結局3作品しか観ることが出来なかった。この3作品の中でオススメできる映画は、『キキ 夜明けはまだ遠く』だろう。(LGBTに対する意識の高い人向けの映画ではあるけど)
<以下に、今週末スパイラルホールで観ることの出来る面白そうな映画をあげておきますね>
☆タイのゲイカップルが孤児を引き取る『ファーザーズ』。
☆ドイツ・オーストリア映画のコミカルな『僕の世界の中心は』。
☆『17歳にもなると』は、フランスの青春ラブストーリー。
⭐️RAINBOW REEL TOKYOhttp://rainbowreeltokyo.com/2017_sp/program
レインボーで楽しい週末を!!!