赤いパンツ。

おそらく20年くらい昔だろう。
ニューヨークのマディソンアベニューにあるラルフローレンで鮮やかな発色のコーデュロイのパンツを見つけて、赤・緑、紺色の3本を大人買いして帰ってきたことがある。
赤と緑に関しては、ちょっと普通のお店には売っていないような鮮やかな色で、コーデュロイのためか光が当たるとより彩度が高く見えるパンツ。
冬になると寒い日にはそのパンツを履きたくなり、会社の上司はそのパンツを見ると、
「今年もそのパンツの時期がやってきたんだな…」
と言うくらい、ちょっと目立つ色なのだ。
先日この赤いパンツを履いて、紺色のスタジャンを着て、水色のマフラーをしてクライアントから会社に戻ってきたのだ。
地下の入り口から会社に入るエレベーターに乗ろうとしたところ、警備員に呼び止められた。
「あのー、こちらは〇〇会社なのですが、こちらの会社に何か御用でしょうか?」
僕はゲラゲラ笑ってしまったのだけど、社員証を見せると、警備員の方に何度も頭を下げられた。
自分の会社に入るのに呼び止められるなんて、よほど洋服が変だったのだろう…。笑

お揃いのセーター。

10%オフの無印週間が始まったので、骨董通りや入口のMUJIを覗き、Kとお揃いでグレーのセーターを買った。
このセーター、前後がなくて、どちらを表にしても着れるという作り。
手で触ったらふっくらしていたのと、サイズ感もゆったりしていたので、家でくつろぐのにいいかと思いお揃いでグレーを買った。
お揃いのものを買うことに、つきあいはじめの頃は恥ずかしさも感じていたのだけど、今となってはどんな店でも平気で同じ洋服を買っていたりする。
外に出かける時に、同じ色の洋服は着ることはないけど、家の中なら全く同じセーターでも気にならないかな。

青いワークウェア。

ビル・カニンガムさん

千駄ヶ谷小学校近くにある『LABOUR & WAIT』は、時々覗くお気に入りの雑貨屋さん。
特に何を買うでもなく覗いたら、青いワークウェアに目が止まってじっと見入ってしまった。
フランス製のデッドストックだろうか、古いタグがポケットに縫い付けられている。
値段を見るとポケットのお金で買えたので、そのまま買ったのだけど、店員さんが言うには、「デッドストックで売られていて3枚くらい入って来たんです。フランスのものみたいですが、イギリスの蚤の市か何かでオーナーが買い付けて来て」
僕がこのワークウェアを買ったのは、ニューヨークのファッションフォトグラファー『ビル・カニンガム』さんの映画を見たからかもしれない。(ビル・カニンガムさんは、残念ながら亡くなってしまった)
映画の中ではマンハッタンの狭いアパートに住み、どこへ行くにも颯爽と自転車で駆けつけていたビル・カニンガムさんは、確かこんな真っ青なワークウェアを着ていたと思う。
僕もこの真っ青なワークウェアを着て、黄金に黄葉した銀杏並木を自転車で走ろうか。

NEW BALANCE M996

ニューバランスM996が1988年に発売されてから30周年ということで、発売当時のモデルと人気だった黒に金色のモデルがこの9月に発売された。
このM996。デザインが細身でスッキリとしていて、グレーは特にパンツの色を選ばす合わせられる。
僕は、発売当時シルバーのM996を履いていたこともあり、懐かしく思い、自分用にはシルバーを、Kには黒に金色のモデルをお揃いで買い求めた。
見ている方が恥ずかしくなるようなペアルックはちょっと苦手だけど、僕たちはいつも、色や形の違うニューバランスを履いている。
あまりお揃いに見えないためか、特に指摘を受けたこともない。もしかしたら、バレバレなのかもしれないけど(笑)

バギーズ・ショーツ by PATAGONIA

僕のカモフラージュ柄

Kのカモフラージュ柄

海に行く時に、ここ何年かはスイムパンツを履かなくなった。
だいたいレンタカーを朝8時に借りて出発することが多いのだけど、ホテルからレンタカー屋に行く時にパタゴニアの『バギーズ・ショーツ』に履き替えて、荷物を持って行く。
パタゴニアの『バギーズ・ショーツ』は、水陸両用のデザインなので、普通に町で履いていても違和感がないし、海やプールにそのまま入れるのも便利なところ。
海でさんざん遊んだ後は、シャワーを浴びてもう一枚のバギーズに着替える。そうすればわざわざ下着を持って行く必要もなく、荷物も軽くてすむのだ。
Kは、このバギーズがいたく気に入ったようで、週末やジムに行く時もしょっちゅう履いている。
今年も気がついた時にはあっという間にかっこいいデザインのものは既にサイズがなかったのだけど、来年こそは早めに手に入れたいと思っている。

Engineered Garments

派手ですかね…

2月頃に、伊勢丹メンズ館でド派手なアフリカンプリントのパッチワークで出来たジャケットを見つけた。
でもサイズがXSしかなく、諦めたのだった。
久しぶりにそのフロアを訪れると、その時に諦めたジャケットが入っていた。
僕はこの時、すでに情熱は冷めてしまっていて買う気はなかったのだ。ただ、ちょっと袖を通してみようかなと…。
店員さんにお願いして、鏡の前でジャケットに袖を通す。
「あれ、なんか、いい感じ…」
「サイズもぴったりですね…」
「ちょっと袖を通して帰るつもりだったんですけど…もらって帰ろうかな…」
学生の頃に知った『ネペンテス』から出ている『engineered garments』だから、学生のころの好きは、今も変わらないんだろうな。
そんなこんなで、久しぶりに気狂いみたいなジャケットを買ってしまった。
新しい洋服は、元気をくれる。
⭐️Engineered Garmentshttp://www.nepenthes.co.jp/

IZIPIZI

かけ心地バツグン

折りたためる

年をとって、一番不便に感じることは、なんといっても老眼だろう。
ほんの数年前までなんともなかったのに、今ではレストランなどの暗い場所で文字が見えづらくなり、本の細かい文字も見えなくなってしまった。
見えづらいと、見ることや読むこと自体が億劫になり、昔よりも本から遠ざかってしまったように思う。
数ヶ月前に、近眼で作ったメガネを老眼用に作り変えてとても便利に使っているのだけど、そのメガネを年中持ち歩いているわけではなく、ふと家に忘れてしまい、外出先で見えづらくて困ったようなことが何度かあった。
そんなある日、ふと入った丸の内のコンランショップでかわいい老眼鏡を見つけた。
IZIPIZIというパリのブランドのもの。
色は黒からグレーや鼈甲色まで数種類あって、形もシンプルなウエリントンと写真のような丸メガネがある。
何よりも気に入ったのは、その老眼鏡らしくない佇まいだろう。それに、コンパクトにたためてかけ心地もいいこと。
世の中、今までなかったような素敵なデザインのものがどんどん増えてきていますね。
⭐︎IZIPIZIhttp://shop.element-yabui.com/?mode=grp&gid=1256313

Filson

フィッシングメーカー『フィルソン』のマッキノクルーザーは、かれこれ20年近く着ているだろうか?
赤と黒のチェックは大胆だけど、冬の寒い日には元気が出るような暖かい色使いだ。
僕が高校生の頃に人気があったマッキノクルーザーは、身幅があり腕周りも太く重たく無骨なシルエットだったのだけど、僕が持っているジャケットは、イタリア人のデザインが反映された身幅がも腕周りも細くなったものだ。
冬のニューヨークやパリ、モントリオールなどの寒い場所に行く時に、迷わずこのジャケットを持って行きたくなるのは、シャカシャカのプラスチック素材のものにはないウールならではの安心感があるからだろう。
中にセーターを着込んでこのジャケットを着てマフラーを巻けば、マイナス15度の町でも平気で過ごすことが出来た。
たとえ多少重くても、シャカシャカ音がするような人口の素材にはない確かな温もりが僕は好きだ。

L.J.Smithのセーター

随分前から、着るものに関してはほとんど物欲はなくなっているのだけど、久しぶりに、一目見て気に入ったセーターがあったので、Kとふたりお揃いで買ってしまった。
スコットランドのもので、ザックリとしていてとても重く、着ると驚くほど温かい。
首回りや袖周りの雰囲気といい、胴回りや腕周りがすっきりと細めなので素朴でありながらデザインは洗練されている。
僕は素朴なグレーでKは黒。
ふたりでお揃いで着る日が待ち遠しい。
⭐️L.J.Smithのセーター
Labour and Waithttps://www.instagram.com/labourandwait_tokyo/

老眼鏡。

昔、BridgeのMとニューヨークやロンドンに一緒に旅行をすることが多かったのだけど、ふたりでレストランに入りメニューを広げるたびにMが言うのだ。
「ただし、メニュー読んで俺の分も決めていいから…」
僕は、暗いレストランの中で小さな文字で書かれたメニューを読み上げながら決めた。
その時に、いつか自分もそんな風に小さな文字が見えにくくなるのだろうか…と思ったものだ。
そして、その時はすぐにやってきた。
小さな文字は見えないし、少し暗い場所だと本当にボヤけて文字が見えないのだ。
手に持った本の文字が見えなくなると、本を読むこと自体が苦痛に変わった。
近視の眼鏡やコンタクトを取ると見えるのだけど、本を読むたびにコンタクトを外すわけにもいかない。
それでいて、老眼鏡と名のつく眼鏡には素敵なデザインなど皆無で、いかにも『老眼鏡をかけてます』的なデザインのものばかり。
何軒か眼鏡屋さんを見た後に、昔よく作っていたフォーナインズ999.9の眼鏡を思い出した(僕自身眼鏡専のところがあるので、昔はよく眼鏡をかけていた)。そのレンズだけ老眼用レンズに直せないかと思ったのだ。
伊勢丹のメンズ館に入っているフォーナインズに行き聞いてみると、ちょっと高いけどレンズ代の18000円で作れるとのこと。
コンタクトをつけたまま視力の検査をして老眼鏡のレンズを決めて、一週間も経たないで眼鏡は出来上がった。
かけてみると、手元の本の細かな文字がバッチリ見えるし、多少暗くてもスラスラと文字が読める。
これでまた、大好きな読書もしやすくなったし、傍目にはただの眼鏡にしか見えないだろうと思い喜んでいるところ。
⭐️999.9http://fournines.co.jp/sp/