野犬問題。

家の周りを車で走っていると、時々野犬を見かける。

4頭くらいの群れで歩いていることもあるし、1頭で歩いていることもある。

海を散歩している時に野犬に遭うと喧嘩になりそうなのでとても用心している。

このところ海を連れてよく行く公園の下の集合住宅のゴミ捨て場に小さな犬が1頭いつもいることに気づいた。

放し飼いかもしれないと思っていたけど、首輪もないし痩せて肋骨が透けて見えるから野犬なのだろう。

僕たちはこの犬をかわいそうに思い、海のドッグフードをビニール袋に入れて持っていくことにした。

駐車場で止まりドッグフードを置くと、その犬は近づいてきて物凄い勢いで食べはじめた。

それ以来その公園に行く時にはその小さな犬がいないかとドッグフードを持って出かけている。

今日もいたので「チビ!ご飯だよ!」と、勝手に名前をつけて犬を呼んではドッグフードを食べさせた。

きっと捨てられた犬なのだろうけど、こんな野犬を見るたびに人間の愚行を思い怒りがこみ上げてくるのだ。

保健所へ。

旅館業と飲食業の許可を取るために、何度も何度も保健所に通っている。今日は飲食業の許可取のために保健所を訪ねた。

シャッターのついている車庫にキッチンを作り、そこで許可を取る算段なのだけど、シャッターだけではだめで壁かドアをつけてくださいと言われたのと、着替え出来る場所を作ってくれと言われた。

母屋で着替えるので必要ないと言うと、飲食店に入る前に外を通るので必要ですとのこと。

しかも、キッチンの中に着替え場所を作る場合は、腰壁くらいの高さのカウンターなどで仕切らないといけないなどと言われ、訳の分からないルールに呆れてしまった。

日本のこういったお役所仕事ってなんなんだろう?と思いつつ、にっこり笑って保健所を後にした。

磯辺揚げ

山芋や長芋で作る磯辺揚げが好きで、料理屋さんにあるとよく注文していた。

晩ごはんに唐揚げを作るついでに、さつまいもや鯵の干物を揚げようということになり、ついでに磯辺揚げも作ることにした。

長芋を擦って、千切った海苔の上に乗せて、天ぷら油の中に入れる。芋が綺麗にまとまらなくても大丈夫。

2分くらいで俵型に膨らんだ磯辺揚げが出来る。

芋の他に何も入れなくても、塩をつけるだけでとても美味しい。

たますだれ

台風でたくさんの雨が降ったからなのか、朝起きたら庭中に沢山の黄色い花が咲いていた。

花は水仙のような感じだけど匂いがない。

調べてみるとたますだれという植物で、花いろは白や黄色、ピンクなどがあるみたい。

前のこの家の持ち主が植えたのだろうけど、自然に庭中に広がったのだろう。

水仙と違って毒性はないようなので、海が間違って食べても大丈夫。

思いがけない台風の置き土産を、時々家の中きら眺めている。

庭の掃除

台風が過ぎ、庭はめちゃくちゃに荒らされてしまった。

大切に育てていたバナナは、強風をなんとか耐え抜いてくれたけど、葉は千切れボロボロになった。

バラの葉は塩害で茶色くなり、きれいに咲いていたブーゲンビレアは葉が飛ばされ丸裸になった。

テイキンザクラも葉がなくなり、アラマンダも葉が飛び茎がめちゃくちゃに折れてしまった。

この際思い切って枝を整理することに。


街路樹の折れた枝もノコギリで切り倒し、バラも思い切って半分くらいの長さで切り戻した。

あれだけ花盛りだった庭は今は寂しく見えるけど、またゆっくりと復活してくれるに違いない。

台風の爪痕。

台風11号は宮古島にもハッキリと爪痕を残していった。

街路樹は倒れ、バナナの葉が千切れ、庭の木々や植物たちも塩を含んだ雨のせいか葉が茶色くなって痛んでいる。


海から10mもある道の上に魚が飛ばされて来ていたり、さとうきび畑は横倒しになり甚大な被害が出たことがわかる。

台風が過ぎて思うことは、自然の力の脅威だ。

どんなに文明が進んでも、台風を操ることは出来ないのだ。

停電の夜に。

昨夜は台風による強風の音で眠れなかったのだけどなんとか朝まで何事もなく過ぎた。

台風は夜の間ゆっくりと宮古島の横を通り過ぎて行き、すぐさま天気が回復するものだと思っていたのだけどそうではないみたいで、離れていく台風を名残惜しむかのように強風が吹き荒れている。

台風が来るまでは東からの風だったのが、過ぎ去ってからは更に激しい瞬間風速40mが吹き西や南西からの風向きに変わった。

お昼になる前に停電になってしまい、その後一向に回復する兆しは見当たらない。

冷蔵庫や冷凍庫に入っている肉がが腐らないだろうか?冷凍の魚はどうなるだろうか?

しょうがないとはいえ食材を無駄にするのは心苦しく、冷蔵庫に入れてあった肉だけでも調理してしまおうとキッチンに立つ。

牛肉はプルコギにして、豚肉は炒めて、鶏肉は明るいうちに焼いて今夜食べよう。

夜になっても電気は回復せず、LEDランタンを2つ出してテーブルの上に並べる。

LEDの光はオレンジ色に調光出来るのだけど、なぜか冷たく味気ないものだ。

ふと思い立ち、しまっておいたキャンドルを出してみる。

その中には宮古島への引越しが決まった後に友人からいただいたBernardaudのキャンドルがあった。

K「Sさんにもらったキャンドルつけてみようか?」

キャンドルに火をつけると、陶器でできたカバーを通して温かな光が広がった。

静かで、炎の揺らぎが心地よく温かい。

停電は真夜中まで続いていたけど、家の中ではそんなこともう気にならないくらいキャンドルの光がところどころで美しく灯っていた。

思いがけずキャンドルの美しさを再認識させられた夜だった。

台風の時は家で過ごす。

東京で暮らしていた時、台風は2日くらい強風と雨を降らせた後、台風一過という言葉があるように台風は通り過ぎて行き晴天がやってくるものだった。

でも宮古島の台風は東京とは違っていて、台風の速度が遅くゆっくりと日にちをかけて通り過ぎていくようだ。今回の11号の場合は一旦東からやってきてその後南に下がり、もう一度下から時速15キロでゆっくりと上がってくるようなのだ。

Kと僕と海は台風が通り過ぎるまで家の中でゆっくりと過ごすことにした。

普段見れなかった映画やドラマをオンラインで見たり、昼間からワインを飲んだり、時間を掛けて料理をしたり。

たまにこうして一日中家で過ごすというのもなかなかいいものだと思えるようになった。

「LOVE, サイモン」「LOVE,ヴィクター」

ディズニー+で見られるドラマで「LOVE,サイモン」と「LOVE,ヴィクター」が面白いらしいとBridgeのマスターに聞いていたので、この台風で家にいる時間に見ようと、Kとふたり見始めたらしっかりはまってしまった。

「LOVE,サイモン」は、17歳の男の子が主人公でアトランタの高校に通っている。

裕福で仲の良い白人家庭で暮らすサイモンは、自分の性的指向に気づきはじめたところで、本当の自分自身を受け入れる難しさに直面している。

多感な思春期に、家族や友人たち学校生活の中で生きていくゲイの苦悩や喜びをとても丁寧に描いた素晴らしいドラマ。

「LOVE,ヴィクター」は、その「LOVE,サイモン」の続編のような作りで、主人公はヒスパニック系の男の子。シーズン3まであるのだけど更に見応えのある作りになっている。

こんなドラマが作られるアメリカを、うらやましく思いながらKとふたりドキドキしながら見続けたのだった。

宮古島ではじめての台風。

今回の台風11号は、宮古島に移住してからはじめての台風。Kとふたり台風に備えて、家の全ての雨戸を閉めて、玄関のガラス窓には段ボールを被せて養生テープで固定した。

数日間外に出られない最悪の状態も想定しておいた方がいいと思い、海を連れて朝も晩も誰もいない広い公園に行きフリーで思う存分走らせる。

食料はKが外出したついでに火曜日にざっくりと買い物をしてあるけど、台風だからといって特に余分に買うことはしなかった。なんでも冷蔵庫や乾物などあるものを食べればいいではないか。

停電に備えてLEDランタンは2つ買ってある。一つは充電を済ませて、もう一つは乾電池式のもの。停電になったら充電式のものは使えなくなるからだ。

瞬間風速は最大で70mの風が吹く可能性もあるし、停電が長く続く可能性もある。

色々な事態を想定して考えられる限りの備えをしたつもり。

さて、無事にこの週末を乗り越えられるだろうか?