野犬問題。

中庭の植物にお水をあげていたら、家の前を首輪をつけた柴犬が通りかかった。

首輪をつけているから人間に飼われていたに違いないけど、僕が呼んでも恐れているのか近寄る様子はなく遠くに歩いて行ってしまった。

飼い主は散歩の途中にリードが外れたのかもしれないし、もう嫌になって遠くで犬を放して逃げたのかもしれない。

宮古島はそれほど大きな島ではないし、犬には帰巣本能があるので、捕獲されない限りかわいがられていた家には帰り着くのではないかと思う。

食べ物もない世界の中で、人間の都合で迷子になったり棄てられる犬が一頭でもなくなることを願うばかりだ。

東平安名崎

宮古島は美しい観光スポットがたくさんある。

東洋一美しいと言われる与那覇前浜ビーチ。

その前に広がる海の向こうの来間島にある竜宮城展望台。

高い場所から美しい海を見下ろす比嘉ロードパーク。

風車の並ぶ西平安名崎。

でもそんな中で僕が一番美しいと思う場所は、東平安名崎だ。

いきりたった断崖の上から見る風景は絶景で、細長い岬なので両側の海が眺められる。

海は青く、波は激しい波と穏やかな波が混じり合っている。

アダンなどの野生的な植物が生い茂る公園は、そのまま野生植物が残されていて美しい。

日本にあるとは思えないような、映画に使われそうな美しい場所なのだ。

崎田川。

宮古島は珊瑚礁が隆起して出来た島だから山も川もないと聞いていた。

でも、調べてみると湧水が出ているところは色々とあって、家の近くの崎田川公園という場所を見つけたので行ってみた。

崎田川は川というほど大きなものではないけど、とうとうと水が湧き出ていて、子ども連れの家族が遊びに来ていて、きれいな水を触っていた。

水は運河につながっているようで、その先は海まで流れていくのか、農業用水にでもなるのかもしれない。

珊瑚礁でできた島だから、普通に考えれば水不足に悩まされると思うのだけど、宮古島の下にはたっぷりと水が蓄えられているのを市役所の資料で読んでいる。

でも、山がないのに湧水が至る所で出続けていることが不思議で、もっとこの島のことを知りたいと思ったのだった。

チビの餌やり。

海の散歩に行く公園の下に宿泊施設があり、そこのゴミ箱を漁っている野犬がいることは前にここで書いた。

肋骨が出たその小さな犬の姿を黙って見ていることが出来ず、僕たちはそれから毎朝餌をビニール袋に入れては、海の散歩の時の容器に入れて餌を与え続けている。

台風の激しい雨風の日は1日行けなかったけど、この激しい雨風の中、チビはどうしているのだろう?と何度も思っていた。

宮古島にある動物愛護団体に連絡をして、この犬を捕獲して欲しいとお願いしてあるのだけど、きっと僕たちのようなお願いは島の至る所で出ていて団体もそれほど暇なわけではないだろう。他の仕事もあるためかなかなかチビの捕獲には至っていない。

今朝はKが、「いつまでも毎朝これは続けられないね.僕たちも色々やらなきゃいけないことだらけだし…」

毎日のことになると餌代もかかってくるし、いつまでこれが続けられるのか正直僕もKもわからない。

でもそんな気持ちで公園に行くと、僕たちの車を見つけた途端、チビが喜んで車の後ろを走ってくる姿がサイドミラーで見つける。

こんなにかわいい犬を人はなんで簡単に捨ててしまうのだろう?

胸が締め付けられるような思いととともに、うれしそうにご飯を食べる姿を見て心がいっぱいになって帰ってくるのだ。

Instagram

宿のオープンにあたって、Kと一緒にインスタをはじめた。

SNSは、FacebookやTwitterをはじめは少しやっていたけど、数年でアカウントを閉じてしまっていた。

FacebookやTwitterは特性なのか、政治的な発言が多く、それらをいつも見たり、情報を選んだり、制限したりすること自体に疲労を感じてしまったのだ。

今回のアカウントは僕とKのふたりの宮古島での生活が中心だけど、あくまでも宿泊施設のためのもの。

ひっそりとやろうと思っていたところ、なぜか友人たちに見つかってしまった。

その日を境に、インスタ画面の下の虫メガネを押すと、いきなり裸の男たちの写真でいっぱいになっていた…

どうやらひっそりとはいられないみたい。

友人の来島。

東京から友人がやってきた。

次の台風がちょうど進路が変わり、どうやら宮古島には来なそうでよかった。

宮古島に引っ越してきて8ヶ月目だけど、友人たちが我が家に遊びに来るのはこれで4組目。

これは考えてみたら東京で暮らしている時よりもずっと多いことに気づいた。

僕が宮古島に引っ越したことを知った友人たちは、宮古島という名前にすぐに反応するようで、「あ、あいつがいるからちょっと行ってみようか!」と思うのだろう。

台風が過ぎた後でスーパーにはまだ食材は並んでいなかったので、家にあるもので晩ごはんを食べた。

こうやって友人たちが家に遊びに来てくれて、久しぶりにゆっくり楽しい時間を過ごせるのも、宮古島のお陰なのだ。

台風の備え。

台風が来る前には、宮古島のスーパーは棚が空っぽになる。

ニュースなどで見ていてそんなに買い占めなくてもいいのでは?と思っていた。

台風は3日くらいしたら過ぎていくので、3日分くらいの食料なんて常時蓄えてあるし、その後にスーパーに買い出しに行けばいいではないか。

ところが、台風後にスーパーに行って驚いた。棚に食材が並んでいないのだ。

食料や飲料は、沖縄本島や本州から海上を輸送しなければならず、海が荒れている状態では宮古島には食料も飲料も入って来れないのだ。

宮古島で暮らす人たちはそんなことはじめから見越しているから、あらかじめ1週間分以上の食料を蓄えているのだろう。

停電もいつもすぐに回復するとは限らないから、パンやカップ麺などは真っ先に棚からなくなる。

こんな宮古島ならではの台風への備えを、僕たちは暮らしながらまた少しずつ学んでいく。

監視ビデオカメラ

宿泊施設をオープンするために色々な設備が必要なのだけど、監視ビデオカメラの設置も義務付けられている。

監視カメラなんて全く知識がなく調べてみると値段も何十万円もするものから数千円のものまで幅広くある。

色々迷った末に僕たちは「Tapo」というブランドのカメラを7000円で買った。

屋外に電源が必要で電気屋さんに電源とカメラの取り付けをしてもらったのだけど、その後の設定は驚くほど簡単だった。

LANケーブルも要らないし、ただアプリに従って入力するだけであっという間に繋がった。

デバイスはいくつも追加して見られるし、画質は鮮明だし録画もできるし、こんなに安くていいの?って感じ。

何十万もするカメラを買わなくてほんとよかった。

台風の怖さ。

夜になり台風の強い風と雨が吹きつけはじめた。宮古島で迎える2回目の台風は、進路のせいか最初の11号に比べるとずっと穏やかに感じられる。

それでも海は風の音を怖がり全く眠らない。

僕とKもあまりにも強い風と雨の音に時々手を握り締める。

いくら大人になっても自然の脅威を前にすると、人間の力なんてなんて無力なのだろうと思う。

僕たちの家はRC構造でしっかりしているものの、窓ガラス部分は強い風が叩きつけると割れる危険性もあると思う。

雨戸を閉めて準備万全にするけど、ベッドサイドの大きな窓には雨戸がなく、今後雨戸をつけることを真剣に検討しようと思っているところ。

台風の夜は、いつも以上にそばに家族がいることを心からありがたく思えるのだ。

台風の合間の散歩

宮古島は台風銀座に位置していて、1966年9月5日台風18号により風速85.3mが吹いたが、これが日本一の最大瞬間風速になっている。

今年は8月に台風が来ないから不思議に思っていたが、ここへ来て週末連続の台風になるようだ。

そんな台風の合間をぬって海の散歩に出かける。

台風が来ている間は3日間くらいはほとんど外には行けなくて、せいぜい弱い雨の時に庭に海を放つくらい。

広々とした公園で元気に走る海を見ながら、僕たちも少しずつ宮古島での暮らしを学んでいるところ。