停電の夜に。

昨夜は台風による強風の音で眠れなかったのだけどなんとか朝まで何事もなく過ぎた。

台風は夜の間ゆっくりと宮古島の横を通り過ぎて行き、すぐさま天気が回復するものだと思っていたのだけどそうではないみたいで、離れていく台風を名残惜しむかのように強風が吹き荒れている。

台風が来るまでは東からの風だったのが、過ぎ去ってからは更に激しい瞬間風速40mが吹き西や南西からの風向きに変わった。

お昼になる前に停電になってしまい、その後一向に回復する兆しは見当たらない。

冷蔵庫や冷凍庫に入っている肉がが腐らないだろうか?冷凍の魚はどうなるだろうか?

しょうがないとはいえ食材を無駄にするのは心苦しく、冷蔵庫に入れてあった肉だけでも調理してしまおうとキッチンに立つ。

牛肉はプルコギにして、豚肉は炒めて、鶏肉は明るいうちに焼いて今夜食べよう。

夜になっても電気は回復せず、LEDランタンを2つ出してテーブルの上に並べる。

LEDの光はオレンジ色に調光出来るのだけど、なぜか冷たく味気ないものだ。

ふと思い立ち、しまっておいたキャンドルを出してみる。

その中には宮古島への引越しが決まった後に友人からいただいたBernardaudのキャンドルがあった。

K「Sさんにもらったキャンドルつけてみようか?」

キャンドルに火をつけると、陶器でできたカバーを通して温かな光が広がった。

静かで、炎の揺らぎが心地よく温かい。

停電は真夜中まで続いていたけど、家の中ではそんなこともう気にならないくらいキャンドルの光がところどころで美しく灯っていた。

思いがけずキャンドルの美しさを再認識させられた夜だった。

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