山の春。

ここ数日の陽気で一気に春が萌え出ずる勢いで新芽が吹きはじめた。

家の窓からは、遠い山々がうっすら緑が明るくなって行く様子や、庭にある大樹の新芽が芽吹きはじめたのを見ることができる。

紅葉の大きな木が2本左右にあるのだけど、右側の紅葉が葉っぱを広げはじめ、左側の紅葉は芽がほころびはじめた。

葉っぱが見えて来た右側の紅葉

芽吹きはじめた左側の紅葉

僕たちが入居する前に雑草を全て刈り取ってくれた庭の斜面には、知らぬ間に笹が伸びはじめ、スミレがところどころ顔を出して咲いている。もう少ししたら笹を刈り取らないとと思って見ている。


それと、そこらじゅうに、まだ種類がわからない小さな植物の芽が顔を出しはじめて、これからどんな植物が出てくるのか楽しみがでもある。

12月に植えたチューリップが咲きはじめて、斜面の庭も賑やかになって来た。

これから梅雨が始まるまでの間は、園芸家にとって一年のうちで一番心踊る季節なのだ。

家の周りの花。

毎日2回、海の散歩を1時間くらいかけてしている。

散歩の時間は、海にとっては一日の中で一番楽しい時間であり、僕にとってもとてもいい気分転換になっている。

熱海の家の周りの木々は少しずつ芽吹き始めていて、家の紅葉の芽も開きはじめた。

近所には様々な樹木も植わっていて、春を謳歌するように花々が咲きはじめた。

これから山の新緑を思いっきり楽しもう。

黄梅

ハクモクレン

プリムラの横に野生のスミレ
日向水木

わさび

下田に行った帰りに、天城を通ったのでわさびを買って来た。

わさびは、擦り下ろして冷凍庫に入れておく。

塩をまぶして、熱湯をかけてから三杯酢か醤油漬けに

わさびの茎は、三杯酢にするか、醤油漬けにするか。

花の部分も同じように三杯酢などが日持ちするけど、お浸しでも美味しくいただける。

食べる前に花を飾って眺めて見る。

なんて清楚で美しい花だろうか。

海の不調。

週末に下田旅行に行ってきたのだけど、海が疲れてしまったようで、ウンチがあまり出なくなってしまった。

おそらく、家ではない場所で緊張したのか、2時間のドライブで疲れたのか。

日曜日、家に早めに帰ったのにあまり食欲もなく、そのまま寝たら、朝の3時頃にガサガサ起き出していきなりウンチをした。

今まで、寝ている時にウンチをすることは来た時以外ほとんどなかったのだ。

僕とKは心配になって、初めての旅行が結構疲れてしまったんだろうと話しながらまたベッドに潜ったのだけど、朝方また起き出してウンチをした。

朝ごはんはほとんど食べることもなく、しばらく様子を見ることに。

このところ牛のアキレス腱をかじるおもちゃとして与えていたのが、子犬には消化しづらかったのかもしれないと思い至った。

それからアキレスはあげずに、様子を見ていたところ、少しずつ食欲も出て来たようなので、KにLINEを入れて報告した。

犬が体を壊すと、言葉が喋れないからとてもかわいそうになる。

痛いのか、どこがどんな風に感じるのか、言葉で知ることができたらいいのにと思う。

海は僕たちの子どもなのだ。

ドッグラン巡り。

海との旅行は、やっぱり海が中心になっていて、基本的に海が喜びそうな場所を探しては行ってみる。

下田への行きは、伊豆高原にある「愛犬の駅」で一休み。ドッグランには小型犬しかいなかったため、海を放つのは悪いと思って諦めた。その後、下田駅の隣にドッグカフェ「びわの木https://biwanoki.com」に行き、そこのドッグランで走らせることができた。

大きなびわの木があったようだが、台風で枯れてしまったらしい。気持ちのいいカフェ

日曜日は帰り道に修善寺方面にまで足を伸ばし、「ドッグランドhttps://izudogland.com」という犬の霊園もあるような場所に行き、思いっきり走らせた。


日常の散歩では、リードに繋がれたままなので走ることはしないのだけど、原っぱを走っている時の海は一番幸せそうだった。

晴レ屋

海を連れて、泊まりがけで行ける宿を探したところ、下田に良さそうな宿があったので急遽予約した。

犬は、子どもの頃の社会化が重要なようで、なるべく人間社会のいろいろなことを一緒に経験させると、大人になってからも色々な場面で適応でき、騒ぐことがないようだ。今まで、車やオートバイの音、商店街の人混み、カフェやレストランなど、少しずつ様々な経験を広げ、今回は宿に一緒に泊まることに。

犬と一緒に泊まれる宿は、全国でもそれほど沢山あるわけではないのだけど、ポツリポツリとあるようなので、今回は下田の「晴レ屋」に泊まってみることにした。

「晴レ屋」は、下田の駅から白浜に向かって行く途中を入った入江に面した宿。目の前がすぐ海なので、開放感がある。


宿は家族経営のようで、ご夫婦に高校生くらいのお嬢さんがお手伝いをしている。犬は2匹飼っているので、犬の扱いにも慣れているし愛情がある。

入り口に犬を洗える水道もあるし、館内は犬はどこにも連れて行けて、浴場にも脱衣場までは一緒に入ることができるし、朝ごはんも晩ご飯も、犬を一緒に連れて食堂で食べることができる。晩ご飯も朝ごはんも、凝った料理ではないけどとても美味しかった。


海は、食事の時、周りの犬があまりにも吠えるので少し反応していたけど、大人しく側でじっとしていられた。部屋は畳の部屋で、トイレが心配だったけど、トイレシートにきちんとおしっこをしてくれた。

海にとって、家以外の場所に泊まることは初めての経験だったのだけど、どうやら緊張しながらも僕たちと一緒の部屋に泊まることができた。

⭐️晴レ屋http://yado-hareya.com

海の歯。

ソファーに血が付いていると思ったら、どうやら海の乳歯が抜けたみたい。

海に歯を見せると、匂いを嗅いで食べようとして笑ったのだけど、やっと尖った犬歯が抜けた。

毎日の中で少しずつ成長してゆく海を見ながら、我が子を育てているような気持ちになる。

そういえば、こないだ遠くでKと走っている海を見たら、びっくりするくらい大きく見えたのだ。

毎日家の中で見ている海は、僕の中ではまだまだ赤ちゃんのように小さな犬なのだけど、体重も14キロを超えて着実に大きくなってきている。

事故に遭わず、健康で長生きしてくれたらと、そればかり思うのだ。

自分の仕事を愛すること。

先日ここにも書いたように、いくつもの種類の宿根草の苗をネットで購入した。

その園芸店は北海道のお店なのだけど、その後すぐにメールが入り、「ぎっくり腰になってしまったので、商品の在庫確認は休み明けで良いか?」と書かれていた。

僕はそれほど急いでいるわけではないので、もちろんゆっくりで構いませんとメールを入れておいたのだけど、休み明けすぐに返信が来て、オーダーしたヘメロカリスの1種類が、雪の中から掘り起こせないので申し訳ないけど1種類だけキャンセルさせてくださいという丁寧な内容だった。

それから数日後、その苗が北海道から届いた。園芸店の方は雪の中を、きっと大変な労力を使って苗を掘り起こして送ってくださったのだと思う。

ダンボールを開けてみると、小さな苗たちと書類が入っていた。その中の一文が素晴らしく、姿勢を正されるようなものだった。

(以下)

より良い草花があれば、より良い空間が出来ます。
より良い空間の中で生活することで、人の心は豊かになります。
人の心を豊かにするために、私たちはより良い草花を育てております。

大森ガーデン
〒089-2446北海道広尾郡広尾町字紋別14線73-2
※ラーメン鈴やのすぐ隣
TEL (01558)5-2525

大森ガーデン 事務所・圃場
〒089-2446北海道広尾郡広尾町字紋別14線98番地
TEL (01558)5-2421  FAX (01558)5-2647
HP http://omoricountrygarden.com/ Email yhl01530@nifty.ne.jp

この世界のどんな仕事であれ、人のためになっている。

自分のやっていることや自分の仕事を愛している人は、美しい。

移住先での、カミングアウトのタイミング。

テレビやネットなどで移住先でのご近所付き合いに悩まされたとか、村八分に遭ったとか、人付き合いが面倒でまた都会に戻ったなどという話も見ることがあるけど、熱海に移住して来てから、ご近所づきあいに悩まされることもなく田舎暮らしの割には平穏な日々が続いている。

僕の家には向かいと左隣がなく、右隣りの70代夫婦、右斜め前方の60代夫婦がいるけど、とてもいい人たちで特にこちらのKとの関係性を聞いてくることもない。

先日お会いしてお茶の友達になった70代のおばあさんには、お電話をもらった時にすぐにKと僕はゲイであることを告げた。おばあさんは、何にも怯むこともなく快く受け入れてくれた。

海のドッグトレーナーの女性は30代。彼女には家に来てすぐにKのことを「僕のパートナーです」と紹介したのだけど、彼女もすんなりと受け入れてくれたというか、何も不思議がる様子はなかった。

もちろん、おばあさんやドッグトレーナーがゲイの夫夫であることを理解まではしてくれていないかもしれない。でも、ゲイが身近にいることのきっかけになり、彼女たちなりのペースで知識も身につけて行ければいいように思う。

熱海の雑貨屋さんでも、Kと僕はゲイの夫夫だと思われていて、店員さんは何も変わらずすんなりと僕たちを受け入れてくれている。たとえお客さんがゲイだからと言って、そんなことは当たり前で自分たちの体制に何も影響はないのだ。

こうして僕は、タイミングがあれば初対面であってもできる限り会ってすぐにゲイであることを告げるようになって来ている。その時の彼らの表情は気になるものの、それも面白いと思えるようになった。

そして、それを知った上で付き合っていける人との交流を、僕は心から楽しいと思えるのだ。

海が来て、一番うれしかったこと。

海が我が家にやって来てもうすぐ3ヶ月、生まれて5ヶ月になる。

このところ、育犬問題で悩むことは少しずつ薄れて来ていて、「海はやさしい子だからなんとかなる」と思えるように、おおらかな気持ちでいられるように変わってきた。

それは一緒に暮らしているKも同じようで、仕事から帰って来て海と遊んでいる時がとても楽しそうに見える。

僕が、海を迎えて一番うれしかったことは、犬をはじめて飼ったKが、海のことを心からかわいがっている姿を見ることだ。

海は海で、いつも夕方になるとKが帰ってくるんじゃないかと、窓の外を気にしているし、Kが帰ってくる音が聞こえるとうさぎのように飛び跳ねながら大喜びする。

そんなある日、晩御飯を食べ終わったテーブルの下で、Kが海を撫でながらポツリとつぶやいた。

「海、こんなにかわいいのに・・・10年ちょっとしか生きられないなんてかわいそう・・・」

「犬は、特に大型犬は寿命が短いんだよね・・・」

「うん・・・」

「これから一緒にたくさんいろんなところに行って楽しいことしようね」

「うん」

海はもう、僕たちのかけがえのない家族なのだ。

IMG_7821←海の散歩