生後2ヶ月くらいの犬は、甘噛みやいたずらが酷く、目の前のもの手当たり次第に口に入れたり噛んだりし続けている。
犬には、善悪の区別もないし、高いソファや家具など知るはずもない。
目に入るものはすべておもちゃのように見えて、好奇心のまま噛みつきにいく。
犬を育てる上で、怒ってはいけないというのがある。たとえ間違った場所におしっこをしたとしても、それを怒ったところで犬にはなぜ怒られているのか意味がわからないからだ。
でも、そんなことは分かっているつもりでいても、こう手当たり次第にソファのカバーにいたずらに噛み付く姿を見ていたら、「海!NO!」と叫んでしまった。
海は、急に怒った僕の顔を不思議そうに見ているだけで、そんな海を怒ってしまった自分の心の小ささにいやなきもちになる。
「犬には、良いも悪いも区別がつかないのだ」
そう思いながら、海によって自分の心の小ささが試されているような気になったのだ。