海が家にやってきた翌日、朝から海はギャンギャン鳴いていたのだけど、外に出して一緒にいたら安心したのか、その後は穏やかになった。
ケージから出して、おしっことうんちをして、そのあと遊んで、少ししたらまたケージへ戻す。本当はずっと外に出しておきたいけど、お留守番ができなくなってしまうようなので、ここはじっと我慢してケージで過ごすことも覚えてもらう。
兄弟やお母さんと離れて、育ててもらっていたブリーダー親子とも離れて我々を頼る以外ない海は、僕とKの顔色を常に伺っている。ご飯を作るために僕がキッチンに入るだけで寂しくなってしまうようで、顔が見えても悲しそうな声で鳴き始める。
海を脇目に、Kが例年に習って家のクリスマスツリーの飾りつけをしてくれた。海は、クリスマスツリーのところまでは階段差があっていけないようで、そんなKを心配そうに見ている。
Kが海をあやしながら、一生懸命トイレを教えたり、クレートへの入り方を試行錯誤しながら教えている。僕は晩御飯の準備をしながら、そんな二人のやりとりを時々横目に眺めている。
ふと、「こんな幸せがまだあったんだ・・・」と思ったのだ。
海が来て、新しい毎日がはじまった。