暖房のない暮らし。

熱海の家は、もともと冷暖房の付いていない日本家屋で平屋の一軒家。

部屋が3つあるのだけど、リビングだけは暖房をつけてもらい、他の2部屋は今の所電気の工事が終わっていないため冷暖房がついていない。

日本家屋で暮らしたことのある人ならわかると思うけど、障子や襖という紙と木でできた家の中は、隙間風が通ったりして寒いものだ。

毎日、リビングでKと一緒にヌクヌクと寛いだあとは、風呂に入って寝室に向かう。寝室はこの時期、すでに寒くなっていて、二人で、「寒いねー。寒いねー」と言いながらベッドの中に潜り込む。

でも不思議なことに、ベッドの中はあっという間に温かくなってくる。二人の体温がみるみるうちに羽毛布団の中に溜まり、このまま布団の中から出たくないとさえ思う。布団から出ている顔はひんやりと寒いのに、布団の中は驚くほどあったかい。

でも、もしこれが一人だったら、きっとこんなに早く温まることはないのだと思う。二人の体温は、1人×2ではなくて、1人×4くらいの温かさがあると思うのだ。

そして朝起きた時も、隣にKの温もりを湯たんぽのように感じながら、「なんて幸せなんだろう・・・」と思うのだ。