島とうふ屋

初日の晩御飯は、ホテルからも近い「島とうふ屋」にした。

島とうふ屋の豆腐は、沖縄の島豆腐とは違い、本州の豆腐のようにまろやかだった。柔らかく、それでいて味がしっかりとしている。だから、色々な料理に応用されても存在感がしっかりと残っている。

コロッケ

豆腐の春巻き
麻婆豆腐
塩豚と厚揚げ

揚げ出し豆腐

コロッケ、麻婆豆腐、揚げ出し豆腐、厚揚げと塩豚など、どれも豆腐が主役になっている。一つ一つのお料理が端正に作り込まれていて、食べ終わる頃にはお腹いっぱいになっていた。

奄美大島では、「ミキ」という飲み物がどこにでも売っていて、この豆腐屋さんでは甘酒のような感じのミキが置いてあった。

東京とは違う食べ物を味わう。この場所に来なければ出来ない贅沢だ。

⭐️島とうふ屋https://shimatoufuya.jp/shimatofu.html

奄美大島へ。

夏に旅行しようと思っていた奄美大島。コロナと仕事の都合で3回くらい予定をキャンセルしたのだけど、今回仕事の隙間に来ることが出来た。

奄美大島に来るのは僕たちは初めてで、僕の中で奄美大島といえば、「田中一村」という日本画家のイメージしかない。

空の上から見る海は青く、沖縄に来た時のように心が弾む。

ランチは早速奄美大島らしい「鶏飯」をいただく。

「鶏飯」とは、白ごはんの上に細かく割いた鶏肉や錦糸卵、海苔などを載せて、熱々の鳥のスープをかけていただく料理。


さっぱりとして美味しく、身体の具合が悪い時でも食べられそうなやさしい味わいだった。

この週末Kとふたり、海を見ながらのんびりするのだ。

⭐️ひさ倉 http://www4.synapse.ne.jp/hisakura/

ふたりのクルマ。

中古車を江東区で購入した。

その車を納車するために、駐車場のオーナーに許可証をもらい、それとともに家と駐車場の位置を書いて添付して、熱海市の警察に持っていき車庫証明を申請した。

車庫証明は、申請して翌日には出ないので、2日経ったくらいに取りに行き、今度は江東区から来たディーラーさんがその書類を持って沼津にある陸運局に申請に行き、車のナンバーが入ってからやっとその車が我が家にやって来た。

そんな手続きをしたのも初めてで、何から何までわからないことだらけだった。

自動車保険に入るにも、僕たちゲイカップルは結婚している家族とは認められていないため、保険にも入りにくいことがわかった。

僕の名義のクルマなので、僕名義の保険に、他人であるKを入れる方法はあるのだけど、でもそれだと申告に嘘があることになる。

主に乗る人がKであるため、Kの名義の保険にすることが望ましいのだけど、それが難しいのだ。

こんなこと、結婚している夫婦だったら悩まずに済む問題だろう。そう思うと、僕たちは人生のところどころでこのような不平等に遭遇していることに改めて気づかされた。

いつまでも二流市民のように扱われている現実を、僕たちでなんとか変えていかないとな。

ご近所づきあい。

引越しの荷解きも、荷造りと同様、結局ほとんどKがやってくれた。

僕はテーブルで仕事をしながら、時々Kが何をやっているか確かめる。

朝、外に出ていくKを見ていたら、階段の下に降りて箒で落ち葉を拾い集めていた。

少ししたら斜め向かいの家のおじさんと世間話をしているのが聞こえた。

「落ち葉を拾うのは大変ですねー」

僕たちは、右隣とその隣、そして右斜め向かいのご近所には挨拶に行った。

僕たちの関係を聞いてくる人はいなくて、「若い人が来てくれてうれしいわ」というような言葉が聞けた。

もしかしたらご近所さんは、僕たち男二人で住んでいることを訝しがっているのかもしれないけど、今のところそんなムードは漂ってこない。

ここが山の中で、空き家も多いので他の家のことなど詮索しないからかもしれない。

田舎に住むと、人間関係が煩わしいなどと移住の本などに書いてあるが、今のところ幸いゲイカップルを詮索する人たちもいなくてホッとしている。

ヒマラヤザクラ

熱海の海辺を歩いていたら、桜が咲いていた。

変な陽気で狂い咲いたのかと思ったら、「ヒマラヤザクラ」と書いてある。

新宿御苑でも初冬に咲く桜があるけど、それは10月桜だったり、小福桜だったりして、花自体がソメイヨシノに比べると小さく、力の弱いような桜だ。

このヒマラヤザクラ、花も大きく枝一面に咲いたら見事だと思う。

冬にむかつて咲く桜って、元気を放っている感じがする。

海が見える暮らし。

我が家からは、周りの木々が落葉している間、ほんの少し遠くに海が見える。

でも、家の周りを歩いていると、ところどころで海が遠くに見える。

山の上なので、海から水平線までの幅が大きく、あんなに高くまで海が続いているのが不思議に感じてしまうこともある。

遠くに海が見える毎日は、自分がまあるい地球の上に暮しているということを思い出させてくれる。

日の出うどん

京都に来たからには、少しお早いとはいえ紅葉が見れないかと、永観堂へ。まだ1週間くらい早いようだけど夜のライトアップも始まり、もみじも赤く色づき始めていた。

お昼は永観堂のすぐそばに、京都で最も有名なうどん屋さんの一つ「日の出うどん」へ。

ここでは定番とされるカレーうどん。昔懐かしい出汁とカレーが溶け合った味で、牛肉は少し甘く煮てある。うどん自体は福岡のうどんのように柔らかく、コシがないけど、これがまた美味しい。

京都の寒い冬には、こんなあっついカレーうどんが美味しく感じられる。

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なな治

急に奈良に子犬を見に行くことになって、それだけで帰るのももったいないかと思い、京都に1泊することにした。

夜は初めてのお店に行こうと思い、ホテルから近い「なな治」へ。

狭い店内はカウンターにお客さんが4人。僕たちは後ろのテーブルへ。7串1350円の串揚げを頼むと、変わった食材を組み合わせた串揚げが出てきた。


野菜や肉、魚にとらわれることなく、チーズや果物も取り入れた串揚げは、外国人も美味しそうに食べていた。串揚げよりも、おでんがしみじみと美味しく、最後に頼んだグジ(甘鯛)は絶品だった。

短い時間だけど、京都を堪能した夜だった。

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子犬を見学に、奈良へ。

生後25日くらいのスタンダードプードル。

スタンダードプードルは日本ではまだ1000頭くらいしか飼育されていないようで、なかなかいいタイミングで子犬を見つけるのは難しそうだ。

子犬を手に入れるには、保護犬などを除くと大きくは2通りある。一つはペットショップで手に入れる。もう一つはブリーダーという人から手に入れる。今回僕たちは、ちゃんとしたブリーダーから手に入れようと思い、全国のブリーダーの中からスタンダードプードルを飼育しているブリーダーをチェックして時々覗いていた。

そんなある日、引っ越し準備をしながら覗いていた夜に、奈良のブリーダーに子どもが生まれたのを発見した。それも掲載当日に。

僕は、ちょっと仕事で疲れていたのと酔っ払っていたせいもあり、「この子犬にしよう!」とKに声をかけ、その中から一番おっとりしていそうな黒い子犬をいただきたいとメッセージを送った。すると間も無くブリーダーからメッセージが入り、ブリーダーとのやりとりが毎日のように始まったのだ。

そして引っ越しも済み、仕事も少し落ち着いてきたので、生後1ヶ月近く経った子犬を見学に行くことにした。

自宅を出たのは10時。京都まで新幹線で行き、奈良のブリーダーの家についたのは15時。奈良までは思った以上に遠くおよそ5時間かかった。

ブリーダーにいろいろな質問をしながら、大型犬を飼う注意点なんかを聞くことができた。実際に成犬を見ると、中に人間が入っているんじゃないか?と思うほど大きくて驚いた。

子犬はとてもかわいく、子犬を抱いているKがとても幸せそうに見えた。

犬を飼うことは、僕の中でももう少し後で良いかなと思うところもあり、実際には迷っている部分もあったのだけど、こうして子犬を実際に見ることで、「ここで思い切って飼ってしまってもいいかも」と思えたのだ。

人生、まずはトライしてみて、不都合があればその都度考えていけばよいではないか。まずは初めて見ること。こうして間も無く我が家には、新しい家族が加わることになった。

初の新幹線通勤。

仕事の打ち合わせが東京であるので、Kに車で熱海まで送ってもらい、新幹線に飛び乗った。

熱海からは新幹線こだまの自由席。熱海から品川は40分くらい(夜は35分くらいの時もある)。ぼんやりしているとすぐに品川に着いた。

仕事の前に、原宿に行き、今まで住んでいた家の明け渡しをして、そのまま銀座と赤坂で打ち合わせを終えた。

赤坂見附から家に帰ろうと思ったら、今までは銀座線を渋谷に向かって帰っていたのに、これからは銀座線を銀座方向に向かうのだと思い、愛する青山や外苑前も遠くなるな・・・と思った。

新幹線で戻る途中、Kが迎えにきてくれるというので熱海駅で待ち合わせ。夜になってしまいスーパーに行くのも面倒なので、駅で静岡の野菜と鯵の干物を買った。

久しぶりに家で作る白いご飯と鯵の干物、小松菜の煮浸し、だし巻き卵、なめこ汁。こんな料理が心底美味しかった。今まで引っ越し期間は外食や買ってきた食事が多く、朝はパンが続いていたのだ。

「人間の体は、新幹線の速度に対応できているのだろうか?」と思う。40分くらい新幹線に乗っていてもそれほど疲れない気もするけど、1日働いて往復新幹線で帰ってくる頃には、細胞レベルで疲労感がある気がしたのだ。

それをしてでも、帰ってきて山の空気を吸い込むと、この山々に囲まれた暮らしを始めて、とても良かったと思えるのだ。