大根餅。

これを焼いて食べる

先日ここに書いた、台湾人のKEからLINEが入った。
KE「ただしさん、大根餅、どうやって手渡しましょうか?」
KEは僕の家の近くに住んでいるので、irodoriでいただくように伝えて向かい、しばらくするとKEがニコニコしながら入って来た。
KEが袋からビニールパックを取り出すと、大きなカブラ寿司のようなものが放射状のように切られて入っていた。中からはなんだか美味しそうな大根の匂いがしている。
KE「この表面は、餃子の皮なんです」
KE「たくさん作り過ぎちゃったので、今は毎日大根餅を食べてます」
僕「これは、僕が作ったボロネーゼ。Hちゃんと食べてくださいね」
そう言って僕たちは、お互いに作ったお料理を、irodoriで交換したのだった。
スープの冷めない距離とは言うけど、近所に料理好きな友人が住んでいると、こんな風に作り立ての食べ物をいただくこともあるし渡すことも出来るのだ。
なんだか、おばさんみたいだけど・・・。

Whitney Houston

『レディガガが魅せた! スーパーボウルでの国歌斉唱に、歴代No.1の呼び声高しhttp://grapee.jp/139767』という記事を見て、改めて思ったのだ…
ホイットニーヒューストンの、圧倒的な歌のことを。
なんというDIVAを若くして亡くしてしまったのだろう。
彼女が生きているうちに、コンサートに行きたかったな。
⭐︎whitney houstonhttp://youtu.be/N_lCmBvYMRs

かわいいふたり。

家の近所に、とてもかわいいゲイのカップルがいる。
今年40歳になるHは、ジムに通い語学堪能な絵に描いたような『THE GAY』。KEは、30歳の台湾人。自撮りが大好きで、いつもいつも自撮りをしてはfacebookに投稿し続けている。ふたりはつきあい始めて1年くらいになるのだろうか。
数年前のHは、仕事の悩みや孤独、セクシュアリティに関する親との隔絶から逃れるようにお酒を飲み、荒れている毎日だった。
そんなHはある日、禁酒をはじめて、生活はガラッと好転しはじめた。
新しい仕事を見つけ無事に転職を成功させて、親へのカミングアウトも少しずついい方向に向かい始め、10歳近く若い恋人KEができたのだ。
週末を見ていても、ふたりはいつも一緒に行動をしている。昨年神二ファミリーでみんなで台湾に行った時も、ふたりはとても楽しそうに過ごしていた。
先日、Hが深夜仕事を終えて2時過ぎに部屋に帰ると、電気も暖房もつけずに、ソファに毛布でグルグル巻きになったKEが寝ていたそうだ。
「どうしたの?」と聞くHに、「電気代高かったから…」とKEはポツリとつぶやいた。
その朝Hは、冬で暖房を結構使って高くなった光熱費の請求書をKEに見せたようなのだった。Hにしてみれば、「あああ、今月の電気代高いなあ…」くらいの気持ちだったのだろうけど、KEのけなげな姿を想像して僕までうるっとしてしまった。
春節を迎えるにあたり、ふたりは台湾の電気釜を持ち出して、お正月の台湾のお料理を作り始めた。その中に、大根餅もあって、「大根餅いいなあ…」と僕がラインを入れると、KEから返信が来た。「ただしさんのために、大根餅を取っておきます」
ふたりの先のことは誰にもわからない。
でも、確かなことは、今のふたりがとても幸福そうだということ。
毎日の小さなことにも愛が溢れていて、そんなふたりのやりとりを見ているだけで、僕まで幸福な気持ちに包まれるのだ。

やさい村大地

15種類以上の野菜

友人たちと、赤坂にある韓国焼肉店『やさい村大地』に行った。
この店恐るべしと思ったのが、『さんぱセット3600円』というものを頼むと、なんと、豚のバラ肉や肩ロースがガッツリと出てきて、おまけに15種類以上の様々な野菜がおかわり自由の食べ放題なのだ。その後、スンドゥブチゲや冷麺などもあるのだけど、このお野菜たっぷり感といったら半端なくて、ちょっと感動してしまった。
サムギョプサルって、いちいち包んで食べるのが僕なんかはちょっと面倒と思ってしまうのだけど、お肉もお店の人が焼いてくれるし、野菜をガンガン食べられるのが気持ちいい。
⭐︎やさい村大地 本店http://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13041252/

ニューヨーク眺めのいい部屋売ります

ダイアン・キートンが出ているニューヨークの映画と聞いたら、何を差し置いても観に行きたくなるのは、やはり、ウディアレンの名作『アニーホール』を思い出すからだろうか。
舞台はブルックリン。モーガン・フリーマンと長い間連れ添い暮らすアパートは5階にあり、エレベーターがついていないため、毎日歩いて上がり下りをしていた。
老齢期に差し掛かったふたりは、エレベーターのついている、より暮らしやすい場所を求めて、ブルックリンの家を手放すことを決めて、売りに出そうとするが…
映画自体は、ほとんどふたりの会話だけで進められる。派手な事件は起こらないし、どちらかというととても地味な映画だ。
それでも、現在の暮らしを180度変えることを決めた年老いたふたりは、自分たちの今までの何十年と寄り添ってきた暮らしを振り返り、もう一度見つめることになる。
かつて、ふたりが愛に溢れていたであろう様々なシーンが色鮮やかに蘇る。
この映画は、長年連れ添った者のみが抱くことのできる他者を愛し愛される幸福を、想像させてくれる。そして、今そばにある愛を、たいせつにすることを教えてくれる。
ニューヨークがギュッと詰まった愛おしい映画。
⭐︎ニューヨーク眺めのいい部屋売りますhttp://www.nagamenoiiheya.net/sp/index.html

SATOブリアン

ビフカツサンド

ヒレのすき焼き風

ブリ飯

SATOブリアンは、ずっと昔から話題だった阿佐ヶ谷にある焼肉店。肉のうまさは食通の間でも評判だが、予約の取りづらさも話題だった。
今回、弟のようなFが誘ってくれて、Fのご両親とお姉さん、そしてMちゃんと6人で食事をすることができた。
最初に、キムチとビーフシチューが出てきた。前菜にビーフシチュー???と思ったけど、このビーフシチューは思った以上に軽く、肉が程よく柔らかいのでさくさくと食べられる。
その後、肉の饗宴が続くことになるのだけど、切られたお肉がいちいちとても綺麗なのだ。九州の和牛にこだわったお肉は、どれも厳選されていてサシの入り方が芸術的だ。
タン、ハラミ、シンシン、ともさんかく、ビフカツサンド、ヒレのすき焼き風卵がけ、シャトーブリアンのブリ飯(にんにくバター醤油炒め)。。。
お肉が驚くほど柔らかく、口に入れるたびに驚きがある。肉自体の味わいがあるので、調味料はいたってシンプル。品数も多いし、とても食べ応えのあえる厚切りなので最後までいきつけるかと思ったけど、するすると解けるように入っていった。
お店の料理の構成は、焼肉店というよりも、肉割烹に近いかもしれない。一番近いお店を挙げるとすると、京都の『三芳』だろうか。
人生で最高のお肉を味わいたいと思ったら、訪れてみるといいかもしれない。肉好きも、あまり肉が得意でない人も、最後まで飽きずに食べることができるように、一品一品よく考えられて味付けされている。
本当に美味しいものを食べると、寿命が延びる気がするのはなぜだろう。
Fありがとう!
今度は、誰よりも肉好きなうちのKを連れて行ってあげたいな。
⭐️SATOブリアンhttp://tabelog.com/tokyo/A1319/A131905/13127046/

一陽来復。

昨年の冬至の日に穴八幡宮でいただいた『一陽来復』のお札を家に飾るべき日は、12月23日の午前0時、大晦日の午前0時、そして、立春の午前0時の3回だけ。
しかも、その0時丁度に、その年の吉方位に向けてお札をピタリとつけなければご利益がないということから、今年もお札を貼ることが出来るだろうか…と少し心配していた。
お札を貼る最後の前日となった節分の夜、Xと焼肉を食べ、ブリッジでワインをいただき、ガブでアキラさんと話した後、気づくと11時半になってしまった。慌ててタクシーで家に帰り、お札を貼るべき場所を確かめ、両面テープも用意して、方位をもう一度確かめ準備を整えた。
スマホの時報を鳴らしながら、椅子を置いて椅子の上に立ち上がり、両面テープを剥がし、11時59分を回った頃、今か今かと近づいてくるアナウンスを聞きながら、12時丁度を逃してなるものか…と鼻息荒くなっていたその時…
「ピ…ピ…ピ…ピ…11時59分50秒をお知らせします…」
僕「今だ!」
「ピ…ピ…ピ…ピ…12時をお知らせします…」
僕「え?ええ?」
どうやら時報の声に引きづられて、11時59分50秒丁度に合わせて貼ってしまったようなのだ…
時報と言うのは、来るべき時間をほんの少し先に叫ぶのを、すっかり忘れてしまっていたのだった。
神様は、10秒くらい早めに貼られたお札を、赦してくれるだろうか?
それとも、今年はお札の効果はなく、貧困に悩まされる一年となるのだろうか…
そんなことを悶々と考えながら、なんだ眠れない夜だったのだ。あああ。

昆布の話。

左から、醤油昆布、オリーブオイル昆布、昆布水。

実は最近、昆布にはまっている。
先日、昆布屋さんの本『大阪天神橋 昆布問屋の昆布水レシピ』に出会い、昆布の活用の仕方を知り、今は家でしょっちゅう昆布を消費するようになったのだ。
その本で読んで、自分で作ってみて面白いと思ったことは、グルタミン酸という旨み成分を含んだ昆布は、和食に限らず様々な料理に応用できるということ。
おまけに昆布には、ビタミンやミネラルが豊富で、高血圧、動脈硬化、肥満を防ぎ、デトックス効果もあり、おまけに血糖値の上昇を抑える働きもあるというのだから、出汁をとっただけで捨てているなんて、本当に勿体無いことだったということに気づいた。
この本に書いてある昆布水の作り方はとても簡単。(10グラムの昆布を軽く水で濡らして柔らかくした後に、ハサミで細かく切って、1リットルの水に入れて冷蔵庫に入れておくだけ)
たとえば、普通に洋風のカレーやスープを作るところを、昆布水に変えてみるだけで、味に奥行きが出るのがわかるし、もはや何にでも試しに昆布を使ってみたくなるほどその豊かな味わいに虜になってしまった。
昆布水があれば、昆布かつおだしだって昆布水を温めてひとつまみの鰹節を入れるだけで簡単に作れるから、出汁をひかなきゃ…という面倒くささから解放されるし、熱を加えずに水で取った昆布水は、1週間くらい冷蔵庫に入れていてもそのまま腐らずに持つのもうれしい。
そしてもっと面白いのは、昆布水を取ったあとの昆布を醤油に漬けると醤油昆布になり、オリーブオイルに漬けるとオリーブオイル昆布になり、さらに料理のいろいろな場面で使える調味料になること。一見貧乏くさいけど、出汁を引いた後の昆布を捨てていた罪悪感から解放され、こんな食べ方があったのか!と驚いている。
納豆に混ぜたり、チャーハンに混ぜ込んだり、思いつくどんな場面でも昆布をつかってみることで、ちょっと理科の実験をやっているような面白さが味わえるのだ。
昨日も、冷奴にオリーブオイル昆布を細かく刻んだ後、塩を振って食べてみたら、部屋で1人で食べていたのに口に入れた途端思わず声を出してしまった。「美味い!」
まだまだこれからも、昆布の新しい活用の仕方が広がっていきそうで、ますます楽しみなのである。

Kの面接。

東京に行くことを決めたKは、いま働いている大分の病院を辞めた後、仕事先がまだ決まっていない。
僕は、まずは東京での仕事がきちんと決まってから、その後に東京に来た方がいいと思うのだけど、「3月いっぱいで退職して4月から東京」という期限を自ら決めたようで、それに向かって急に求人情報を探し出し、いきなり東京で面接があると言って仕事の後の夜の便で東京にやって来た。
面接を考慮して入社試験の時のスーツで現れたKは、手には黒いカジュアルなトートバッグを握りしめていた。(病院での仕事では、スーツを着る機会もなく、普段着のまま勤めていたのでいわゆる面接用の服など持っていないのだ)
この日のために急遽休みを取った僕は、朝起きて、朝ご飯を作り、洗濯をして、Kを起こし一緒にご飯を食べ、スーツの上から着るコートを出し、ネクタイを選び、鞄を選んで試着させて、グローブトロッターの小さめのハードなカバンを選び、「これをすべて着てから面接に行くように」と言った。
K「これじゃあ、カバンの中に爆弾でも入っているみたいに思われるよ・・・」
グローブトロッターの焦げ茶のカバンが、Kには少しかっちりとし過ぎたようで、僕は笑いながら革のソフトなブリーフケースに変更した。
面接が終わる頃、面接場所近くの駅に行ってKと待ち合わせをした。新宿に向かう途中、面接の手応えを聞く僕に、「ううん・・・どうなんだろう。東京は求人も多いから、難しいかもしれないね・・・」とまるで他人事だ。
K「なんで東京に来るんですか?」って聞かれたよ。
僕「で、なんて答えたの?」
K「パートナーが東京にいるんです。って答えた」
僕「え?ほんとに言ったの?」
K「うん。そしたら、なんか向こうがちょっと慌てて、それ以上そのことは聞いてこなかったよ」
僕たちは、いくつか面接に備えて質疑応答をシミュレーションしていたのだけど、この「どうして東京に来るのですか?」の質問はたぶん聞かれるだろうね・・・と話していたのだった。
普通、無難な道を選ぶ人は、「彼女がいるので・・・」などと適当にごまかすのかもしれない。でもKは、はじめから、「パートナーと一緒に暮らすために東京に来るって言うの」と言っていたのだった。
いつのまにか僕の知らないうちに、Kは僕以上にオープンになりつつまるみたいだ。