スキミア。

Skimmia Brocox

大好きな冬の花をあげろと言われたら、真っ先に『スキミア Skimmia』をあげる。いつものように、近所のFUGAを覗いたら、スキミアを見つけたので買い求めた。
このミカン科のスキミアは、大きくは花は赤か白の二系統に分かれる。Slimmia Rubellaなどの赤い蕾も、寒さを和らげ華やかさをもたらすのでクリスマスにはうってつけで人気があるが、僕はこの、Skimmia Kew garden とか、Skimmia Brocoxなどの白から緑色を帯びた蕾の品種の清純さが好きだ。
晩秋から永い間、小さな蕾を着けたまま冬の寒さの中で生きるこの花は、何も言わず辺りに賑やかさを振りまいてくれる。
永い冬を越えて、早春の頼りない暖かさを感じるまで、そばにいてくれる友のように。
週明けに、この花に似合ったグリーンの鉢を買って植えて、二本のスキミアを対に飾ることにしよう。

精米機。

玄米を入れる

精米中

完成

「あぁ、なんでもっと早く買わなかったんだろう…?」
と思うものに、精米機がある。
永 六輔さんが前に、「なんでみなさん、精米機をご家庭に置かないのですかね?」というようなことを言っていたのが 頭の片隅にずーっとあったのだけど、先日、何気なく調べていたら1万円くらいだったのでついに買ってしまった。
今までは、2キロずつその場で精米してもらい、冷蔵庫で保管、なるべく早く食べる…を繰り返していた。でも、少し余ったまま時間が経ったりすると、精米した米は明らかに精米したてと違ってくる。
野菜も魚も我々人間の身体も、皮というものに守られて、中の水分を保っているのだ。精米して皮を剥ぎ取られた米は、刻一刻と干からびて酸化してゆくだけなのだ。
さて、この精米機、お米の量をきちんと計り、号数を合わせて、白米にするか、7分づきにするかなど選び、スタートボタンを押すだけで3分くらいで簡単に精米してくれる。
精米したての白米が、土鍋で炊き上がる匂いがして、ツヤツヤなお米を覗き見る時に、「あぁ、なんでもっと早く買わなかったんだろう…?」とまたしても思ってしまった。
★匠味米 http://karuwazaonline.jp/pc/dynamicContents.do?___SHOP_NO=00000003&f=80120900476

ジェンダー。

会社に、ダイバーシティーを研究しビジネスにつなげる糸口を探るチームがあって、その中の一つにジェンダーを扱うグループがある。後輩であり妹的存在のGになぜだか僕も入れられてしまい、ジェンダーチームのキックオフなる食事会が行われた。
そこには、僕の前の上司で、今は役員になってしまったSさんも出席したので、なんとなく緩やかなカミングアウトになってしまったように思う。(またGにはめられた!)
さて、ジェンダーという言葉を時々耳にするけど、いったいジェンダーってなんなのよ?と思われる人も多いのではないだろうか?セックス(性別)とどう違うのかと?僕も性にまつわる言葉が氾濫していて、その用語の意味の違いになかなか着いて行けてない。
たとえば、トランスセクシュアルとトランスジェンダーはどう違うのか?などなど・・・。
Wikipediaによると・・・
先天的・身体的・生物学的性別を示すセックス(英語: sex)に対する、「社会的・文化的な性のありよう」のことを一般に日本ではジェンダーという(この場合の「ジェンダー」という用語それ自体には、良い悪いの価値判断を含むものではない)。一方、欧米においては「gender」は、生物学的性の概念を含み、また文化的な差異とも異なるものとして認められる。
ほら、やっぱり難しいでしょ。日本語のジェンダーと英語のgenderでは、すでに意味が違って来ているし。
でも、今までずーっとこの世界では、男、女という白黒はっきりとさせることは、その人の一つの特徴を表すものとされて来た。でも、もしかしたらそれが今、変わりつつあるのかもしれない。
肉体的に持って生まれた性(sex)は、子どもを産める身体か、そうで無い身体かに分かれる。でも、自分が認識する心の性は、必ずしも肉体的な性別と一緒ではないという人がいることが、明らかになってきたのと、人が好きになる対象も、自分の身体的性(sex)と違う人とは限らない人もいるということがどんどん分かって来ている時代だからだ。
単純にこれらを掛け合わせると、12通りの性の多様性が認められることになり、それ以外にもXジェンダーなどが加わり、もはや性は単純に男か女かなどという二者択一では割り切れない物になって来ているのだ。
ここに来て、様々な性の多様性が認められはじめ、世界中で同性婚が少しずつ認められてゆくなんて、ちょっとワクワクする時代に生きていると思いませんか?
※Xジェンダーとは?
出生時に割り当てられた女性・男性の性別のいずれでもないという性別の立場をとる人々を指す。女性・男性の性別のいずれでもない性別を区分するかぎりでは、中性というあり方、無性というあり方、両性というあり方、性別という枠組みから脱するというあり方、女性か男性か定まりきらない流動的であるというあり方など人により様々である。

辻和金網。

伊勢丹で、京都の辻和金網が出店していたので、前から買い換えようと思っていた金網を買った。
足付きの足がコンパクトに折りたためるものが女子には人気のようだけど、僕はすぐに金網をどけて他の鍋を置いたりできるように横に足が着いているものを。
たかが金網と思うかもしれないけれども、辻和金網の金網を手にとってじっくり見てみると、均一に編み込まれた細かな網は、一瞬の乱れもなく、金網が終わり結ばれる部分さえも美しい。形が歪んでいたり、がたついていたりしているところはない完璧な形を見ていると、熟練した職人の手仕事に驚嘆の溜息さえもれてしまう。
平安時代から作られていたという金網細工は、日本の伝統工芸の底力を感じさせてくれる。
★辻和金網 http://www.tujiwa-kanaami.com/

冬のクリームシチュー。

木枯らしが吹き、冬将軍がやって来た。衣替えをまだしていなかったので、今朝は慌てて冬物を出した。寒さを感じるといつも、温かいクリームシチューが食べたくなる。
僕の母は料理が好きで、洋食もよく作ってくれた。その中でも兄はハンバーグが好きで、僕はグラタンかクリームシチューが好きだった。
母は、クリームシチューもグラタンも、市販のルーは一切使わず、きちんとバターと小麦粉を炒めて作っていたので、僕もそうするものだと思っている。
野菜を切ってしまえば、実は簡単に短時間でシチューは出来上がる。中に入っている調味料は驚くほどシンプルだけど、コクと旨味があり、なによりも身体を中から温めてくれる。
★クリームシチュー
1. 鳥もも肉2枚に塩胡椒を振り、30分おく。1枚を6つくらいずつに切る。
2. 玉ねぎ小1個はくし形に。人参小1個とジャガイモ2個は、なた切り(乱切り)。カブ小2個は食べやすく6個に(僕は皮を剥かない)。ブロッコリーとカリフラワー各1/2個は、小房に。マッシュルーム1パックは半分に切る。インゲン軽く一掴みはヘタをとり半分に。
3. 24センチ位の鍋に火をつけ、バター大さじ2を溶かし、鳥肉を皮目から入れて暫く放っておく。焼き色が薄くついたら裏返す。玉ねぎを入れ、人参とジャガイモも入れて白ワイン50mlを入れたら全体を軽く混ぜ合わせる。
4. チキンスープ150mlを入れる。火が沸騰して来たらアクをすくう。ここで塩を手でつまみながら少しずつ入れてゆく。味見をして少し薄いかなというところまででよい。
5. バター60gを小さな鍋に溶かして強力粉60gを入れて混ぜる。時々火から離しながら全体が混ざったら、泡立て器でゆっくり混ぜながら、4のスープを少しずつ足してゆく。トロッとして来たら、4の鍋に入れてゆっくり全体を混ぜ合わせる。
6. カブとマッシュルームを入れて10分くらい煮る。
7. カリフラワーを入れて、ブロッコリーを入れて、インゲンを入れてすぐに火が通るので、牛乳200mlを加える。全体が熱くなったらここで最後に塩加減を調整して胡椒を引いて完成!あったかいよ!

家族のような人。

朝、9時に会社の前に歩いて着く頃、別の方向から元上司のFさんが急ぎ足で現れて少し前を歩いて行った。
Fさんは僕が入社した時に、偶然隣の席にいた人で、その後僕の上司になり18年間ずっとそばにいた人。昨年の編成替えで今は離れてしまったけど、長い間Fさんには実の兄や父親のようにやさしくしてもらった。
1年目の時に、上の先輩があまりにも優秀すぎて、彼のやり方に着いて行けなくて、少しやる気を無くしていた時に、Fさんはそっと午前中に僕を連れ出した。ふたりで浅草橋に行き、色々な小さな雑貨や民芸品、下町ならではの商店街を夕方まで散歩した。その時Fさんは、僕になんにも言わなくて、ただ、会社をさぼって一緒に歩いてくれただけだった。
その後、様々な会社の人事の移動などからも、影で僕を守り続けてくれたようだ。
アイデアが出なくて困っている時も、チームで競合に臨む時も、いつも困難をともにくぐり抜けて来た。
5年半前に僕の父が亡くなった時に、会社で一番僕のことを心配してくれたのはFさんだった。父の葬儀は家族だけで執り行うと会社では告知したのだけど、Fさんは当然のように会場を突きとめてやって来た。「俺はお前の家族の葬式にはどんなことをしてでも行くから」と。
父が亡くなったことと、10年間つきあってきた相手と別れたことを知って、Fさんはとても僕を心配してくれた。
年末の雨の日に、忘年会を小さなチームでやった時も、僕は未だ元気がなく少し自暴自棄になっていた。店を出てみんなを帰した後に、土砂降りの雨の傘の中でFさんは、「今は時間が必要な時だと思うけど、また、もう一度以前のような周りを温かく照らすようなTに戻ってくれ・・・」と潤んだ瞳で僕に言った。
人生には時々、Fさんのような、温かな愛情と感謝の気持ちを感じる人との出会いがある。離れてしまった今でも、いつまでもその人とは肉親のような思いで通じ合っていると感じることが出来る。
少し先を歩く後ろ姿を見ながら、温かい気持ちになった朝だった。

ゆでたまご。

卵の尻に穴を開ける道具。ハンズにて。

ゆで卵が好きだ。それはもう、何個でも食べたくなるくらい。
ついでに言うと、ゆで卵にキャビアやカラスミを乗せて食べると本当に美味しい。そんなものを食べている時は、マリー・アントワネットのように、いつか自分もギロチンで処刑されるのではないかと思ってしまう。
世界中で食べられているゆで卵、色々な作り方があるけど、どうやって作っていますか?
1.普通の鍋の場合。
たっぷりのお湯を沸かし、塩をひとつまみ入れておく(割れてもいいように)。室温に戻した卵を沸騰した鍋の中にお玉などを使ってそっと入れる。弱めの火で7分くらいで半熟に。12分で固茹でに近くなる。
2.ストウブの鍋がある場合。
15センチくらいの小さなストウブの鍋に水を50ccくらい入れて卵を2〜3個入れて、蓋を少しずらして火を点ける。湯気が上がって来たら蓋をして8分。火を止めて6分くらいそのまま蒸らす。冷水に取り皮を剥く。半熟の場合は、蓋をして5分。蒸らして2〜3分くらい(〜を使っているのは、その家の鍋の大きさや火力や卵の個数によるため)
※重要なこと。
1.卵の丸みのある方に針で小さな穴を一つ開けること。(黄身があまり偏らず、皮も剥きやすくなる)
2.必ず卵は常温に戻してから鍋に入れること。温度差がありすぎると割れてしまうので。
3.ゆで上がったら、速攻で冷却すること。(むきやすくなる)

Patti Austin

シーラカンスみたい…

僕にとって一番贅沢な週末は、今週末のようになんにも予定を入れない週末だ。
会社に入りたての忙しい時に、二つ年上の人とつきあいかけたことがあり、その彼から当時彼の好きなCDを2枚もらった。 それらは20年近く経った今、僕の宝物のようになっていて、時々思い返しては聴き続けている。
今日のような初冬の曇りがちな日に、一人で家でのんびりと読書や料理などをしながら、『Patti Austin』を聴いていると、彼女の抑えた歌い方が胸に沁み入って来る。
Patti Austinは、僕の周りではあまり話題に登るシンガーではなかったけど、時代に残るヴォーカルがあるとしたら彼女のような人なのではないかと思わせるちょっと複雑な歌声だ。
Quincy Jonesという天才に見出され、多くは無いけれども着実にアルバムを重ねて来たPatti Austinは、YouTubeで見る限りライブも見応えがありそうだし、日本のブルーノートにも来ているようなので、いつか機会があったら、是非ライブを観てみたいと思う。
昔は好きなアルバムを恋人に送ったりしていたけど、今はダウンロードして交換したりするのだろうか?
僕は、CDという形になっているアルバムが、ジャケットも含めて作り手の思いが込められている気がするしとても好きだ。これからたとえ20年経ったとしても、大好きなCDは変わらないのだろうと思う。
★How do you keep the music playing?http://www.youtube.com/watch?v=Y-4Nc84uEK8&playnext=1&list=AL94UKMTqg-9B94TIWGtiWh09qpTj3ncmk

S太郎のハッピーバースデー。

僕と一緒によく飲み歩いたり、色々な国に旅行に行くS太郎の45歳の誕生日を、K太郎と祝った。
何が食べたい?と聞くと、韓国焼肉が食べたいとすぐに返信があったので、歌舞伎町の『TEJI TOKYO』へ。
『TEJI TOKYO』は、梅山豚や、イベリコ、ハンガリーのマンガリッツア豚などの肉の塊を、お店の人が丁寧に焼いてくれる店。
年を取ると、独りの誕生日ほど寂しいものはない。
たとえ恋人などいなくても、友達とワイワイ騒ぐ誕生日が、僕は一番楽しい気がする。
三人の話題はいつも、先日の台湾旅行での男の話だったり、次の旅行先の話しだったりする。
散々食べて、飲んで、二丁目でハシゴして、帰り際に「誕生日おめでとう!」と言ってS太郎とハグをして別れた。
『ヨボヨボになっても、一緒に台湾に遊びに行こうね!』というメッセージがS太郎から届いた。
★TEJI TOKYOhttp://s.tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13019553/?lid=header_restaurant_detail_menu

いつも変わらずにある場所。

Bridgeで平日によく入っていたHが、新しい仕事につくので少し遠くに引っ越すため、一旦Bridgeを休むことになった。
まだ32歳のHは、鼻が高く目がつぶらで、実は繊細でやさしい性格だ。昨夜はHの少し早い誕生日と新しい門出を祝うために、常連のお客さんたちがBridgeに集まった。
みんなで大声でハッピーバースデーを歌いながら、うれしそうなHもさることながら、カウンターで大声で楽しそうにはしゃいでいる仲間たちを見ていて僕も幸せだった。
Hの人生に色々なことがあったように、Bridgeで出会って、ある時期は親しく飲んだり、仲良くなった人たちがいるけど、様々な理由からあまり来なくなってしまったり、なかなか会えなくなってしまった人たちが沢山いる。
常連と言われる人たちが、時代とともに確実に入れ替わってゆくように、今、周りにいる友人たちだって、もしかしたら僕にしたってこの先色々な事情で遠く離れたり、来られなくなったりするに違いない。
でも、そんな風にいつか時が経って、もう来られなくなってしまったとしても、昨夜のようなひと時を憶えていられたらいいだろうなぁと思う。
たとえ離れてしまったとしても、いつも変わらずにある温かい場所が心の中にあるのは、幸せなことだ。
H、お誕生日おめでとう!
いってらっしゃい!