久しぶりの東京。

昨日は8時半に家を出てから東京に向かい、霞ヶ関で11時からの裁判の後、僕とKは久しぶりの東京でやりたいことがいっぱいあった。

まずは新宿高島屋に向かって、鼎泰豊で昼ごはんを食べた。久しぶりの鼎泰豊はやっぱり何もかも美味しかった。


Kはコンタクトを買ったり、僕は壊れた眼鏡を修理に出したり、久しぶりに会う女の友達の誕生日プレゼントを買ったり、そうこうしているうちに時間になり新宿2丁目のBridgeへ向かう。

久しぶりの新宿2丁目は、意外と人通りもありお店も沢山開き始めていた。

Bridgeでは友人の女の子が来て、30代前半のゲイの友人が来て…マスターのMとも久しぶりに会えたので話は尽きることなく、出掛けに次々と友達が入ってきてあっという間に楽しい時間が過ぎた。

7時からは、裁判の報告会だったのだけど、なんとかはちゃめちゃなことを話しながらも無事にミーティングを終えた。

8時に新宿を出て東京駅に向かい、お弁当を買って新幹線に飛び乗る。

弁護士から連絡が入り、報告会の映像がYouTubeに上がっているのだけど、僕が話している横でKの顔が所々出てしまっていた。

本当は顔出しNGで通して来たのに、2人ともお酒が入っていたから動きも無駄に大きく、他の弁護士の方々の真面目さと対比してひときわ落ち着きがなく見えた。

家に着いて10時前、それからお弁当を食べながら、今日あった様々なことを思い返した。そして報告会のダメダメな映像を見ながらKと2人ゲラゲラ笑ったのだ。

ほんと、久しぶりに楽しい東京だった。

コップに入った半分のお水。

コップに半分入った水を、「もうお水がない」と思うか、「まだこんなにお水がある」と思うか。

よく言われることだけど、この選択によって自分の周りに引きつけられてくるものが違ってくる。

「もうお水がない」と思ってしまうと、その不安や焦りが次の不安を呼んでしまう。

いつでも、「まだこんなにお水がある」と思えたらいいのに…と思う。

目の前の事象はいいも悪いもないのだけど、自分の捉え方によって、よくもなるし、悪くもなるのだ。

落し物の財布。

海の散歩の終盤に家への道を歩いていたら、海が黒いものを咥えそうになったので「NO」と言って止めた。

そのまま通り過ぎようかと思ったけど、振り返って見るとそれは黒い皮の小さな小銭入れだった。

一瞬どうしようか迷い、拾い上げて中身を確認した。千円札が1枚と小銭が入っているけど、持ち主の手がかりは見つからなかった。

道の真ん中だったので、しょうがなく一旦家に持ち帰る。近くの交番を調べてみたけど、来宮駅の前の熱海警察に行くのが一番近いことがわかった。

今日はもう遅いので、明日Kが帰って来たら届けることにしよう。持ち主は、警察に届け出るだろうか?

こんなときに、地元の掲示板のようなものがあると便利なのだけど、このあたりは半分人が住んでいないような場所なので、そんなものは存在しない。

早く持ち主が見つかるといいな。

斜向かいに救急車。

夕方に救急車のサイレンがだんだん近づいて着て、家のそばで止まった。今僕の暮らしている熱海の山の中は、圧倒的に高齢者が多く、こうやって救急車が急病人を運ぶのもそれほど珍しくない。

僕は何かあったのかな?と思い、すぐに下に降りて行くと、斜向かいの家に救急隊が入って行くのが見えた。

しばらくするとお隣のおじいさんも慌てて出て来て、その隣のおばあさんも出て来て心配そうに見守っていた。

運ばれたのは斜向かいのおじいさんで、おじいさんと言っても70歳手前くらいだろうか。とても穏やかで優しく、いつも僕たちを気にかけてくれていた人だ。

おばあさんも出て来て少し慌てているようで、自分の車で行くか、救急車に一緒に乗って行くか、迷っていた。

おばあさんは僕たちに、「ご迷惑おかけします」と言って、救急車に乗り込んだ。

どうやらおじいさんはこのところ体調が悪く、しばらく寝込んでいたらしい。どうりで会わなかったわけだ。

少し近所の人たちと立ち話をして、家に戻ったのだけど、これ、東京だったらこんな風に隣近所と会話はしないだろうな・・・と思ったのだ。

東京のマンションでは、基本的に他の家に干渉しないのが暗黙のルールになっているので、救急車が来ても、物珍しさに見にくるくらいだろう。

ここで暮らす人たちは、道を歩いていても目が合うと必ず挨拶をする。たとえ知らない人であっても。それが配達の人や、通りがかりの人であってもみんな気持ちよく挨拶を交わす。

そして、ご近所でもよく会話をする。それはさもない日常のことから、どんな花が咲いたとか、天気の話とか。

若い頃はこんな挨拶が面倒でしょうがなかったのだっけど、今の僕はこうして挨拶をすることがとても気持ちのいいことだと思えるようになった。

そして、適度に周りを思いやり、今日のような緊急時には自分にできることはないかとそれぞれが思っている。

今だって、日本の田舎町はどこでもそうなのだろうけど、こうした目に見えない周囲への気配りや思いやりは、これからの高齢化社会の中で必ず役にたつと思うのだ。

犬連れだから良いこと。

海を散歩していると、道ゆく人に声をかけられる。

「あらーぬいぐるみみたいねえ」「着ぐるみみたい!」「かわいい!」「暑そうねえ」

いつも決まった時間に散歩するので、いつも外で庭いじりしているおじいさんやおばあさんは、海が来るのを待っているような感じの人さえいる。

犬好きな人も、あまり犬に関心がない人も、どういうわけか海を見ると何か声をかけたくなるようだ。動物の持つ力って不思議だ。

それは多分、スタンダードプードルのようなちょっと変わった大型犬があまり周りにいないせいかもしれない。

海が一緒にいるおかげで、近所の人はとても気さくに話しかけてくれる。

海を通してこの町に少しずつ馴染んできていると言っても過言ではないのかもしれない。

だって、52歳のおじさんが1人で道を歩いていたら、ちょっと怖いというか、誰も何も声なんかかけないと思うのだ。

そういえば中には、「本当に足が長いねえ・・・」と言った後、僕に向かって「あ、あなたじゃないから」と言って笑ったおじさんもいた。

僕もつられて笑ってしまったけど、初対面でもこんな感じに自由に話ができるのも、海のおかげ。

穴の空いたセーター。

海によって、僕のセーター3枚とKのセーター1枚が穴を開けられてしまった。

これらの穴あきセーターは、思い入れの強いものばかりなので捨てることもできず、泣く泣く修理に出すように手配した。


仔犬を飼うのだから、セーターに穴が開くくらいはまだ序の口で、兄弟犬は家の椅子をかじってダメにしたとか、壁紙を剥がしてめちゃくちゃにしたとか、ソファをボロボロにしたとか、破壊王ぶりが伝えられている。海のやんちゃ具合などまだまだかわいいもののようだ。

仔犬と暮らし始めたら、カシミアなどの高級なセーターは着ない方がいい。

それが僕から伝えられる教訓。

宅配クリーニング。

冬物のセーターなどをクリーニングに出そうと思い町まで衣類を持効果迷った末、結局面倒なので宅配のクリーニング屋さんをお願いしてみた。

HPにアクセスして宅配便に取りに来てもらう日時を書き込み、用意してもらうダンボールの個数を入れる。あとはクロネコヤマトが引き取りにやってきた時に、一緒に持ってきてくれたダンボールの中に衣類を詰めて、蓋をして送り出すだけ。

30%オフのキャンペーンもやっていたので、自分でどこか安いクリーニング店で持ち込むのとほとんど変わらない値段でクリーニングに出すことができた。

何を何枚出したかわからなくなると困るので、念のために写真を撮っておく。

あとは先方からクリーニング代金の確認メールが来て、出来上がって届けられる日を待つのみ。

山の上での生活で全く困らないのは、全て宅配便のおかげだ。

大分からの小包。

大分県のKの実家から、ニナ貝が届いた。

発布スチロールのボックスを開けると、ニナ貝とトコブシとテングサが山盛りに。


お父さんとお母さんが海に行って取って来てくれたんだろう。

テングサは、昨年頂いたものをところてんにしたらとても美味しかった。

でも、まだ使い切っていないので、こんなにあったらところてん屋さんでもできそうなくらい。

母の日と父の日には、こちらからささやかな贈り物をしている。

お父さんは僕のことを会話に出すことはないようだけど、いつの日か、会える日を楽しみにしている。

お土産。

昨日来た友人家族が、お土産を持って来てくれた。

宮崎のマンゴーは話しているうちに出し損ねてしまった・・・。

お母さんが作って持たしてくれたという鯖寿司を今日頂いたけど、とても美味しかった。ご飯の中に綺麗に生姜が入っていて、酸味も甘みも絶妙だった。


2歳半になる女の子が描いてくれた絵は、何が書かれているのかわからないけど、不思議と面白い。

友人カップルと子どもたちがやって来た。

数日前に急に、弟のような友人Fが、奥さんと子ども二人と熱海に花火を見に行くから、そのついでに昼ごろ寄りたいという連絡があった。

熱海にはなぜか突然友人たちがやってくることが多く、その時に同時に僕の顔を思い出すのか、突然行きたいという申し出を受けることがある。中には予定が合わず会えない人も何人かいた。

午前中は町内会の清掃が入っているので、大したものは用意できないけどということで簡単なイタリアンでもてなした。

子どもは、2歳半の女の子と7ヶ月くらいの男の子。二人とも個性があってとてもかわいい。

友人といっても、勝手に親戚のような気分になっているせいか、とても楽しい時間だった。

セクシュアルマイノリティで子どもを育てているカップルというのは、実はもうこの国にはたくさんいるのだけど、法律で守られていないのが現状。一日でも早く法律で守られることを願っている。

海はやっぱりゲストには喜んでしまうようでなかなか興奮が治らずクレートの中で待機してもらったのだけど、少しずつ人にも慣れていってほしい。

東京を離れた僕たちの生活を、やっぱりみんなどうやって暮らしているのか気になっているみたいで笑ってしまった。