近所の人々のやさしさ

オープンして2日目そして3日目と、裏の農家さんご夫婦がお弁当を買いに来てくださった。

きっと彼らはみていてハラハラしているのだと思う。車で家の前を通りながらいつも心配そうに僕たちのことを見ているのだ。

「宮古の人はとにかく量だから。値段はできるだけ下げて量を多くして・・・」

「こないだ食べたサラダにかかってたドレッシングが酸っぱくて、それが豚丼に来てしまった勿体無かったから隣に行かないようにしたほうがいいよ」

「小さくていいからこれにお味噌汁をつけたらお得感があってもっと出ると思うよ」

本当にありがたく、なんてやさしい人たちなんだろう・・・と感謝したのだった。

2品に絞ってやってみた。

(やっとブログが追いついてきた・・・)

オープンの日は4品すべてに対応して準備したため、結局色々とミスが起きてしまった。

オーダーがあってから器によそってお出しするまでにやたら時間がかかったり、よそう順番が決まっていなかったので僕とKで作業をしながらぶつかってしまいそうになったり・・・

でもこんなこともはじめてみなければわからないこと。いくら頭の中でシミュレーションしていたとしても現場でうまく動けないものだ。全ては実際にやってみないとわからない。

今日は2品に絞ったお陰でゆっくりと準備をすることができた。

明日はもう1品増やしていこうかな。

2人にとってはじめての仕事なのだから、失敗があってもしょうがない。そこから学んでまた次は失敗しないようにすればいいではないか。

それまでプレオープンとしているのでこの数週間できちんとオープンできるように調整していけたらと思う。

CUCINA AZZURRA プレオープン!

AZZURRA の立ち上げ当初から、いつかテイクアウトのお店をやろうと計画していたのだけど、オープンからほぼ一年後にようやく夢が現実になった。

テイクアウトのお店どころか飲食業などもちろん今までやったことなどなく、二人にとってはわからないことだらけ。店内の作りから容器のこと、看板やのぼり、何もかもわからない・・・。

一番難しいのはメニューで、色々試作を繰り返しながらメイン料理を4品決めた。

◎肉だんごとペンネ

◎パクチー・キーマカレー

◎ケイジャン・チキンライス

◎本日の弁当(スタミナ丼)

今日はお店のプレオープンの日で朝からてんてこ舞い。十分に周囲に告知していないのでほとんどお客さんは来ないからゆっくり準備しながらやろうと思っていたのだ。

その予想に反して、朝からガス屋さんがわざわざ買いに来てくださったり、近所のおじさんが心配で様子を見に来てくれたり、友人カップルが買いに来てくれたり、通りがかりのバイクのおじさんが買って行ってくださったり、初日にしてはドタバタ状態。

友人カップルにお出ししたケイジャンチキンを端っこを味見したところ、スパイスがいつもより強く辛く感じられ、ここで一気に撃沈してしまった。

ケイジャンチキンライス

カイエンヌペッパーを新しくしたら、予想以上に辛味が強く出てしまったみたい。

ひどく落ち込んでいたところ、ふとピクルスの容器を見るとピクルスに入れていたはずの島唐辛子の1つがなくなっているのに気づいた。

「誰かに島唐辛子入れちゃったよ!あれ食べたら辛くて飛び上がっちゃう!」

必死に探すも見つからずKとふたりでしょんぼりとしていた。

恐る恐るガス屋さんと友人カップルに連絡を入れて、「唐辛子が入ってませんでしたか?」と聞いたところ、しばらくして「ありませんでした」と返事がありほっと胸を撫で下ろす。

「バイクのおじさんが唐辛子を食べて、今頃火を噴いてるかもね…」

そんな話をしながら片付けをして、二人ともあまりに疲れたのとメニューを四つもやるために神経的にギリギリになってしまったことを悔やんだ。

「明日からは2品でやろう」

そう決めて、今日はゆっくり休むことにしたのだ。

それにしても、初日からバタバタで大変だったけど、なんとか無事に飲食店も立ち上げることが出来たようだ。

容器のこと。

容器のことはここにも何度も書いた。用を足したらゴミになってしまうだけなのにとっても高いのだ。

例えばドリンクの容器はプラスチックにすると容器1個19円、蓋が5.6円する。これにストローを入れたら30円近くなってしまう。すぐにゴミになってしまうのに高いものだと思う。

コンビニやスーパーでビニール袋でお金をとるようになったのは、はじまった当初高いなあ・・・と思ったものだけど、今思えば当たり前のことだ。なぜもっと早くやらなかったのだろう。

今は人間の作ったビニールやプラスチックが海や山を汚染し続け、マイクロプラスチックとなって動物たちが食べてしまい、やがて我々の身体の中にも入ってきている時代。

いつか本当に環境にいい容器やビニール袋ができたらいいのになあと思う。

Polpette

CUCINA AZZURRA(キッチン青)というイタリア語の名前をつけたからには、イタリア料理があるものと思う人がいるのは当然ではないか。イタリア語の名前なのに豚丼とかばかりなのはちょっと変な気がしなくもない。

イタリア料理の持ち帰りというのが意外と難しいのはわかっていた。イタリアの駅などでは日本のようなお弁当はないし、あってもせいぜいパニーニかスナックくらい。パニーニは美味しいけど宮古島でパニーニを食べる感じがあまり浮かばない。(サンドイッチは有りだと思うのでいずれサンドイッチは作るつもり)

ボロネーゼがいいと思うけど、冷めてしまったロングパスタはどうにも美味しくない。デパ地下によくあるサラダのようなショートパスタも好きではないし、冷製か常温のショートパスタならあるかもしれないけど今の時期ではないな・・・プッタネスカやアラビアータは宮古島には合う気がするけど冷製だとどうなんだろう?

色々と思考錯誤を重ねたある日のこと、「あ、ポルペッテがいいかも!」と天からのお告げのように閃いた。ポルペッテとは肉団子のこと。ポルペッティと言えば小さな肉団子、ポルペッティーナ、ポルペットーネ、形状によって色々な言い方がある。

普通はそれだけで食べることが多いようだけど、「カリオストロの城」ではスパゲッティで食べていたという(全然記憶にないのだけど)

そこで、うちはポルペッテをショートパスタで出すのがいいと直感的に思った。ショートパスタならば伸びもほとんどないし茹で置きにも耐えられるし合える時に戻すことができるかもしれない。

それからAZZURRAならではのポルペッテを作るべくさまざまなレシピを参考に試作を重ねた結果、パルミッジャーノを少し入れたポルペッテが完成した。ソフリットを入れるかどうか迷ったところだけど、トマトソースに入れることにした。

Kと2人で食べながら、「美味しいね。うまくいきそうだね」と確信に変わったのだった。

人気のお弁当屋さんへ

散髪をしながら床屋さんで雑談をする。

時々あまりにも質問攻めの床屋さんがいて疲れるが、だいたいは宮古島の情報を仕入れられるから楽しめる。

床屋さんは毎回違うところに行くようにしている。ここぞという床屋さんに出会えていないのと、髪は切りたい時に切りたいので、何日前に予約したり待ったりするのが嫌いなのだ。

その床屋さんが近くに人気のお弁当屋さんがあると話してくれたので、帰りがけに買って帰ることにした。こうやって何軒かのお弁当屋さんのお弁当を買って帰っては色々中身を見ながら味わいながら勉強している。

今回のお弁当は人気店で並ぶこともあるし12時をすぎるとほとんど売り切れになってしまうらしい。今日は11時半頃に着いたらまだ残りがあったのでほっとして買って帰った。

家に帰ってKと別々のお弁当を食べてみる。普通にボリュームもあるけど・・・ここもどこかで食べたようなかつが使われているのがわかる。


そう思ってしまうとこの唐揚げもどこか他と一緒の業務用の切り身冷凍なのかもしれない。

600円以内で利益を出しながらお弁当を作るというのはかなり難しいのだと思う。そんな中でやりくりをしてここは人気店になってうまく回っているのだろう。

でも、僕たちはここみたいなお弁当屋さんをやりたくてランチの持ち帰りを始めるわけではないんだよな・・・とまたしても再確認できた。

僕たちは、きちんと手作りした自分たちが食べたいもの。美味しいと思うものを届けたいのだ。

試食を繰り返す日々

メニューはだいたい決まってきた。

◯肉団子のペンネ
◯ケイジャンチキン
◯パクチーキーマカレー
◯今日のお弁当(豚丼・焼鳥丼・鯖の蒲焼丼)

それぞれに苦労はあったけど、肉団子のペンネは、ショートパスタの中から試行錯誤を重ねてペンネに決めた。ロングパスタのように伸びることはないし茹でた後にお弁当に入れる前に工夫すれば美味しく食べることができることがわかった。

ケイジャンチキンは一番最初から決まっていたメニューだけど、温め直しにどうするか・・・

パクチーカレーは保存もきくしおいしいけど、温め直すときにスパイスとパクチーを足して香りを補おうとか。

一番悩んだのは今日のお弁当のメニュー。
豚丼は日本中に色々な豚丼があるけど、帯広の豚丼は僕にはあまりにも甘いし、他に豚丼を探っても甘辛い豚丼がほとんど。

結局色々試作した末に、「スタミナ丼」のレシピを取り入れて、尚且つ甘さを控えたら自分が食べてもおいしいと思えるものになった。

人の好みに合わせるのではなく、自分たちがおいしいと思うものを提供したいと今は思っている。

食材はどこで調達しよう?

業務用のお肉屋さんを覗いたり、業務用食材全般を扱っているサイトを除いたり、送料を聞いたりしている。

宮古島中のスーパーや肉屋さんを回って値段を調べたり・・・

業務用のスーパーはお肉だと10キロから14キロ単位で仕入れることになる。送料はだいたい3500円から4000円くらい。

そうすると1キロあたりの値段は宮古島で買うのとさして変わらないことがわかる。

それに、14キロ仕入れたところで、台風で停電が続いたらお肉も腐らせてしまうかもしれない。

色々なことを考えて、当面は宮古島で買うことのできる肉を使うことにした。そうすれば売れ具合によって仕入れも少なくて済むからだ。

55歳になって飲食店をオープンすることになるなんて考えもしなかったな。

でもとても楽しいや。

お持ち帰り容器

ランチのお持ち帰りを始めるにあたって、容器のことはここにも何度か書いた。

環境にいい容器は50円以上平気でするとか、そのくせそれほど環境に負荷をかけないかと言うとそうでもないこと。

色々探した末に僕とKはとりあえず1つ27円と26円の容器にすることにした。

その容器を選ぶのにどれだけ色々な容器を見たことか。ネットで買えば安いかもと思いながらも送料を加えると結局高かったり。

当初考えていた紙袋って1枚80円したりするのでやめた。それでもビニール袋でも4円したり、割り箸やフォーク、紙ナプキンなど足し上げていくと結局50円近くになってしまうものだ。

そこで、近所の人など、容器を持ってきて下さったお客様は100円引きにすることにした。そんなお客さんがいるかわからないけど、その方がよっぽど環境に配慮した行いだと思うのだ。

グランドオープンからそれは告知対応しようと思う。

試食の日々

メニューがだいたい決まってきたので、きちんとしたレシピ化をするのとともに、試食を重ねる毎日。

この野菜が高くなったら他の野菜で代用しようか?とか、最初はどれくらいの量を作ろうか?とか。お肉は1人分で100gにしたらどれくらいのボリュームになるだろう?とか。

お米の量も実際に容器によそって食べてみないとわからないものだ。

僕にとって225gくらいで良いと思っても、肉体労働者は250とか300くらいご飯が食べたいかもしれない。その際に6合で何杯分ご飯が取れそうだとか、考えて決めなくてはいけないことがたくさんある。

最近同じメニューを繰り返し作っていて、それを何日に1回とかで食べなければならず、他の料理が食べたいと思いながらも、こんな経験って後で懐かしく思うんだよなあ・・・などと思っているところ。

キーマカレーをこんな頻度で食べることになるとは思わなかったな。