歌ちゃん。

歌ちゃんとは、僕がまだ若い頃にタックスノットで会っていた。

歌ちゃんは歌川たいじさんと言って、「ALL ABOUT」で同性愛に関する記事を書いていたこともある人だ。

ツレちゃんというパートナーがいて、そのツレちゃんの天然ぶりがとても面白くて、ブログやYouTubeでたくさん笑ったものだった。

本も何冊も執筆されているし、映画化もされていて今や有名人と言っても過言ではないだろう。

そんな歌ちゃんを僕は心の底から尊敬していて、今でも時々Twitterなどで呟きを見ることがある。

でも、先日見たTwitterでは、森奈津子という作家さんと激しいやり取りをしていた。

森奈津子というのは、LGBT理解増進法の国会審議の時に参考人として呼ばれた人で、国会でものすごいヘイトを撒き散らした。

その後のSNS上でもそのヘイトが衰えることはなく、歌ちゃんはその森奈津子とやり合っていた。

歌ちゃんは理路整然とそのヘイトがおかしいことを返すのだけど、森奈津子は感情的になり喚き散らすばかり。

それでもある日、歌ちゃんがそんなさまざまなやりとりに疲れてしまったようで、弱音を吐いているつぶやきを見つけてしまった。

僕はやるせない気持ちになって、いつも歌ちゃんの味方であることを歌ちゃんにつぶやいた。

僕が味方になったところで、歌ちゃんの辛さは何も救われないだろうけど、こうしてLGBTQを守るために日々闘ってくれている人たちを何とか応援したいと思う。

歌ちゃんは、LGBTQのすべての人たちへのヘイトにひび立ち向かってくれているのだ。僕にももっと何かできることはないかといつも思っている。

税理士さん

東京からゲイの税理士のWさんが宮古島にやってきてくれた。

打ち合わせを30分くらいして、晩ご飯にいく。

僕たちはWさんのパートナーや2人の関係、これからパートナーさんが始める新しい仕事のことなんかを聞く。

税理士も、別にストレートの人でも構わないと思う。

でも、僕たちはカミングアウトしてこの島で暮らし、何も隠すこともなくゲイの税理士さんにざっくばらんにお話しができる。

昔は仕事をしていく上で抱えていたであろうストレスが、今はほとんどなくなっていることに今更ながら気付かされた。

家族。

裁判の後、羽田から宮古島に飛び、美しい海と島が見えてきたのは19時近かった。

バゲージを取って空港の外に出ると、いつものように海が大喜びで飛び込んできた。

僕が帰ってきただけで尻尾がちぎれるくらい喜んでくれる海。

Kは笑って海を静止しようと試みるも、海のはしゃぎっぷりに笑っている。

家に帰り、猫の太陽をケージから出して撫でてあげる。

僕たちの家族は、この国では家族であると認められていない。

でも、誰が何と言おうと、僕たちは家族なのだ。

喜びを共にし、悲しみや苦しみを担い分かち合う。

家族がいることはそれだけで信じられないほど幸福なのだ。

東京高等裁判所での控訴審。

今日は、東京高等裁判所において控訴審が行われた。

当初僕たちは宿にお客さんの予約が入っていたので、今回の裁判は欠席するつもりでいた。

でも直前になってキャンセルになったので、僕だけ裁判に出席するためにやってきた。

原告の小川サント小野春さんの意見陳述が行われ、若い当事者の弁護士の代理人意見陳述が行われた。

その後、中川弁護士の意見陳述があったのだけど、深くにもまた泣いてしまった。

中川さんは大きな羽を広げて、僕たちを命懸けで守ってくれている親鳥のようだ。

裁判長はちゃんと話を聞いてくれそうな人だったのでとても安心した。

来年の3月には判決を言い渡したい用で、次回の期日は10月31日と決まった。

おそらくその日が控訴審のクライマックス。

万全の構えで裁判に臨みたい。

中川さんのスピーチは、CALL4のこちら→ https://www.call4.jp/file/pdf/202306/fb2cc8f3e80a4e9ad208e36426fc9ad6.pdf

マリフォー国会

今日は朝から衆議院第一会館に行き、「マリフォー国会」という院内集会が行われた。

与野党総菜40名を超える国会議員の方々が参加してくださり、スピーチも聞くことができた。

僕たちも一生懸命1分間にまとめたスピーチをした。

僕からは、LGBT理解増進法案の審議の際に、議員からもヘイトスピーチが溢れたことに触れた。

この国の若者の生命を守って欲しいと思う。

以下は僕のスピーチ。

東京原告の正です。16歳下のパートナーのかつは今日は参加できません。

この国のLGBTQは、割合からすると、およそ数100万人から1000万人以上いると言われています。

でも、多くのLGBTQは、大人になって好きな人が出来て、結婚したいと思っても、結婚することが出来ません。1,500以上あるという社会保障もないまま生きていかなければなりません。

生まれながらに誰もが持つ人権がないまま、たくさんの人がこの国で暮らしています。

差別やいじめを恐れながら、社会に認められない存在として生きるセクシュアルマイノリティは、自己肯定感を保つこと自体がとても困難だと思います。

2022年日本のLGBTQ 10代若者の調査では、約半数が自殺に思いめぐらせたことがあると回答し、14%が過去1年間に自殺未遂をしたと回答しています。その数はLGBTQ以外の6倍とも言われます。

国会議員のみなさん。

どうか、この国の若者の生命を守ってください。

先日の参議院で行われたLGBT理解増進法に関する質疑の中では、自民党の議員や招致された方々から、間違った知識によるヘイトスピーチが国会でばら撒かれました。
彼らのためにもLGBT『差別禁止法』が必要です。

自らコントロール出来ない性的指向や性自認による差別やいじめは許されません。それは、時間をかけて世界が勝ち取って来た答えです。

この先日本は、ロシアや中国のように、LGBTQの人たちを締め付ける国になるのでしょうか?

それとも、G7をはじめ世界35か国のように、自由と平等の国になるのでしょうか?

答えはすでに出ていると思います。

一日も早い結婚の平等と、LGBTQ『 差別禁止法』をお願いします。

LGBT理解増進法

ここ数日、LGBT理解増進法の法案がどうなるかということでSNSが荒れている。

ネトウヨによるものすごいデマやヘイトが拡散し、情報をよく調べたり客観的に考えられない人たちを味方につけて、トランスヘイトが蔓延している。

一番の問題は、トイレやお風呂で起きる痴漢や犯罪の問題と、トランス男性をイコールに扱おうとする巧みな情報操作だろう。個人の犯罪とセクシュアリティは全く別問題なのだけど、あまり物事を考えない人は、山谷えり子のような狂った意見に動かされてしまう。

国会前などで繰り広げられている結集会に行くことができないので、KとふたりYouTubeの中継を見ながらさまざまなことを考える。

元々は、いじめや差別で苦しんでいるLGBTのために、差別禁止法を作ってくださいとお願いしていた法案なのに、いつの間にか保守派の意見によって理解増進法などという訳のわからない名前になり、ついには、マジョリティに配慮しなければならないなどという文言が加えられた。

もはやこの法案など廃案になって欲しいと思うのだが、ここまで来ると今週中に一気に可決されるのだと思う。

我々には必ず勝ち取る結婚の平等という未来が見えているけど、これからもこの国でもこうしてバックラッシュが何度も訪れるのだろう。

今はみんなで肩を寄せ合いながら、やがて来る反撃の時を待ち構えていよう。

来週水曜日に行われる、「マリフォー国会」に僕だけ出席します。お時間のある方はぜひ応援にいらしてください。

⭐️マリフォー国会(6月21日11時から)https://www.marriageforall.jp/blog/20230614/

⭐️マリフォー国会観覧はこちらhttps://mfaj-diet-5th.peatix.com/view

大分からの小包。

Kの実家の大分から小包が届いた。

中を開けてみると、ひじきと海藻が見えて、その下には玉ねぎとじゃがいもが入っていた。

少し前にひじきを全部食べてしまい、こちらでひじきを買おうとしたところ、25gで450円食らいして「高いね・・・」と買うのを辞めたのだった。

それをKがお母さんに言ったようで、お母さんがひじきを探して送ってくれたのだ。

やさしいね。お母さん。

福岡地裁判決

僕たちが4年以上かけて争っている「結婚の自由をすべての人に」訴訟の九州地裁判決が出た。

朝から雨の降る中、福岡地裁に向かい、実際に裁判所で傍聴することができた。

判決は、「違憲判決」。

判決文要旨を聞く限り、東京判決の内容にかなり似ている印象だった。

裁判長はとても早口で、もしかしたら自分の判決文にあまり自信を持っていないのかな・・・?と思われた。

違憲判決であるけれども、原告の立場からしたら相当不満の残る内容だったので、裁判が終わった後も僕は立ったまま裁判長を睨みつけた。

一番頭に来ていることは、「結婚に準ずる別の制度を設けたらどうだろうか?」というニュアンスの話をされたこと。

差別をしている人は、自分が差別をしていることになかなか気づくことはない。

まだまだ僕たちの闘いは続いていく。

⭐️福岡地裁判決
要旨https://www.call4.jp/file/pdf/202306/5bef058192dc5422541becce2112426b.pdf
全文https://www.call4.jp/file/pdf/202306/7a1b21c592d40722088ce03244e73546.pdf

OUT IN JAPAN 撮影会

TRPの後に、表参道のX8Galleryにおいて、OUT IN JAPANの撮影会が行われた。

僕が東京に来た主な理由の一つがこの撮影会があったからで、久しぶりにレスリー・キーやスタッフの仲間たちに会えて楽しい時間を過ごすことができた。

撮影会にいらっしゃったのは20人余りで、一般公募したわけではなくこの時期にタイミングを合わせて来日してくださったアメリカ人のスポンサーであるエヴァンさん夫夫やアメリカの国会議員、日本の外資系企業の当事者などが参加した。

レスリーは今後、OUT IN JAPANをニューヨークに持っていって展覧会を行いたいと考えている。

同性婚も認められていない日本のセクシュアルマイノリティのカミングアウトプロジェクトが、これから先どこで更に人々に知られていくことになるのか、僕たちも楽しみにしているところ。

TOKYO RAINBOW PRIDE 2023

代々木公園に着くと、僕がデザインした東京レインボープライドのロゴが沢山掲げられていた。

今まで以上に沢山の人に溢れいったい何万人の人がいるのだろう?と思わせる。

公園のいたるところで手をつなぐカップルがいる。

男同士、女同士、そういった男女という括りでは言い表せないさまざまな人々。

パレードの後に遅い昼ごはんを食べようと明治神宮前駅に向かう。

駅が近づいて来ると手をつないでいたカップルも手を放しはじめる。

せめて今日くらいはつないだ手をそのままでいさせてあげたい。

いつかこんなこと誰もなんとも思わずに、好きな人が好きな人と手をつないで歩ける世の中がやってくる。

その日が一日でも早くなりますように。