伊勢神宮へ。

伊勢神宮でお参りするのは何年ぶりだろうか?

Kと二人、東京で一緒に暮らし始めてからは、毎年のように節分前に訪れていたのだけど、このところ行けずにいた。今回、志摩で泊まった後、平日の人気の少ない伊勢神宮へ。

旅行で一番困るのは、海をその間どうするか問題。ちょっとスーパーで買い物する時は、窓を少し開けて車に置いておくのだけど、これも犬嫌いの人が車の窓の隙間から犬が食べてはいけないようなものを入れることがあると聞いたことがあり、スーパーでもなるべく急いで出てくるようにしている。

今回、ネットでペットの預かり業者を調べたところ、伊勢神宮の内宮の真ん前に「わんぱく神社」https://ise-wanpaku.jpというものを見つけた。実際に海を連れていくと、係りの人はペットショップで働いていたようで犬の扱いにも慣れており頼もしかった。海のサイズの犬でも30分880円なので、2時間や3時間安心して預けておけるならばこんな場所はとてもありがたい。


古いお札を納めて伊勢神宮をお参りした後は横丁をぶらつき、久しぶりに二人で外食をした。

関西まで足を延ばすことはかなりの時間車の中で過ごすことになったけど、そんなことも含めて海にとってはいい経験になったと思う。今度はフェリーに乗ったり飛行機に乗って海と一緒に旅行をしたいと思っている。

旬香

奈良を後にした僕たちは、今度は三重県の志摩を目指した。

せっかく和歌山、奈良と関西に来たのだから、ついでに伊勢神宮に行ってお参りしてこようと思っていたのだ。

志摩では、ホテル「旬香」へ。このホテル、海がすぐそばにあり、人が犬に対してやさしくとても親切。おまけに晩ごはんも朝ごはんも申し分なくとても美味しかった。

お風呂も大浴場の他に家族風呂があって、家族風呂には犬も一緒に入ることができる。僕たちは海を連れてお風呂に入り、海の体もシャンプーで洗ってあげた。

朝起きて海辺を散歩すると、真っ青な海が広がっていた。


⭐️旬香http://www.hotel-shunka.jp

海の両親と兄弟に会いに。

海は、奈良で生まれた。

生まれて1ヶ月経った時に奈良のブリーダーの家に海を見に行き、2ヶ月経った時に我が家にやって来たのだった。それから4ヶ月が過ぎて、海も6ヶ月になり中学生くらいに成長した。

今回の関西への旅行は、Nの墓参りと海の里帰りが目的だった。2ヶ月も過ごした海にとっては実家のような家や両親を、海は覚えているのだろうか?

ブリーダーの家に着くと、すでに1頭海の兄弟犬のジャックが来ていた。ドッグランのようなスペースに海を放つと、ジャックは海と見分けがつかないくらいよく似ていた。

やがてそこに、マメというお父さんが登場した。マメは体高65センチもあるシルバーのスタンダードプードルで、海もマメのように大きkなってほしいと思うのだけど、海のこの頃の食欲のなさを見ているとここまでは大きくなれないだろう。

左から、ちゅら・海・マメ

マメは海を覚えていないのか、威嚇するように時々唸り声をあげ、そこら中におしっこをしてマウンティングし始めた。海はマメに喜んで近づくのだけど、マメは最後まで心を許さないまま。
右がお父さんのマメ

その後、海のお母さんであるアリスが放たれたのだけど、アリスは海に何度も吠えて怒っていた。「アリス、いつもこうなんですか?」とブリーダーに聞くと、「アリスは自分の子どもにだけ吠えるんですよ。他の犬には吠えたこと見たことないんです」と言っていた。
左から、海・ジャック・アリス(お母さん)

自分のおっぱいをあげて育てた子ども犬を、母犬はまだ覚えているのだろう。そして犬の社会の上下関係をしっかりと学ばせようとしているのだろう。

海は他のちゅらという若い雌犬と一緒になって楽しそうに駆け回って遊んでいたのだけど、ブリーダーさん曰く、海は天真爛漫で、とてもよく育っているとのことだった。

それに比べると、兄弟犬のジャックはおとなしく、他の犬を怖がっているようで椅子の上に座ったまま、決して他の犬に近づこうとはしなかった。ジャックは人間に対してとても人懐こく、やさしく、とてもかわいかった。ジャックに比べると、海はやんちゃで、他の犬を恐れることもなく自分からズンズン尻尾を振って近づいていく好奇心旺盛タイプだ。

ジャックのご家族とは、海やジャックを育てる中での困りごとや悩みなんかを共感しながら話すことができた。時々悩んだり、困ったこともあったけど、他の兄弟犬たちも同じような悩みを抱えていたのだ。

海は本当に楽しそうに走り回っていた。海の幸せそうな顔を見れただけで、遠路はるばる奈良まできてよかったと思えたのだった。

Nのお墓参り。

和歌山に来たのは、Nのお墓参りを兼ねてのことだった。

Nとは、僕が29歳から10年間つきあった人で、10年間で別れた後、数年後に病気で亡くなったのだった。

4月5日はNの命日。桜が咲く頃になるとNの太陽のような笑顔を思い出す。

昨年もKと一緒にお墓参りに来たのだけど、今年は海を連れてのお墓参りになった。

線香をあげて、墓前で両手を合わせる。

Nに完全に愛されていたこと。

Nを心の底から愛していたこと。

その記憶は薄れることなく、誰も奪うことはできない。

誰かを愛して、誰かに愛されていたという確かな記憶は、僕の生命をいつも温かく包んでくれている。

犬御殿

週末と月曜日を使って、関西旅行に行くことにした。大型犬を連れての旅行は自動車で移動せざるを得なくて、泊まれる宿も大型犬ならば限られてくる。先ずは、車で和歌山の白浜を目指す。朝、8時半に出て、何度かサービスエリアで休憩をしながら白浜の宿にようやく着いたのは午後5時だった。

幸い今回の宿「犬御殿」は、ホスピタリティに溢れドッグランも併設された犬には過ごしやすい空間。部屋の真ん前は海が見渡せて、白浜の青い海が広がっている。

和室を歩き回る海

今日の宿泊者には、僕たち以外にも30代40代くらいのゲイカップルがいて、ダックスフンドを2頭連れていた。ゲイカップルが犬を2頭連れていることが時々あるのだけど、これはなんでなのだろう?1頭だとかわいそうなので、2頭目をすぐに飼いたくなってしまうのだろうか?(僕たちももう1頭スタンプーを飼いたいと思っているのでその気持ちもわかる)

食事の後に隣のドッグランに海といたら、そのゲイカップルが来たのだけど、海がそのうちの1頭を「わーい!遊ぼう!遊ぼう!」と執拗に追い回してしまい、逃げ回っていたダックスは金網に激突して脚から血を流すという事故になってしまった。

海をドッグランで放している時に、「一緒に遊んでも大丈夫ですか?」と聞いたものの、「こんな事故になってしまうなんてどうしたらいいのか・・・」と散々謝ったのだけど、二人は「大丈夫です。お気になさらないでください」というやさしい対応だった。

僕たちは肉球が傷ついてしまったのかと心配していたのだけど、どうやら爪を痛めてしまったみたい。海が6ヶ月の子ども犬とはいえ、謝っても謝りきれなく本当に申し訳ないことをした。

それと、もう一つ失態があったのだけど、家ではベッドで一緒に寝ているので、今回も海に大して何もケアせずに一緒に寝ようとしていたところ、Kがお風呂に入っている隙に布団を敷いたところ、Kが帰って来たら急に嬉しくなって興奮したのか、いきなり羽毛布団の上でおしっこをしてしまった。

もうおしっこで失態はしないものと思っていたのだけど、考えてみたらまだ6ヶ月の子ども犬、念には念を入れてオムツをしておくべきだった。お布団のクリーニング代として4千円かかったけど、いい勉強代になった。

⭐️犬御殿https://inugoten.jp

海は、僕たちの子ども。

海が家に来て、4ヶ月が過ぎた。

毎日朝と午後に1時間程度の散歩に行き、ほとんどの時間、僕は海と一緒に過ごしている。

僕のセーターは4枚穴が開けられた。

和室の畳の上におしっこされ、ウンチをされたこともある。

しつけをしようとすると反抗されて、狂ったように甘噛みされて困ったこともある。

トイレに行くと着いてきて、ドアの前で伏せをして待っている。

外に出ると人や犬に興奮して、じっとしていられず僕たちの言葉も入らず手を焼かされる。

今までは、週末にはどこの美味しい料理を食べようかと思い悩んでいたのだけど、今ではどこに海を連れて行こうかとそればかり考えている。

毎月のように行っていた旅行も行けなくなり、外食もしなくなり、ほとんど家で過ごすようになった。

困ったことや大変だったことを数えるとキリがないくらいあるけど、それをしてでも海を家に迎え入れてよかったと心の底から思う。

海は人の従属物ではなく、家族なのだ。

ゲラニウム・ヒマライエンス

庭で水やりをしていたら、ゲラニウム・ヒマライエンスが咲き始めていた。

ゲラニウムでは「ジョンソンズブルー」が有名だけど、このヒマライエンスも透き通るような青紫で美しい。

園芸の喜びの一つは、こうやって昨日までなかった花が咲き出したことを不意に発見すること。

OUT IN JAPAN 第3弾ムービー。

始まってから今年で7年目を迎えるプロジェクト「OUT IN JAPAN」のムービーが完成した。

「OUT IN JAPAN」とは、LGBTQカミングアウト・フォト・プロジェクトであり、セクシュアルマイノリティが一人ひとり顔写真とともに実名・年齢・職業そして、カミングアウトにまつわるストーリーをHPに載せている。

このプロジェクトを手がけた時は、僕はまだゲイの世界のことしかほとんど知らなかったのだけど、2000人を超える多様なセクシュアリティの人々に会ってきたことで、自分とは違うセクシュアリティの人たちがこんなにもたくさんいるのだとわかったし、それぞれの悩みや苦労もたくさん知ることができた。

そして、僕にとっては一生涯忘れられない宝物のような経験となった。

ムービーの中には、僕もKもどこかに写っているので、ぜひご覧ください!

竹の子と山椒。

家のまん前に竹林があって、そこでイノシシが出ているようだ。

というのも僕はまだ見ていないけど、斜め前の家に住んでいるおじさんが教えてくれたのだ。

このところおじさんは時々真剣な顔をして竹林を覗き込んでいた。

先日散歩から帰ってきたら、今度はおばさんが竹林を見ていたので、「イノシシですか?」と声をかけたら、「ああ、ここで採れた竹の子を昨日茹でたからあげるわね!」と言って、茹でてアク抜きを済ませた竹の子を家から持ってきてくださった。

どうやらおじさんは竹の子がどこから生えてきそうなのか見ていたのだった。

竹の子には、木の芽(山椒)。

これは切っても切れない夫婦のようなものだ。先日、斜め向かいの山から採ってきた山椒を使って竹の子ご飯を炊いたのだけど、よくよく探したら家の隣の山からも大きな山椒の木がせり出していた。今回は向かいの山の竹の子と隣の山の山椒だ。

同じ時期にちょうど旬を迎える食材を食べる。

なんて幸福なことだろうか。

若竹煮・銀鱈の西京漬・ウドと人参のきんぴら・ふきの煮物・とう菜・豆腐・トマト・白米

チューリップ

年末に届いて慌てて植えたチューリップが、今を盛りと咲きまくっている。

今年は夜から朝と昼の気温の差があるため、比較的長く咲いているようだ。


いつものように、大きな鉢にチューリップの球根をたくさん植えて、その上にパンジーやカレンデュラやヒューケラなんかを植えておいたのだけど、今や溢れるばかりに豪華に咲き乱れている。

先日、庭の下でおばさん二人の声がしたので窓を開けて見ると、「綺麗なお花ねえ・・・チューリップが賑やかね・・・」と声をかけられた。

そんな人がいるだけでも、チューリップを頑張ってたくさん植えた甲斐があったと思ったのだった。