家のまん前に竹林があって、そこでイノシシが出ているようだ。
というのも僕はまだ見ていないけど、斜め前の家に住んでいるおじさんが教えてくれたのだ。
このところおじさんは時々真剣な顔をして竹林を覗き込んでいた。
先日散歩から帰ってきたら、今度はおばさんが竹林を見ていたので、「イノシシですか?」と声をかけたら、「ああ、ここで採れた竹の子を昨日茹でたからあげるわね!」と言って、茹でてアク抜きを済ませた竹の子を家から持ってきてくださった。
どうやらおじさんは竹の子がどこから生えてきそうなのか見ていたのだった。
竹の子には、木の芽(山椒)。
これは切っても切れない夫婦のようなものだ。先日、斜め向かいの山から採ってきた山椒を使って竹の子ご飯を炊いたのだけど、よくよく探したら家の隣の山からも大きな山椒の木がせり出していた。今回は向かいの山の竹の子と隣の山の山椒だ。
同じ時期にちょうど旬を迎える食材を食べる。
なんて幸福なことだろうか。