猫の飼い方。

猫を飼ったことがなかったから、太陽が家にやってきた時にどう接していいのかわからなかった。

言うことを聞かないし、ソファや椅子で爪研ぎをするし、ご飯にはがっつくし、犬と比べると全く違う生き物というか、家に野生のピューマがやってきたような感覚だった。

ネットで猫の情報を集めて、僕は必要以上に猫にかまわないように接することにした。

自分の近くに寄ってきたら、撫でてあげる。

噛んだらそれはダメだと注意する。爪研ぎをして欲しくない場所でしたら、しても良い場所に連れていく。しょっちゅう名前を呼んだりして好意を見せる。

太陽が来てから2ヶ月が過ぎたのだけど、この頃太陽が随分と懐いてきたように思う。

「太陽!」「たい!」と声をかけると「ミャー!」と答える。

ソファや椅子に座っていると、時々自分からやってきては、膝の上に乗ったり、横に体をくっつけてきて安心して眠る。ベッドでは枕に体を乗せてきて顔を僕に擦り付けてくる。

猫は人に懐かないと思い込んでいたけど、そうではなかったみたい。

猫は犬とは違ったコミュニケーションの仕方なのだった。

2ヶ月が過ぎて、少しずつ自分なりに猫との接し方がわかってきた気がする。

動物と一緒に暮らすということは、本当に楽しい体験だと思える。

太陽のお腹の中の虫。

捨て猫の太陽が家にやって来て、病院に連れて行ったらお腹の中に虫がいて一度退治したのだけど、もう一つ別の種類がいてある日お尻から紐状になって出て来たことはここに書いた。

その虫が注射を打っても一度では退治できず、もう一度注射を打ったのだった。それから2週間、もう一度病院に便を持って行き検査をしてもらう。
病院から電話がかかって来て検査結果は虫がいなくなっていたとのこと。

動物病院は保険に入ってなかったらすべて自腹になってしまうし結構高い。たとえば、一回の注射で6000円とかかかってしまうのだけど、病気の時はきちんと診療を受けて、去勢手術も受けさせるつもり。

家に来た時は1.6キロだった体重が、なんと3キロになっていた。

少しずつ成長して大人になっていくようでうれしい。

猫の音。

太陽はそばにいると、何やら不思議な音がしているのだ。

それは、喉の奥でゴロゴロゴロゴロと何か転がしているような音。

病気なのではないか?と動物病院に聞いてみると、ゴロゴロいうのは猫特有の音でリラックスしている時にならず音なので問題ないとのこと。

猫ってほんと、わからないことだらけ。

きしめんのような虫。

先日、太陽がケージの中でもそもそしていたのでKが中を見ると、叫び声がした。

「何かお尻から出てる!」

びっくりして近くに行って見ると、太陽のお尻から紐ようなものが30センチくらい垂れ下がっていた。

「何これ?気持ち悪い!取れないの?」

「ちょっと待って病院に聞いてみるから…」

僕は慌てて動物病院に電話をかけてどうしたらいいのか聞いてみた。

「え?虫ですか?でもこないだ虫はもういないって言われたのに…あ!無理に引っ張っちゃダメなんですか?」

どうやら太陽のお腹にいたのはカエルや蛇を媒介にして感染る虫はのようでマンソンというらしい。きしめんのように紐状で、薬ではなく注射で退治しなければならないとのこと。

そのまま紐は無理に取らないようにしておき、動物病院に連れて行った。

動物を飼うということは、こんなびっくりするような怖いこともあるのだ。

犬猫の仲

犬と猫は、犬猿の仲ならぬ犬猫の仲で敵対する動物だと思っていた。

でも、うちの庭に捨てられていた猫(太陽)が来てから、海と太陽の関係を見ていると、ただの敵対する関係でもなさそうなのだ。

海は太陽の頭をすっぽりと包み込むように甘噛みをする。それからなんとか逃れようと、太陽は逃げ回りつつ果敢に海に向かっていきひげに襲い掛かる。

でも見ていると本気の喧嘩ではなくて、どちらも手加減しながらじゃれ合っているようなのだ。

家の中をトムとジェリーのように全速力で追いかけ回すこともしょっちゅうなのだけど、ふと静かになったなと思って探すと、2人で身体を寄せ合って寝ていたりする。

そんな海と太陽を見ていると、僕たちはこの家族に言いようのない幸福を感じるのだ。

猫グッズ。

太陽をリビングに放つと椅子に張ってある座面のペーパーコードを爪で引っ掻きはじめた。

「引っ掻いちゃダメ!」と注意すると止めるけど、すぐにまた引っ掻いてしまう。猫は犬と違って躾がしにくい動物であるのと、爪で引っ掻くのは本能的なものだ。

このままでは家中の家具が傷だらけになってしまうと思い、慌てて爪研ぎ用のポールを購入した。

YouTube を見ると、爪研ぎ用のポールは直径20センチのものが安定感があって良いとのことなので、買ってみたものの、届いて組み立てたらその大きさに笑ってしまった。

太陽が来てからずっと夜寝る時にはケージに入れていた。そのケージは海がまだ小さかった頃に使っていたケージ。

でも猫は犬と違って上下の運動を好むようで、YouTube を見ていたら猫用には2階建てや3階建てのケージがあり、2階建てケージが使いやすそうなので購入した。

こうして着々と我が家に猫グッズが幅をきかせはじめている。

宿敵か、友達か。

太陽が家にやってきて3週間以上過ぎた。

家に猫を迎えるにあたり、はじめに心配したのは海と一緒に暮らすことが出来るのか?ということだった。

海を散歩している時に猫を見つけると、必ず興奮して猫を追いかけようとするくらいだから、海は猫をターゲットのように思っているに違いないと考えていたのだ。

でも実際に家の中で海を太陽に近づけてみたところ、噛み付くとかは一切なく、後頭部や頭を甘噛みしたがるのだった。

太陽が逃げ出すと走って追いかけ回して追いかけっこがはじまる。

太陽は身体が小さいので細い隙間にも隠れてしまうし俊敏なのであっという間にどこかに隠れてしまう。

太陽もはじめは海のしつこさを嫌がっていたのだけど、今となっては太陽の方からちょっかいを出しにいくくらいで、時々海の尻尾に絡みついたりして遊んでいる。

犬と猫、多分言葉は全く通じないと思っていたのだけど、仲良く同じ空間で共存出来るようになって来ていて本当に不思議に感じているところ。

猫のうんち・犬のうんち

猫を飼うにあたり、一番気になっていたのは猫のうんちの臭いだった。

以前大阪のゲイバー 「サルーテ」が向かいの建物の1階にあった頃、野良猫が辺り中におしっこや糞をしていたせいで酷い臭いがしていたのを覚えている。

猫のうんちの臭いは独特で、「これ、何の臭い?」と思うくらい鼻につくような物凄い臭いだ。
それに比べて犬のうんちは、人間のうんちの臭いに似ているせいか、「いわゆるうんちの臭い」と感じられる。

フードの問題なのかもしれないけど、この猫のうんちの臭いをどうしたものか。

太陽が来て最初は即席のトイレに猫砂を敷いてその中でトイレを済ませていたのだけど、おしっこはともかくやはりうんちの臭いは強烈で、するとすぐにわかるものだ。ビニール袋で砂ごと拾い上げてなるべく早く家の外に持ち運ぶ。

今はシステムトイレというものを使っていて、そのせいかだいぶ臭わないように思えるけど、やはりうんちの時はすぐに取るに限る。

太陽が来てそろそろ3週間になるけど、この猫のうんちの臭いにだけは慣れることは出来ないのだ。