漲水御嶽

漲水(はりみず)御嶽は、宮古島を作ったといわれる宮古島の聖地。

僕たちはことあるごとにここにお参りしている。

まだ旅行者だった頃は、「宮古島に来られてありがとうございます。無事に過ごせますように」「また宮古島に帰って来られますように」

昨年家探しをしている時にはなかなかいい物件が見つからず、いい物件があってもタイミングで逃してしまったりして決まらず、「どうかふたりで暮らす素敵な家が見つかりますように」とお参りしたものだ。

今は、「Kと海と太陽と幸せな毎日をありがとうございます」と話している。

猫の音。

太陽はそばにいると、何やら不思議な音がしているのだ。

それは、喉の奥でゴロゴロゴロゴロと何か転がしているような音。

病気なのではないか?と動物病院に聞いてみると、ゴロゴロいうのは猫特有の音でリラックスしている時にならず音なので問題ないとのこと。

猫ってほんと、わからないことだらけ。

ペンキ塗りは続く。

いつまでペンキ塗りをし続けるのだろう?

と思いながら数ヶ月が過ぎた。雨が降ると出来ないので予定通りに進まないのがペンキ塗りの難しいところ。

高い屋根などに登ったり、3メートルくらいの梯子で塗るのはKの役目、低い場所や細かな手すりなどを塗るのは僕の役目。

ペンキの塗り方も全然違うふたりが、なんとかケンカもせずに協働作業を続けている。

そしてようやくペンキ塗りは残すところあと1/4くらいになった。

白く塗り替えられて行く家を見ていると、ほんとうにうれしいものだ。

太陽光発電。

僕たちの家には太陽光発電がついている。

4つほどメーターが車庫にあるのだけど、そのうちの1つが雨の後についていないような気がして、点検に来てもらった。

チェックしてもらうと、つけてからだいぶ時間が経っているので少しずつ老朽化していると思うのだけど、今のところ問題なさそうとのこと。

太陽光は、20年くらいするとパネルがダメになるので使えなくなり廃棄にも付け替えにもお金がかかると聞いていた。

「性能が悪くなったらパネルは変えれば大丈夫ですから」

それが無償でやってもらえるとは思えないけど、それを聞いてほんの少し安心したのだ。

太陽光は晴れの多い月では10万円くらい副収入のように入金がある。設置の代金も払っていないので得した気分になるのだ。

きしめんのような虫。

先日、太陽がケージの中でもそもそしていたのでKが中を見ると、叫び声がした。

「何かお尻から出てる!」

びっくりして近くに行って見ると、太陽のお尻から紐ようなものが30センチくらい垂れ下がっていた。

「何これ?気持ち悪い!取れないの?」

「ちょっと待って病院に聞いてみるから…」

僕は慌てて動物病院に電話をかけてどうしたらいいのか聞いてみた。

「え?虫ですか?でもこないだ虫はもういないって言われたのに…あ!無理に引っ張っちゃダメなんですか?」

どうやら太陽のお腹にいたのはカエルや蛇を媒介にして感染る虫はのようでマンソンというらしい。きしめんのように紐状で、薬ではなく注射で退治しなければならないとのこと。

そのまま紐は無理に取らないようにしておき、動物病院に連れて行った。

動物を飼うということは、こんなびっくりするような怖いこともあるのだ。

雨の宮古島旅行。

10月末に宮古島に来島し我が家に宿泊する予定だった友人カップルは、台風が来そうというので旅行をキャンセルしてしまった。

「せっかく宮古島に行くのに、台風のせいでずっと雨というのはね…」

その気持ちはわかる。でも驚いたのは、ANAのキャンセル代が6万円だったこと。

僕「何もしないで6万円払うんだったら、俺だったら間違いなく雨の旅行を選ぶけどな…」

K「うん」

晴れたら驚くように美しい青い海や空も、曇りや雨ではその魅力はゼロになってしまう。

でも、雨ならではの旅行もそれはそれで体験になるのではないかと僕は思っているのだ。

雨だったらまた次回晴れの宮古島に戻って来ようと思えれば気が楽ではないか。

秋には宿根草を。

百日草や千日紅などの1年草は、その年の冬には枯れてなくなってしまうのだけど、毎年生き続けて春になると芽を出し大きく茂っていく宿根草は、庭の骨格になる植物だ。

宿根草は出回る時期に苗を植えても、きちんと根付かなければ苗のまま真夏の日照りで枯れてしまったり、梅雨の時期に枯れてしまったりするものだ。

僕のおすすめは、秋から冬にかけて宿根草を植えてきちんと根付かせておくこと。

たとえ花は終わっていたとしても、来年の春や夏を夢見てこの時期に植えると、うまく根づけばどんどん根を張っていき、春にかけて立派な株に成長し強くたくましく花を咲かせてくれる。

園芸家はその場しのぎの植物を植えるのではなく、いつも半年先一年先のことを考えて苗を植えているのだ。

犬猫の仲

犬と猫は、犬猿の仲ならぬ犬猫の仲で敵対する動物だと思っていた。

でも、うちの庭に捨てられていた猫(太陽)が来てから、海と太陽の関係を見ていると、ただの敵対する関係でもなさそうなのだ。

海は太陽の頭をすっぽりと包み込むように甘噛みをする。それからなんとか逃れようと、太陽は逃げ回りつつ果敢に海に向かっていきひげに襲い掛かる。

でも見ていると本気の喧嘩ではなくて、どちらも手加減しながらじゃれ合っているようなのだ。

家の中をトムとジェリーのように全速力で追いかけ回すこともしょっちゅうなのだけど、ふと静かになったなと思って探すと、2人で身体を寄せ合って寝ていたりする。

そんな海と太陽を見ていると、僕たちはこの家族に言いようのない幸福を感じるのだ。

若い夫婦。

友人の知り合いの若い男女カップルが宮古島に遊びに来た。

2人はウエディングフォトを宮古島で撮影するつもりでカメラマンや衣装など手配をしていたのだけど、生憎の天気の悪さで撮影は延期せざるを得なくなってしまった。

せっかく宮古島に来たのに、4泊する間の天気はどうやらほとんど雨か曇りの予報なのだ。

そこで、「雨の宮古島で何をしたらいいですかね?」と連絡が来たので、とりあえず家においでと誘ったところすぐに車でやってきた。

2人は動物好きのようで、海と太陽がいるのでとても楽しそうだった。

「天気が良い宮古島を想像してばかりいたらせっかくの旅行も全部台無しになっちゃうと思うから、こうなったら雨の宮古島を楽しむと思い直した方がいいよ」

「雨の宮古島?」

「うん。雨だから出来ることもあるし、普段なら行けないところもあると思うから。それに、海の中は雨なんて関係ないから、シュノーケリングやダイビングをやるのもいいと思うよ」

そんな話をしながら一緒に雨の宮古島を楽しめそうなサイトを見ていると、2人の顔がどんどん明るくなって来た。

結局4時間くらい家にいただろうか?帰りがけの2人はとても清々しい顔をしていた。

サシバ

ある日、甲高い鳴き声がするので見上げると、空を高く飛ぶ鷹のような鳥がいた。

この時期、南の島へ渡る前にやってくる「サシバ」だ。

うちの太陽を時々庭に放ち自由に遊びまわらせているのだけど、サシバのいるこの時期は十分に注意しなければと思う。

空から飛来する猛禽類に、小さな猫は抗えないだろうから。