2 Colori

バーニャカウダ

牛タンのボロネーゼ

2 coloriは、イタリア語で2色という意味だろうか。
神宮前三丁目のワタリウムの前を、熊野神社に抜ける道に入ってすぐ左側に出来たイタリアンは、かれこれ3年くらい経つそうだけど、なかなか訪れる機会がなく、やっとランチで入ることが出来た。
小さな入り口から階段を降りて行くと、25人くらい座れそうな隠れ家的なお店がある。この場所は昔、『青海』という和食屋さんだったのだけど、その後店が変わり、なかなか長続きせずに潰れていた場所だ。
『2 colori』の成功は、お肉屋さんを挟んで隣に2店舗目のワインを気軽に飲める店のオープンでも知っていた。それでいてなかなか店に入らなかったのは、僕自身がイタリアンにはかなり厳しいので、美味しくなかった時にとても残念な気分になるから。
千円でパスタ5種類の中から選ぶことが出来るランチは、周囲の会社の人たちにも人気なのか、男女問わず満席のように混んでいた。
パスタの前に蒸し野菜のバーニャカウダ的なものが運ばれてくる。これはニンニク臭くなく安心した。このバーニャカウダが、レタスの適当なグリーンサラダなんかよりもずっといいと思った。
牛タンのボロネーゼは、酸味が効いているため重た過ぎず食べやすい味だ。甘くなくて安心した(日本でこの手のミートソースを頼むと、砂糖が入っていることが多い)。
スパゲティも、茹で加減もいい感じで、お客さんがまた来ようと思えるのがわかる気がした。
軽く美味しいパスタを食べたいな…
なんて時に、この店を利用するのはいいかもしれない。
大袈裟な食事のコースになってしまうイタリアンが多い中、気軽に入れて、好きなものを頼めて、値段が手頃な設定なのもありがたい。今度は夜に友人と来たいな。
★トラットリア ドゥエ・コローリ
03-6434-5226
東京都渋谷区神宮前3-41-2 岡本ビル B1F
http://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13147345/

パンセクシュアルって知ってますか?

今回、『OUT IN JAPAN #003 in OSAKA』の撮影で何気に多く見られたセクシュアリティは、『パンセクシュアル』だった。
『パンセクシュアル』とは、男女の性別にこだわらず、いろいろなセクシュアリティに恋愛感情を抱いたり、性的欲求を抱く人のこと。(ちなみに『バイセクシュアル』は、男か女という二極のどちらもという意味なので、パンセクシュアルとは違う)
マイリーサイラスがパンセクシュアルを公言してから、若い世代にはかなり広まった言葉のようだが、僕も最近までパンセクシュアルの人を知らなかった。
セクシュアルマイノリティのことを知り出すと、その新たな多様性に気づき出し、どんどん新たな驚きが増えてくる。
『Xジェンダー』というのも、最近グッと身の回りに増えて来ているのだけど、Xジェンダーとは、男女という二者択一ではない性自認を持つ人。無性(男女いずれでもない)、両性(男女いずれでもある)、中性(男女の間、中間)がある。
様々なセクシュアリティの人たちに会って話していると、もしかしたらこの世界は、パンセクシュアルやXジェンダーの人たちは、自分が認識していないだけでもっともっと沢山いるのではないかとさえ思えてくる。
僕たちが小さな頃から勝手に教え込まれ、信じて疑わなかった、『男と女』というふたつの性別で全てをカテゴライズすること。そのこと自体が、どうやらおかしなことだったのだと、これから世界が気づいていく過程にあるのかもしれない。

関西レインボーパレード

大阪のパレードに参加するのは、昨年に続き2度目になる。
会場は堂山の近くの扇町公園。この日、パレードには900人を越える人々が集まった。
大阪のパレードを歩いていつも感じるのは、沿道の無関心さだ。東京と同じくデモ行進として申請されているので一車線を使って3人横並びに歩くのだけど、周りの人たちからしたらいったい何の団体なのかわからないというのが本音だろう。
パレードの運営側は、自分たちが何のために歩いているのかを、見ただけでわかるように、音で聞いたらわかるように、周りにいかに伝えていくのかということを考える必要があるだろう。
僕たちの周りは、オナベ軍団(FtM)が取り囲み、前にはMtFの人たちに挟まれて歩き続けた。
ここにこうして集まった一人一人を見ていると、セクシュアルマイノリティといった言葉でさえ一括りに出来ないくらいそれぞれが違っていて、なんとなく笑ってしまうくらい変わっているように見えるのだ。
男と女、その2つの中に収まりきらない多様な人たちに囲まれながら、なんだかみんな笑ってしまうようなおかしい雰囲気だけど、その中にいるのはなんとも居心地がいいと感じることが出来る。
僕たちの少し前を、高校生の女の子たちが先生と歩いていた。先生は教育の現場で、セクシュアルマイノリティのことをきちんと教えているそうだ。
日本も少しずつ、変わっていってますね。

ポリアモリーって知ってますか?『OUT IN JAPAN #003 in OSAKA』

朝の8時からスタッフはスタジオに入り、夜の10時半までぶっ通しで撮影が行われた。総勢120名のセクシュアルマイノリティーの方々が撮影のために集まってくださったのだ。
今回、改めてセクシュアリティの多様さに驚かされてばかりいた。
来てくださった方の中に、メガネをかけた色白のストレートの男性がいて、彼には家に二人の女性の恋人がいるということ。
彼は二人の女性と関係を持ち、愛し合っていて、尚且つ二人の女性同士も仲が良く、その全てを認めている関係なのだそうだ。
そのような、一夫一妻制ではない一人の人が複数の人と恋愛を楽しむことを、ポリアモリーというそうだ。
聞いていると、不倫と何が違うんだろう?と思うけど、すべての人が関係を了承しているというところが違うようだ。世界には、一夫多妻制の国も沢山存在しているのだから、セクシュアリティに関しても何が絶対的に正しいなどということはないのだろう。
それにしても驚いたな…。家で二人の彼女とご飯なんかを彼は普通に食べたりしているのだろう。
不思議ですね…。
★ポリアモリー(英: polyamory)とは、つきあう相手、親密な関係を同時期に、一人だけに限定しない可能性に開かれていて、全ての関係者が全ての状況を知る選択が可能であり、全員がすべての関係に合意している、という考え方に基づく行為、ライフスタイル、または恋愛関係のことである。

東京と地方の格差。

『OUT IN JAPAN』の大阪撮影のために夜から大阪入りをした。
先月、大阪での撮影が決まった後に、僕は一度大阪のゲイバーを何軒か訪れて、『OUT I N JAPAN』のパンフレットを置かせてもらっていたのだけど、その後数名の方から応募があり、撮影へと繋がったのだった。
今回僕は、あるゲイバーのマスターに、出てもらえないかと交渉をしていた。
そして、ひとりは出演してくれることになったのだけど、もう一人のマスターからは、やはりカミングアウトすることは難しいと聞いていたのだけど、撮影を前にもう一度直接そのバーに行ってお願いしてみることに。
マスター「いやあ、僕は堂山で店をやっていても、実家や親戚にはただの飲食店をやっているとしか言ってないんですよ。やっぱりゲイバーとは言えなくて…」
マスター「それに、甥っ子たちにはどうしても知られたくないんです…東京と大阪では、やっぱり状況が全然違うんですよ」
これは最近、LGBTの話題の中でも様々なところで耳にする言葉だ。
「東京のキラキラLGBTと地方のLGBTたちとの差が大き過ぎる」
今年のようにLGBTという言葉が、これほどこの国で話題に登ったのは、はじめてのことだろう。
勢いが強ければ強いほど、今までは目に見えにくかった問題も様々なところで表に浮き上がってきたように思える。
セクシュアルマイノリティーにとってより暮らしやすい世の中になるために、自分たちが出来ることを身近なところで少しずつ自らやっていくほかはないのだ。

台湾から、E&Rカップルがやってきた。

Eは43歳、Rは36歳、仲良しの台湾人カップルが来日したので、妹のGや弟のFと一緒にイロドリでご飯を食べた。
ふたりのことは前にもここに書いたのだけど、彼らは結局1年間新宿にマンションを借りることにしたようで、しょっちゅう日本に遊びに来るようになった。
彼らは『台湾パレード』での、日本人と台湾人の架け橋のような役目もしてくれていて、日台交流のパーティーや観光ツアーも企画してくれている。
僕自身は今まで、6回くらい連続で台湾パレードに参加していたので、もうそろそろいいかなと思い、今年は台湾には行かないつもりでいた。
でも話をしているうちにふたりが熱心に誘ってくるのと、GやFが一緒に行きましょうと騒ぐのと、イロドリスタッフも台湾に行くというので、急に台湾に行こうかどうしようかぐらぐら迷いはじめることに・・・。
今回ふたりは、この週末東京でゆっくりと滞在するだけのつもりだったのだけど、僕たちが『OUT IN JAPAN』の撮影と『関西パレード』のために大阪に行くことを知り、一緒に大阪にも行こうかなあ・・・という話にまでなってしまった。
隣のテーブルでは、『OUTIN JAPAN ♯002』で撮影に参加した人たちがFacebookで自然に繋がり、楽しそうに会話をしていて、しばらくすると、近くの出版社の編集長やドラァグのEまでがゆるやかにイロドリに集まって来た。
イロドリで、人と人が偶然のようにどんどん繋がってゆく様子を目の当たりにしながら、「本当にこの場所を作ってよかったなあ・・・」としみじみと思える夜だった。
★E&Rカップルhttp://jingumae.petit.cc/banana/2356594
辛い料理など、秋の新メニューが続々追加されました!
★irodorihttp://irodori-newcanvas.com

気になるお店。

千駄ヶ谷小学校下から、北参道の駅に向かう道の途中に、とても気になる店がある。
正確に言うと、気になるマンションの一室とでも言おうか。
外から見えるのは、明るくて綺麗なキッチンだけで、いつも、二人の若い男の人が、何か料理を作っているのだ。
そして、僕が気になるのは、彼らがいつもとても楽しそうに料理を作っているように見えるから。
客席が見えるわけでもなく、看板が出ているわけでもない。周りを見回しても、レストランが隣にあるわけではなく、かといって仕出しを作っているような、切羽詰まった感じもないのだ。
先日店の前を通ったら、珍しく三人の若い男の人が料理を作っているのが見えた。
見ていると、メガネをかけた男の人が、楽しそうに話しながら、ふと左手の甲にソースのようなものを載せてペロリと味見をした。
楽しそうな顔が、ほんの一瞬だけマジになったのを見て、思わずグッときた。
看板も何もないので、いきなり「ここはどんな店なんですか?」と聞くこともできず、おじさんはひとり、想像をたくましくしている…。

A-LAND

二丁目で、僕の行く店は本当に限られている。ぺんぺん草、タックス・ノット(正確には三丁目)、そしてBridgeだけだ。それ以外の店にはほとんど行くことはない。
どの店も僕にとってはたいせつなお店なのだけど、どこも馴染みのお客さんが僕と一緒に年をとってきていて、ほっとする安心感はあるものの、イマイチ新鮮味には欠けるのだ。
時々は、ちょっとドキドキしたいじゃないですか?
そんなある日、ムーンが、「とてもいい店があるから、行ってみない?」
と言うので行ってみたら、二丁目にしてはちょっとびっくりするくらい広くて、若い子ちゃんが沢山いて驚いた。
場所は、二丁目の仲通りの真ん中の交差点に第七天香ビルがある。店はそのビルの後ろ側のビルで、外国人で賑わっているAiiRO CAFEの隣のビルと言えばわかりやすいだろうか。
エレベーターがちょっと不安になるくらい小さくて古い感じなのだが、店はスッキリとしていて九州男に近いくらい大きい。
ワインもちゃんと美味しいものがあるのもうれしいし、週末に行くのがちょっと楽しみなお店なのです。
★A-LANDhttps://mobile.twitter.com/a_land0612

パートナーがいるということ。

晴天に恵まれた日曜日、朝起きてにゅうめんと出汁巻玉子を作って食べたあと、Kと一緒に歩いて新宿御苑に向かった。
新宿御苑は、実は千駄ヶ谷駅の近くの千駄ヶ谷門から入るととても空いている。
芝生には家族連れやデートや友人同士が連れ立ってピクニックをしていた。
「この木は大きいねえ…樹齢どれくらいなんだろ?」
「こないだ来た時は八重桜が咲いていたね…」
「あ、スッポンがいる!」
何もイベントなどなく、買い物や、贅沢などしなくても、こうして晴れた日に、公園をふたりで歩いているだけで、心は膨らみ満たされているのがわかる。
たとえどんなに外が嵐のように吹きすさんでいようとも、凍えるように寒かったとしても、世界中が皆敵だらけに思えたとしても、パートナーがいれば大丈夫。

鳥はな

絶品の鶏皮

ほわほわのつくね

花園神社の横を過ぎた辺り、明治通り沿いに薄汚れた焼き鳥屋『鳥はな』がある。
大将は、人生で色々なことを経験してきたんだろうなぁ…と思うような眼光の鋭い人。熊本出身らしい。そして、この大将にこの奥さんという感じのご夫婦でやっている。(見かけは一瞬怖いけど、とても感じのいいおふたり)
何を頼んでいいのかわからないので8本のコースを頼むと、一つ一つ丁寧に焼かれた鳥が出てくる。
中でも絶品は、皮。これは、他の焼き鳥屋さんでは味わったことのない驚くような美味しさ。普通の店ではありえないくらい煙が出るので、こんな皮はうちだけだよと大将は言っていた。
それと、つくねがほんわりと柔らかく美味しかった。
多分、こういう焼き鳥屋さんって、大阪なんかには沢山あるんだろうなあと思うけど、東京ではなかなか見当たらない。なんというか、店と屋台の中間の感じとでも言おうか。
創業30年を過ぎていて、場所柄歌舞伎町にいるような不思議なお客さんも次々に来店していた。
★鳥はな
03-3232-0947
東京都新宿区新宿5丁目18-18
http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13058653/