球根の植えつけ。

先ずはチューリップを。

土を被せて水仙を。

また土を被せてビオラを。

いつもは11月に植えるのだけど、今年は東京に週末いないことも多く、暖かい午前中にやっと植え付けることが出来た。
大きな鉢に6分めくらい土を入れて、先ずはチューリップの球根を配色を考えて並べる。
その上に、鉢の上から10センチくらいまで土をかけて、ムスカリやフリチラリアや水仙など、背丈の少し低い球根を置く。
その上に土を覆いかけて、ビオラなどの花を植えて、水をたっぷりあげたら完成。
これは、『ダブルデッカー』という植え方で、ビオラの花を眺めている内に、早春のムスカリや水仙が顔を出し、その後を追いかけるようにチューリップが伸びてきて一斉に花開くので、長期に渡って花々を楽しむことが出来る。
ベランダの落ち葉の掃除をして、球根を植えたら、やっと春を迎える支度が整った。
毎年毎年、球根を植えながら、この世界や宇宙のことを考える。
なぜこんなに小さな球根から、美しい花が開くのだろうかと。

novello

オリーブオイルの、初搾りが出回る季節になった。
オリーブオイルは、非加熱であり、オリーブの実を絞ったオイル。
この時期出回る初搾りのオリーブオイルを、サラダやスパゲティの仕上がりに回しかけてみて欲しい。新鮮なオリーブの果汁を感じることができる。
オリーブオイルは、光に弱いので、暗い場所に保管するか、アルミホイルで包んでおくこと。
酸化もするので、小さいものを買い求めて、1ヶ月くらいで使い切るのが理想だけど、3ヶ月くらいは大丈夫だと思う。
★伊勢丹でテイスティングしながら買い求めたトスカーナのオリーブオイル。トスカーナのオイルは渋みもあり、濃い味。

太陽のお皿。

イタリアにカプリ島という観光名所がある。
有名な青の洞窟というスポットがあり、ナポリよりも南に位置するアマルフィ海岸一帯は、太陽がさんさんと降り注ぐため、リモンチェッロなどでも有名な場所だ。
カプリ島は、かなり観光客が多いので、一度行けばいいかなと思うのだけど、アマルフィ海岸には魅力的な街が多い。
中でも、ポジターノという街は、遠く離れた今でも、断崖のホテルで過ごした甘い数日を夢のように思い出さずにはいられない。
観光をしていて魅力的なお皿や陶器に出会うこともあるけど、陶器は、重さがあるのと、壊れやすく運ぶことが困難なため、イタリアなどに行って欲しくなっても買わずに帰ることが多い。
先日、夜中にいつもの食材屋さんから送られて来るメールを見ていて、カプリ島のお皿を見つけて、思わず懐かしくなりポチッと押してしまった。
そういえばアリタリアで昔、オリーブのまな板を機内に持ち込もうとしたところ、「これは凶器になるので持込めません」と言われ、取り上げられたことがある。
まな板で襲いかかる人を想像出来るだろうか…恐ろしすぎる…笑
この、太陽をぎゅっと閉じ込めたようなお皿で、カプレーゼや、トマトソースのシンプルなパスタを食べると、まるでイタリアにいるように感じるかもしれない。
ああ、来年こそは、我が愛しのイタリアへ帰らねば…。

スマートサイジング You Can Buy Happines (and it’s Cheap)

彼らのタイニイハウス

流行の服を買ったら幸せになれるかもしれない・・・。
新しい車を手に入れたら幸せになれるかもしれない・・・。
広い家を手に入れたら幸せになれるかもしれない・・・。
経済の発展とともに、幸せな暮らしは、何かを手に入れることにより掴むことが出来ると信じて来た我々は気づきはじめた。モノを買うことでは幸せにはなれないということを。この本では、どこにでもいるようなアメリカ人の夫婦が、お金を消費し続ける毎日から抜け出して、自分にとって本当の幸せとは何かを見いだし、ダウンサイジングならぬスマートサイジングで生活を根本から変えてゆく決意をする。
『本来必要もなければ使いもしないモノをそれでも持っていたかったのは、そのモノの中に自分のアイデンティティ、つまり「まわりからこう見られたい」という理想の自分を見出していたからだ。』
『基本的なニーズ以外、お金は私たちが本当に幸せになるために必要なものを何ひとつ与えてはくれないすなわち、家族、コミュニティ、健康、満足のいく仕事、芸術や自然などからの体験、他人への思いやり、目的意識、洞察力などは、どれもお金では買うことが出来ないのだ』スコット・ラッセル・サンダース
二人の暮らす家は、はじめは110平米、次に70平米、その次に40平米、最後には10平米というタイニイハウスになり、考えもしなかった幸福な生活を手に入れる。
『私があなたに言えるのは、”なぜ”とか”なんのために”などと考えず、ただ目の前のアイスクリームを、目の前にあるうちに楽しみなさいということだ』ソートン・ワイルダー
僕たちは今、目の前にあるアイスクリームを見ることも味わうこともなく、スマートフォンの中に没頭しているようだ。インターネットやスマートフォンのお陰で、今では物凄い情報量を手に入れることが出来るし、その便利さ故に、時間の過ごし方も昔とは全然変わって来てしまった。
本をじっくりと読んだり、友人や家族と同じ時間を共有して、きちんと向き合えているだろうか?今、目の前で起こっている季節の変化や、美しい瞬間をきちんと体験しているのだろうか・・・。
彼らの生活は、NEW YORK TIMESで紹介されるや否や、ニューヨーカーたちの注目を集めた。生活のダウンサイジングは実際には難しいかもしれないけれども、今の自分の生活のこと。そしてそれを支えている自分の価値観と、今一度向き合わざるをえなくなる良書。
★スマートサイジング(価値あるものを探す人生) タミー・ストローベル著

性同一性障害の父親。

性同一性障害の男性(もともとは肉体的に女性で生まれながら、男性になり女性と結婚した男性)と、奥さんが第三者から提供された精子で産んだ子どもに対して、父親と子どもであるとする判決が、はじめてこの国の最高裁でくだされた。
今まで、性同一性障害の男性が父親と認められず、悔しい思いをする夫婦を見ていた。どこからどう見ても夫婦であり、子どもに対しては他の父親と変わらぬ愛情を注ぐ性同一性障害の男性が、法律の下に守られないということを知り信じられない思いでいたのだけど、日本もようやく変わり始めたと思ったうれしいニュースだ。
軽く飲んで帰り道、家のそばのいつものBAR『M』に行くと、僕の弟のような存在のFがニコニコと迎えてくれた。彼も同じく性同一性障害で、彼を慕って長野からお金がないのでヒッチハイクで東京に出て来たという性同一性障害の二人の若者が来ていて、ギターと歌でライブを繰り広げていた。
若い彼らのポジティブな歌を聴きながら、今日のニュースがうれしくて、グラスを傾けた。
★「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する」という民法772条を厳格に適用。血縁よりも、夫婦の実態の有無という婚姻関係を重視し、親子関係の存在を推定すべきだと判断した。http://www.asahi.com/articles/TKY201312110293.html

warriors for love

12月10日は、世界人権デーということで、東京レインボーウイークと在日本オランダ王国大使館が共催のイベント「Warriors for Love 〜日本におけるLGBTの権利:いまとこれから〜」というのものに参加した。
オランダは、世界でいち早く同性婚を認可した国で、人権に対する意識が高く、国の外交の最重要課題として基本的人権あげている。これ自体が素晴らしいと思う。
はじめに、オランダ人監督による『Warriors for Love』という素晴らしい映画を観た。ウガンダ、オランダ、ジャマイカ、クロアチアに住むLGBTの人々に会いにいくというドキュメンタリー。
ウガンダでは、同性愛がバレると死刑になってしまう。
ジャマイカでは、周りから暴行を受けて村を追われる。
クロアチアでは、パレードの最中に、石が投げられる。
オランダのキリスト教の学校に通う少年は、カミングアウトをすることを恐れている。
置かれている状況はさまざまだけれども、彼らはその土地で、生まれたままの自分であり続けるために戦っているのだ。
ウガンダでは、同性愛の子どもを隠していた親でさえ、3年も投獄されてしまう。レズビアンの女の子たちは、次々と矯正レイプをされるケースが後を絶たず、取材を受けたレズビアンの女の子たちは勇気を出してレズビアン同志で集まって過ごしていたが、取材の後に殺されてしまった。中には、矯正レイプをされた後に、割れたガラスの瓶を性器にさされたまま殺された女の子もいたのだ。
なぜ、人が、好きな人を愛するということを受け入れられないのだろう?
自分とは違うセクシャリティだからといって、なぜ憎しみをぶつけるのだろう?
なぜ僕たちは、毎日の暮らしの中で、人前で好きな人と手をつなぐことさえ憚られるのだろう?
セクシャリティに関わらず、誰もが愛する人を愛することの出来る日が来るまで、誰もが平等の権利を手に入れられる日が来るまで、戦いに終わりはないのだろう。

ちょっと早いバースデー。

S太郎とK太郎に、前から焼き肉に行こうと誘われていたので、新宿西口にある『六歌仙』へ。
ここは、タイの大統領が来日した時に訪れたということがあり、なぜかお客さんにタイ人が多い。店員さんも紋付を着ていたり、不思議なジャポニズムが演出されている。
食べ放題の上質な肉を食べながら、また次の旅行の話で盛り上がった。あまりにも食べ過ぎたので、今は恐らく2キロくらい太っていると思う。
会計をお願いしようとすると、二人は僕に、「ちょっと早いけど、もうすぐTの誕生日だからこれは私たちで・・・」と言う。
誕生日のお祝いをされることが苦手な僕のことをよく知っている二人は、結局食べ終わるまで、僕の誕生日などという話は一言も出さなかったのだ。
ハッピーバースデーもなし。ケーキもなし。お誕生日おめでとう!の乾杯もなし。もちろん、プレゼントもなし。
でも、そんな気遣いが僕にはうれしく感じられた。

春菊。

タラコと春菊のスパゲティ

昔、会社でアンケートだということで、「一番好きなみそ汁の具は?」と聞かれて、「春菊!」と即答したところ、「そんな奴はいない」と言われ、アンケートに入れてもらえなかったことがある。
きっとみんなは、「わかめ」「豆腐」「なめこ」なんかなのだろう。
スーパーで春菊を見かけると、つい手が伸びてしまうほど春菊が好きだ。この寒い冬の最中、青々として香り高い春菊は、まだ遠い春を思わせてくれる。
胡麻和えや白和え、鍋やみそ汁どんなものにでも使い勝手がいいと思うけど、僕がよく作るのは、春菊のスパゲッティ。オリーブオイルとの相性も絶妙だと思う。
★タラコと春菊のスパゲティ
1.にんにく1/2かけは細かくみじん切り。鷹の爪1本を種を除いて細かく切る。タラコ大1/2腹もしくは小1腹(たらこの1腹は左右2つで1腹という)の皮に1本包丁を入れ、スプーンなどで出しておく。春菊は食べやすい大きさに切り、太い茎は縦に切って細くしておく。
2.スパゲッティを茹で始める。
3.オリーブオイル大さじ2でにんにくを弱火で炒める。香りが立ちはじめたら(絶対にきつね色にしてはいけない)、タラコを入れて一緒に炒める。
4.タラコの色が変わったら、白ワインもしくはシャリー酒を大さじ2入れてアルコールを飛ばし、ケーパー小さじ1と鷹の爪を入れて、スパゲッティのゆで汁大さじ1から2を入れてすぐに火を止める。
5.ざるに春菊をあらかじめ入れておく。標準茹で時間の2分前に春菊入りのざるにスパゲッティを熱湯ごと上げて、そのまま弱火を再び点けたフライパンに入れて、全体を和える。
6.全体が混ざったら、皿によそい、オリーブオイルを回しかけて(これが重要)完成!美味いよ!

ビオラ。

昨日まで暖かい日が続いていたのに、今朝は急に真冬になったような寒さを感じた。
いつもならベランダのコンテナにチューリップなどの球根を植えているはずが、今年は週末に東京にいないことも多く未だに冬を迎える準備をしていない。
今朝、そんな僕を急かせるように、ビオラの新しい品種『ヌーべルヴァーグ』が6つ届いた。
段ボールを開けると、部屋の中にスミレ独特の甘い匂いが広がった。
この『ヌーベルヴァーグ』、縮れた花形がお洒落をしたおばあちゃんのようにクラシックでかわいいけど、微妙にすべて違う色合いが賑やかだ。
今週、チューリップの球根が届いたら、暖かい午前中を狙って植え付けてあげよう。
終わった花柄を適当に取り除いてあげると、どんな寒い日でも春が来るまで次々と咲き続けてくれる。
まるでおしゃべりな友人たちが集まってペチャクチャしゃべっているように。

天然のゲイ。

マイアミから、アメリカに住んで18年になる日本人の友人Kazが一時帰国したのでランチをした。
Kazは19歳でアメリカに留学して、そのまま転々としながらアメリカに住み続けている。今はデビッドという20歳上の恋人と一緒に暮らしながら、看護師をしている。
因みに、デビッドとは、同性婚をしたばかり。と言っても、届出をしただけらしいけど…。
元々、アメリカに留学したのは、アメリカの音大に行くためだったのに、音大を出たら仕事が見つからず、それから看護師の資格を取り、今は看護師をしている。
そんなキャリアの変更は、僕にはちょっと驚きなのだけど、本人は自分の仕事を決めるのがとても難しかったと言う。Kazは生物や科学にもとても興味があるらしく自分を『生物オタク』だと言う。
「宇宙のこととか、植物のこととか、考え出したら止まらないんです。デビッドとも、オタクと言う共通項で結ばれている感じ」
Kaz本人は、正に天然とも言える人かもしれない。ハンサムで、誰にでも屈託のない笑顔で接しながら、どんな話題にも興味を持てる。人の悪口やネガティブなことを言わないし、身体は驚くほどムキムキで洋服の上からでも無駄のない筋肉がわかる。
なんか、絵に書いたような素敵なゲイだしいい人なんだけど、町を歩いていて気になる植物などがあるとその植物のことを話し出して止まらない…
ワタリウムに連れて入ると、様々な雑貨に目が奪われ、子どものように夢中になってあれこれオモチャを試しては、お土産だと言って買い込んで嬉しそうにしていた。
マイアミという土壌がこんな人間を育てるのか、彼が元々こんな天然な性格なのか、これからもKazは、幸せな人生を送るのだろうなぁと、キラキラ輝く笑顔を見て思ったのでした。