午後2時から始まる映画を、渋谷のユーロスペースに見に行こうと思い、Kとふたり千駄ヶ谷小学校からバスに乗り渋谷駅で降りて、途中ランチをした。
その後、東急本店の前のファミマで飲み物を買って店を出た時にKが言うのだ。
「Kちゃんの財布がない」
「え?財布、持ってきたの?家に置いてきたんじゃない?」
「バスに乗る時に財布の中に入ってるPASMOでピッとしたから間違いないと思う」
「じゃあ、ランチの店?」
慌てて電話するもお店にはなく、とりあえず警察に行こうと警察に行った。
「カードは入ってたの?他に何が入ってたの?」
「VISAカードと銀行のカードと保険証と免許証と家の鍵かな…」
「じゃあまずカード止めよう」
あたふたしてカード会社に連絡するも、結局銀行の提携カードだと分かり、銀行に連絡したらクレジットと口座を止めることができた。
その後、警察に届け出て、映画は結局行けなくなってしまい、歩いて家まで帰ってきた。
こんな緊急時に、どういう行動を取るかはとても大事だと思う。もしも財布をなくしたことに気づかずに、そのまま映画を2時間半見ていたら、その後にクレジットカードや銀行のカードが無事だったかはわからない。
僕だったらすぐに警察に財布を届け出ると思うけど、結局この日はKの財布に関する連絡はなかった。
財布を落としたとしても、人の善意で戻ってくるだろうと昔は思っていたのだけど、この頃の日本では、落とした財布が戻ってくる確率は60%くらいのようだ。
「ただしくん、家の鍵も、免許証もあるから、留守の時に家に入って来たら怖いね」
「大丈夫。うちにはへそくりもないし、泥棒が盗んで喜びそうなものは一つもないから」
今や、カードは暗証番号などなくてもほとんどなんでも買える時代。気軽に持ち歩いているだけに、なくした時にすぐに対処できるようにカード番号や連絡先の電話番号などを別に控えておくべきだと改めて思ったのだ。