犬と少女。

朝、とても気持ちが良かったので久しぶりに与那覇前浜まで海を連れて散歩にいったのだ。

与那覇前浜は東洋一とも言われる美しい白い砂浜が広がるビーチ。

夏の間は観光客に溢れかえるのだけど、朝方はめっきり人も減って静かな海辺を独り占めできる。

海と散歩を始めると、すぐに少女が駆け寄ってきた。

小学2年生くらいの少女は、お父さんと一緒にこの海岸に釣りに連れて来られたという。

海のことをはじめは大きさに驚いていたのだけど、すぐに仲良しになっておかけっこをして遊び出す。

一緒に砂浜を歩いていると、少女の家でもワンちゃんを飼っていることがわかった。

ミニチュアピンシャーの雄で、今は3歳くらい。

お父さんがケージを作ってくれて今はその中で暮らしているとのこと。

「でも、言うことを聞かないことがあるから、その時はお母さんがスリッパで叩きなさいって教えてくれたの」

僕はびっくりして聞き返す。「え?ワンちゃんをスリッパで叩くの?」

「うん。しょっちゅうイタズラするから、お母さんは孫の手で叩いてる」

「あのね・・・ワンちゃんも人間と一緒なんだよ。絶対に叩いたりしちゃダメだよ。叩かれたら痛いでしょ。ワンちゃんもおんなじなんだから。絶対に叩いちゃダメ。そうお母さんに言ってあげて」

僕は人の家のことだと知りながら、いてもたってもいられなくなった。

その犬が叩かれ続けることによって、いつか自分の身を守るために牙を向くこともあるかもしれない。何よりも、完全に動物虐待ではないか。

今度会ったらワンちゃんはどうなったか聞こうと思う。どうか、ひどい状態になっていませんように。

さとうきび畑

家の周りはさとうきび畑に囲まれている。

1月から3月くらいにかけて収穫されるさとうきびは、台風にも強いためか沖縄地方を代表する農作物だ。

さとうきびの収穫も植え付けも、ご近所さんやご家族一家総出で行っているのをよく見かける。

それぞれの畑の作業を近所の人たちが協力して行っているのだ。

確かに、広い畑にさとうきび畑の苗を植え付ける作業や収穫する作業はおよそそこの家族だけではできない労力を要するに違いない。

僕たちはさとうきび畑の農作業はわからないものの、周囲に広がる風景に安らぎや安心感をもらっている。

本当はもっと海のそばに住みたかったと思っていたのが、今はこのさとうきび畑の広がる上野を心から愛している。

夜にはさとうきび畑の上に満天の星空が広がる。

なんて贅沢な場所に暮らしていることだろうか。

ヘチマ。

ヘチマをご存知だろうか?

僕だって知っている。ヘチマとは、お風呂で身体を擦って洗う繊維質でできた植物の実だ。

宮古島に来て驚いたのは、このヘチマを夏から秋にかけてよく食べるということ。

こちらではヘチマのことを、ナーベラーというのだけど、主に味噌で炒める料理が多いみたい。

お店でヘチマが並んでいても、昨年は僕たちは買うことはなかった。

なんでなんだろう?と改めてヘチマのことを考えてみたのだけど、

イメージとして、「ヘチマ🟰食べられるものがない時に食べる食材」

と勝手に思っていたからかもしれない。

それが、今年になって軽い気持ちでヘチマを買って料理をしてみたら・・・

そのおいしさと使い勝手の良さ、万能さに驚愕したのだった。

宮古島は初夏まではあらゆる野菜がたくさんとれるのだけど、盛夏をすぎると野菜がとても少なくなってくる。

でもそんな時にいつまでもあり続ける野菜が数種類あって、その中の一つがこのヘチマだ。

ズッキーニなんておしゃれな野菜がなければ、ヘチマを食べれば良い。

なすが暑さで高騰していたら、迷わずヘチマを買えば良い。

きゅうりが店頭に並んでいなかったら、ヘチマを買えばいいではないか。

ヘチマは無人野菜売り場では百円で3本入っているくらい安い。

それでいて、煮て良し。焼いて良し。トロッとしてなんという触感。

食わず嫌いというのは結局人生で膨大な損をしているということなのだ。

ヤシガニ

時々散歩をしていると、ヤシガニを見かける。

ヤシガニは海に近い陸地に住んでいて、大きなハサミを持ち食べることができる。

お店でヤシガニを食べると、きっと1万円以上するに違いない高級なカニの一種。

カニと言っても、どちらかというとザリガニに近い形。

海と散歩していると、時々茂みからガサガサと大きな音がして、ヤシガニが後退りして逃げようとしているのを見かける。

海はヤシガニに驚いて、それでも好奇心から鼻を近づける。

僕は海の鼻が挟まれないように、必死になって海を遠ざけようとする。

散歩をしていてヤシガニに出会える生活をしているのかと思うと、なんて楽しい生活なんだろうと改めて思ったのだった。

八重干瀬(ヤビジ)

八重干瀬(やびじ)とは、宮古島の北方沖約15kmの海域に広がる10km四方に及ぶ日本国内で最大級の卓状サンゴ礁群の名称。

5日八重干瀬に行きたいと思いながら育子tができなかったが、やっとKと二人八重干瀬でシュノーケルをすることができた。

珊瑚礁は巨大な舞茸のようなものや、エリンギみたいなものもある。テーブルサンゴが豊富で魚も驚くほどたくさんいる。

久しぶりのシュノーケリングに僕たちは大はしゃぎで3回のシュノーケルをした後家に帰り、子どものように昼寝をした。

梅雨明け?

宮古島はどうやら梅雨明けしたような気がする。

ラジオでは「まだ言っちゃいけませんね・・・」などと気象庁の発表に気を使って控えているけど、梅雨前線は上に上がって沖縄本島や奄美大島は雨が降っていても、宮古島はほとんど晴れ渡っている。

夏の宮古島は美しい光で満ちている。

庭の植物も、サトウキビ畑も、海も、空も、輝きに満ちて天国のように感じることがある。

何というか、すごく暑い天国と言った感じ。

近所の床屋さん

家のそばと言っても1 キロくらい離れた農道にある床屋さんに行ってみた。

その床屋さんはKが行っていて、移住のこととか身の回りのことを色々と聞かれたと言っていたので、僕が行くのは話が面倒くさくなるかなと思っていたのだ。

床屋さんは僕たちの家の場所も知っているので、僕が家のことを話すことはそのままカミングアウトになる。

僕「床屋さんに聞かれて話したら僕たちがゲイだとバレるから、Kちゃんその後行きづらくならない?」

K「全然大丈夫だよ。そんなことで差別されるならこっちからそんな床屋になんか行かないから」

床屋さんに行くと、ずっと車の話や宮古島の農家の話で、結局僕の家の話にはならなかった。

僕よりもKの方が最近はずっとオープンになって来ているのが面白いと思っている。

メロン

宮古島では、マンゴーの季節の後、冬の間もずっとメロンが一番に並んでいた。

僕はメロンのあの後味が苦手で好んで食べることはしないのだけど、たまには良いかと思って先日台風の後の安くなったメロンを買っておいた。

福岡から帰ってメロンを割ってみると、部屋中に甘い香りが広がった。

中はしっかりと甘く、メロンの濃い味がした。

マンゴーの美味しさには敵わないけど、たまにはメロンもいいかも。

長年食べに来たけど、これからは時々買ってみようかと思う。

砂川美香

車を運転している時に、FM宮古というラジオ局をいつも聴いている。

台風の影響で宮古島の葉タバコに被害があったとか、宮古島高校の野球部が準決勝に行ったとか、宮古島で起こるローカルなニュースが中心のラジオ局。

宮古島に引っ越して来て一年半が過ぎようとしているのだけど、時々流れる宮古島出身の砂川美香さんという歌手の歌声が今は特にお気に入りだ。

この地域独特なのだろうか、奄美出身の元ちとせさんもそうだけど、声が裏返りそうで裏返らないような独特の歌唱法。

時々砂川美香さんの歌が流れてくるととても癒される気がする。

◎ネガイボシhttps://youtu.be/0rg-baWyBPk

パッションフルーツ

パッションフルーツが店頭に並ぶようになった。

東京にいる時にはパッションフルーツなど食べたことはなく、おそらくどこかのフルーツパーラーで何かに混じって口にしたことがあるくらいで、実際にパッションフルーツがどんな味がするのか考えたこともなかった。

昨年、宮古島に引っ越してきて、「アトリエ和毛」という雑貨屋さんでパッションフルーツをいただいたのがきっかけ。家に持ち帰り中を割って食べてみたところ、不思議な酸味と味わいに少しずつ惹かれて行ったのだった。

昨日「島の駅みやこ」で大きなパッションフルーツがあったので買い求め、先ほど朝ごはんの後に口にしたところ、あまりの美味しさに声をあげてしまった。

酸味はあるものの、甘くなんとも言えない味わい。しかも果実が大きいので満足感もある。

先日家の庭にもパッションフルーツの苗を植えた所なのだけど、いつか実がなって食べられる日が今から待ち遠しい。