突然雨が降り出した時に。

六本木で打ち合わせを終えたら雨が降り始めていた。電車に乗って駅に着く頃、雨が土砂降りになっていた。
A3のクリアファイルを頭に乗せて雨を避けながら歩いていると、Kから電話が入った。
「どの駅から帰るの?」
「国立競技場だけど、クリアファイル頭に乗せてるから大丈夫だよ」
少し歩いていると、傘をさしたKの姿が見えた。
Kは、持ってきた傘を差し出して、ふたりで傘をさして歩きながら帰ったのだ。
雨が降ると、迎えに来てくれる人がいる。
なんて幸福なことだろうか。

LOVEパクチーSAUCE

先日沖縄に行った時に、ランチで沖縄そば屋さんに入ったのだけど、そこで売っていた瓶詰めのソースが美味しそうだったので買ってきた。
『LOVEパクチーSAUCE』は、パクチーが入っていると思いきや、パクチーと合うというコンセプトのようで、パクチー自体は一切入っていないのだとか。
先日家で夕食の時に、冷蔵庫にあったキュウリやゴーヤやトマトなどをつけながらいただくと、どこかアジア的な美味しさでお酒が進んだ。
この『LOVEパクチーSAUCE』、帰ってきてゆっくりとパッケージを見ると、販売元は沖縄ではなく、東京のお店だった・・・。

鍵。

昔からあまり、なくし物をしない方だった。財布を落としたこともないし、携帯をなくしたこともない。
カンボジアから帰国して、原宿駅までKが迎えに来てくれた。その時にKがトランクを持ってくれて、僕が靴べら付きの家の鍵を出して開けたのを覚えている。
その日のうちに金沢に行き、2泊して東京に戻り、翌日から会社に行っていたのだが、どこかで鍵を置き忘れてしまったようなのだ。
ようなのだ…と書いたのは、僕は財布の中にも鍵を入れているので、メインの鍵がなくても普通に生活をしていられたから。
どうせカバンの中にあるだろう…と思い、カバンを探しても見つからず、家のどこかに帰ってきて置いたと思い探しても見つからない。
整体に電話して、オーケーストアに電話して、金沢のホテルに鍵の忘れ物はなかったか訪ねて…
あああ…
どうやら靴べら付きの鍵を、どこかでなくしてしまったみたい。
あまりないなくし物探しを、どこか楽しむように、どこかに鍵は隠れていて、ある日ひょっこり出てくるのではないかと、未だになくしたことを受け入れられずにいるのだ。

鮨 歴々 近江町店

3000円(税抜)

金沢に来たからには、お寿司を食べずには帰れまい。
慌ただしいスケジュールの2泊3日ではあったが、帰りがけに近江町市場を覗き、予約しておいたお寿司『歴々』に入った。
『歴々』は、金沢駅にも支店があるお寿司屋さんで、金沢市内で有名な江戸前寿司『みつ川』の系列。
3000円のお寿司は、飲みすぎ明けのランチにはちょうどいい量で、茶碗蒸しもついていた。
また金沢に返ってきたいな。
⭐️

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OUT IN JAPAN 金沢21世紀美術館

先週末はピンクドット沖縄での撮影会や登壇があったため、沖縄で一泊して、真夜中に東京に帰り、月曜の早朝からカンボジアに出張。その後金曜日にカンボジアから帰国して一息つく間も無く金沢に向かった。
金沢21世紀美術館でこれから16日まで展示される『OUT IN JAPAN』の展覧会の準備と、土曜日の撮影会があるのだ。
今回の展覧会は、4年半かけて各地で撮影会をしてきた総集編といった感じだろうか。総勢2000名以上のセクシュアルマイノリティのぽーとれいとが展示された。
オープニングは、金沢市長の挨拶からはじまり、レスリー・キーの挨拶、テープカットは僕とKでテープを持った。
お近くの方は勿論
東京など遠距離の方も、ぜひこの機会に金沢21世紀美術館を訪れていただきたい。
2000名を超える圧巻の写真群を見ながら、僕の胸にも熱いものが込み上げてきたし、レスリーさんは何度も涙を流していた
⭐️OUT IN JAPAN 金沢21世紀美術館
会期9月7日(土)〜9月16日(月)https://www.kanazawa21.jp/exhibition.php?g=106&sn[]=day_from&st[]=4&sc[]=2019,99,99,99,99&sn[]=day_to&st[]=5&sc[]=2019

240

プノンペンにある王宮の側に、『240』と呼ばれる道がある。
240は、青山を走る246のように大通りではなく小さな道だけれども、西洋の文化ぎ適度に入ったお店がちらほら点在している。
ベルギーチョコレート屋さん、パン屋さん、家具のお店、カフェ、レストラン…
帰国前の数時間、王宮の見学前にのんびりと240を散歩した。
これから物凄い早さでカジノやビルの建築が進むカンボジアとは違って、少し余裕を感じられる通りは、ほんの少し、台北に近いような雰囲気だった。

カンボジアのごはん。

豚肉とバナナの花のサラダ

魚のスープ

ローストチキン

カンボジアでは、仕事の付き合いで食事をしたので、自分ではレストランを選ぶことが出来なかった。
初日に行った『MALIS』というレストランは、建物の中に入るまでにお庭があり、庭で食事をする人たちもいて、チェンバロのような音色のカンボジアの楽器を演奏していた。
4泊という滞在中食べたカンボジア料理を一言で言うと、野菜がふんだんに使われていて、タイ料理のように辛いというよりも、ベトナム料理に近い、酸っぱくて、ほんの少し甘い味付けのものが多かった。
サラダでよく出て来たものは、マンゴーのサラダ。サラダ用のマンゴーはまだ青いマンゴーなのか、味はまるで青リンゴのようにスッキリとした甘さだ。
お肉は鶏肉、豚肉、牛肉と食べるけど、どれも硬い感じの仕上がりが多かった。
焼物よりも揚げ物が多く、魚は淡水魚が基本で、雷魚などが出てきた。
時々入った地元の人しか来ないレストランの味は、何軒もどこか薄くボケたような味だったのだけど、その少しボケたような味が、カンボジア料理の味なのかもしれないとも思う。
星付きのようなお店には行けなかったけど、それはまた今度のお楽しみ。
次回は、世界遺産であるアンコールワットを訪れたいと思う。
⭐️MALIShttp://www.smitravel.jp/restaurant/restaurant-phnom-penh/malis-restaurant

中央市場。

建物の中は、宝飾店

逞しい女たち

プノンペンの中央市場は、王宮からも遠くない繁華街にある。
真ん中にドーム状の建物があり、それを囲んで四方にさまざまなお店が並ぶ、
偽物のバッグやシューズ、Tシャツを売っているお店や、お供え物の蓮のお花なんかは外のお店で、銀製品や翡翠などの宝飾店はドームの中にある。
どこかに生鮮食品の店はないものかと、ガイドブックも持たず嗅覚だけで探すと、川の反対側のドームの外側に並んでいた。
お肉屋さんには巨大な肉が並び、魚屋さんには淡水魚が並ぶ。
野菜はやけに生き生きしていて、この国の食が野菜によって支えられているのだと思える。
食品店や食べ物屋さんを仕切っているのは、眼力の強い女たちだ。
どの女性も顔が濃く、気が強そうで、フリーダカーロを思い出す。
それにしても、アジアの市場って、何であんなに良からぬ臭いがするのだろうか?
バンコクの市場でも同じような臭いがあたり一帯を包んでいたのを思い出した。

自分と違うものを認め、敬うこと。

カンボジアの田舎町に行って、村の待合所というか、ちょっとした休憩をする時に座れるような日除けのある吹きさらしの小屋で休んでいた。
そこの家族はおばあちゃんと孫娘ふたり、そしてお母さんが座っていて、農作業を終えて帰ってくる男衆を待っている感じだった。
雨がじゃんじゃん降っていたので、彼らのご厚意で、ちょっと間借りして休ませてもらっていたのだけど、その時に歯が抜けたようなおばあちゃんがガイドに聞くのだ。
「この人たちは今日はどこか泊まるところがあるの?」
まだ電気の通らないような家で暮らす人たちに、僕たちが泊まる場所を心配されて少し驚いてしまった。
「ここに泊まっていけと言われたら、どうしよう…」
そう僕は思ったことを口にしてしまったのだけど、それを聞いていた通訳のカンボジア人が言った。
「これは彼らのホスピタリティであり、おもてなしなんです。貧しくても、精一杯のおもてなしなんです…」と言った。
僕は、彼らを馬鹿にするつもりはなかったのだけど、カンボジアの人たちには言外にそんな意識を感じ取ってしまったのかもしれない。
「彼らのおもてなしは色々あって、いきなり鳥を目の前でさばいて、鍋に入れて料理をはじめて、これを食べてください。と言われることもあって、そんな時、向こうの気持ちを害さないように断ることが難しいんです」と言っていた。
戦後、経済発展を遂げた日本から来た僕たちは、カンボジアの田舎の貧しい暮らしを実際に見ると、「ちょっと、ここで暮らすのは無理…」と思ってしまうのだけど、たとえ文明が進んでいないから、貧しいからといって、彼らか僕たちに比べて劣っているわけでは全くないのだ。
自分と違う文化やその国のありようを認め、敬意を持って尊重すること。
そんな当たり前のことを、僕もふと、忘れていたようで、カンボジア人の通訳の方のお陰で、旅の途中で改めて自分を戒めたのだった。

プノンペンへ。

王宮

カジノ

メコン川とトンレサップ川の合流地点

那覇から夜の便で真夜中に家に着き、早朝の便でカンボジアのプノンペンへ。
カンボジアに来たのは初めてなのだけど、空港を降りると風景がどこかベトナムやインドネシアやタイ、マレーシアに似ていて、車も多いけどバイクに乗った人たちが沢山いる。
7パーセントの経済成長率を遂げているカンボジアは、今まさに建築ラッシュ。10年前くらいのホーチミンを思い出させる。
プノンペンは、有名なメコン川と、トンレサップ川の合流地点にあり、カンボジアの王宮はまさに、その合流地点に優雅に構えている。
夜の街を車で通っただけだけれども、カジノが進出していて金色に輝き、映像を照射している。
そうかと思えば、町のところどころの通りで物売りをしていたり、貧相な食事をしている。
仕事では、車で田舎町に行く予定。
電気の通らないような村を回るので、僕のような柔な都会育ちには、キツく感じるだろう。
この時期、蚊も多く、マラリアやデング熱も流行していたり、野犬も多く狂犬病の危険もあるというので怖いことばかりだけど、これから木曜日まで、無事に過ごせますように…。