フィッシュタヴェルナサンボ

カルパッチョ

紋甲イカと人参芋のフリット

赤仁のアクアパッツァ

今年の夏に宮古島に来た時から行きたいと思っていた『フィッシュタヴェルナサンボ』へ。
宮古島に移住して20年近く経つ大将の、異常な魚愛のお店として知られている。
お魚は、取れ立ての新鮮な魚というよりも、独自の神経じめなどをして熟成された魚たちだ。
魚の生ハムとモッツァレラチーズと梨とシャインマスカットのカルパッチョは、不思議な組み合わせ。
タコやイカ、タイなどのカルパッチョは、それぞれに細かなハーブや蕎麦の実、小エビなどを添えてあり味わい深い。
紋甲イカと人参芋のフリットは、絶妙な組み合わせでしみじみ美味しい。
赤仁という宮古島の高級魚のアクアパッツァは、魚の出汁が出ていてとても美味しい。
これは、食べ終わってからクリームパスタになって出てきてその美味しさに驚いた一品。
宮古島の食材にこだわり、異常な魚愛に満ちたこのお店、また宮古島に来たら是非訪れたいと思う素敵なお店だった。
⭐️フィッシュタヴェルナサンボ
0980-73-2711
沖縄県宮古島市 平良字西里529-1 1F東
https://tabelog.com/okinawa/A4705/A470503/47009181/

台風の迫る宮古島へ。

地元の人が来る『じんく屋』

福木カフェ

台風の迫る宮古島の海。

宮古島へ向かう便のサインボードには、『MAY RETURN』のサインが書いてあった。台風の影響で、機長が着陸出来ないと決めた時には、東京に戻りますということ。
着陸の時に少し機体が揺れたけど、雲を抜けると青い海が見えてきた。それにどういうわけか雨は降っておらず、雲間から青い空がところどころ広がっている。天気図では宮古島から200キロくらいのところに台風は迫って来ていて、予報は雨だったのだ。
拍子抜けするように空港に降り立ち、無事にレンタカーを借りる。そのまま平良の町中まで行き、地元の人が食べに来る『じんく屋』に昼ご飯を食べて、雨の降らないうちに宮古島海中公園へ。
『海中公園』は、海の中から水中が見える公園。「台風の影響で透明度が落ちていますけどいいですか?」と言われるが、入場し、揺れる海中の小さな魚たちを見た。
途中、『フクギカフェ』に立ち寄り、店員さんに、「久しぶりですね!」と言われる。
町中に戻り、雑貨屋さん『アトリエ和毛』に行き、店員さんに、「あ!またいらっしゃったんですか?」と驚かれた。ひとしきり店員さんとおしゃべりをして、お隣の『もじゃ』の店員さん夫婦もいて、楽しいひと時を。
あああ、やっぱり宮古島に来てよかったー!
⭐️お食事処 じんく屋
0980-73-4017
沖縄県宮古島市平良字下里84番地
https://tabelog.com/okinawa/A4705/A470503/47009748/
⭐️福木カフェhttps://www.miyakojima-fukugi.com/
⭐️アトリエ和毛https://m.facebook.com/pages/category/Art-Gallery/Atelier-和毛-nicogeアトリエにこげ-862552267147348/?locale2=ja_JP

台風の宮古島か。初秋の奥入瀬渓谷か。それが問題だ。

心配していたことが起こった。
沖縄の下に何やら怪しい熱帯低気圧が生まれ、10キロくらいの速さで彷徨っていたが、少しずつ北上をはじめ、どうやら台風に発達するらしいのだ。
僕たちは今年の6月末から7月に宮古島旅行をして、帰ってくるなりもう一度宮古島旅行を予約したのだった。
数日前にKと話していた時は、「熱帯低気圧なら、台風じゃないから飛行機は飛ぶし、雨でもまた行けばいいから今回は行こうね」と決めていた。
しかし、台風となって宮古島に向かっているとなると話は別。旅程のほとんど全てが雨マーク。わざわざ台風めがけて東京から行くのもどうかと思い、日程をずらせるチケットだったので飛行機以外のすべての予約をキャンセルすることにした。
ホテルは2日前ならキャンセルも無料だし、家からのタクシーもキャンセルし、空港までのバスもキャンセルした、空港に着いて借りるレンタカーもキャンセルし、金曜日に予約していたレストランもキャンセルした。
飛行機は、乗る直前まで変更可能なので、飛行機だけはそのまま残し、宮古島自体を他の日程にずらすことにし、今回の連休は、東北にでも行こうかと、奥入瀬渓谷や十和田湖の宿を探し始めた。
Kは、病院のスケジュールを確認し、10月11月でどこかまとめて週末に休みが取れないかと探しはじめたのだけど、直前の10月にはすでにみんなの予定も決まっているし、11月もまだハッキリとわからないことが判明した。
結局散々迷い、何度も何度も宮古島の天気と台風に情報をチェックし続け、同時に東北の宿も探しながら、台風の宮古島に行くか、初秋の青森秋田に行くか、なかなか決められずにいたのだけど、思い切って台風のやってくる宮古島に行くことに決めた。
ホテルをまた新しく探しはじめ、直前で台風でキャンセルが出たのか、思いのほかいいホテルが安価で予約できた。
タクシーも予約し、バスも予約し、レンタカーも最後の1つを予約できた。
台風がわざわざやってくるその日に、飛行機は宮古島空港に降りることが出来るのかわからないけど、宮古島に行ってきます!

桃。

晩ご飯を食べた後に、家にあった「ぶどうと桃を食べようか?」と僕が言った。
すると、Kがおもむろに立ち上がり、冷蔵庫から桃を取り出し、まな板と包丁を持って自分の席に置いた。
僕は、シャインマスカットを1つひとつ横に真っ二つに切って皿に盛りつけた。
Kが何も言わなくても珍しく自ら桃に手をつけたのは、以前僕が桃を切ろうとした時にうまくいかず、たまたまKに代わったら、とてもうまく種が取れたことがあったから。
他の料理は全て僕に任せっぱなしなのに、それ以来桃となると自分の役目だと思っているのか、張り切って桃を切ってくれる。
もしかしたら、もっとKのことをおだてたら、色々なことをもっと手伝ってくれるかもしれないと思ったのだった。

苦手なこと。

働きはじめてから、かれこれ25年以上になると思うのだけど、タレントの撮影が苦手だ。苦手であるにもかかわらず、仕事のために沢山のタレント撮影をこなしてきたと思う。
でも、なんでそんなに自分が苦手なのかと今一度考えてみることにした。
まず、自分が芸能人を全く知らないし、ほとんど興味がないということ。これが問題なのだと思う。(仕事で撮影することになった人のことは、そこから調べるのだけど)
撮影が始まってしまうとあっという間で、実際にはほとんどのタレントさんは、人当たりがよく仕事のしやすい人が多いのだけど、この本番まで何を気を揉んでいたのだろう?と拍子抜けしてしまうことがほとんどだ。
今日は、2人の役者さんの撮影があり、久しぶりに非常に気を遣う撮影だった。
精神的な疲れがマックスで、家に帰るなりそれを察したKがすぐに寝ろと言うので、即シャワーを浴びてベッドで横になった。
自分でも不思議なくらいに泥のように眠ったのだった。

マイ・ビューティフル・ランドレット

昔見た、『マイ・ビューティフル・ランドレット』を、恵比寿ガーデンシネマでやっているというので、『ハワーズ・エンド』と一緒に観に行った。この映画、すっかり忘れていたのだけど、『ゲイ映画』だったのだ。
今となっては信じられないくらい若いダニエル・デイ=ルイスは、ロンドンの移民や労働者階級が暮らす貧困地域に暮らして若い悪党どもとつるんでいる。サッチャー政権下で英国の経済が酷い状態の時に、自分たちの不遇は、移民を受け入れているためだと思って移民たちを差別し排斥しようとしている。
パキスタン系移民のオマールは、アル中の父親と二人暮らしで、大学にも行けず貧困の真っ只中で暮らしている。ある日父親が弟を頼り、息子のオマールを雇ってもらうように電話をかけ、オマールの人生は少しずつ変わっていく。
1985年の作品であるにもかかわらず、今の世界の問題がこの映画の中に描かれていて興味深い。
ダニエル・デイ=ルイスはこの作品で、ナショナル・ボード・オブ・レビュー助演男優賞。その後、アカデミー賞最多受賞者となっていく。
⭐️マイ・ビューティフル・ランドレットhttps://www.unitedcinemas.jp/sp/yebisu/film.php?movie=7751&from=daily

ハワーズ・エンド

E・M・フォースター原作、ジェイムズ・アイボリー監督の『眺めのいい部屋』、『モーリス』、そして『ハワーズ・エンド』。
どの作品も素晴らしいが、『日の名残り』だけは、これらと同じアイボリー監督の作品だけど、原作がカズオ・イシグロだった。
『ハワーズ・エンド』は、イギリスののどかな田舎にある古びた邸宅の名前で、この映画には、この館が最初から最後までまるで意思を持っているかのように関わっている。
エマ・トンプソンとヘレナ・ボナム=カーターは文学好きな中流階級の姉妹で、実業家のウィルコックス家と親しくなり、交流がはじまる。
このウィルコックス家の主人がアンソニー・ホプキンス。この3人が出てくるだけでも、素晴らしい映画であるに違いないと思えるだろう。
物語は、中流階級と実業家の家族が暮らす中流階級と、志の高い貧しい青年と妻の元娼婦の大きな2つの軸があり、そこに微妙に姉妹とウィルコックス家の恋愛が絡んでいき、先の読めない展開は、静かに各々の人生を炙り出していく。
この映画を見ていて思うことは、美しい英国の田舎町の景色と、ハワーズ・エンドの家を越えた存在感だ。
ハワーズ・エンドを見ながら、「こんな家で暮らしたかったんだよな…」と、思わずため息が漏れた。
⭐️ハワーズ・エンドhttps://www.unitedcinemas.jp/sp/yebisu/film.php?movie=7752

友人のお土産。

金沢にいる僕に、LINEが入った。
「今日、山梨に遊び行って来ました。
モモとぶどう
ドアノブにかけておきました!食べてくださいな。
モモがちょっと固めですが、、そーゆー品種らしく。」
それは、女の子の友人で、時々家に遊びに来るNちゃんだった。近所に来る用事があったのか、果物を持って来てくれたみたい。
僕たちゲイカップルの周りには、こんな風にゲイという枠を越えてアライの友人たちが集まっている。
Kが家に帰って来て果物を見つけて、写真を送ってくれた。
料理を沢山作るのは結構大変だけど、またみんなを読んで、食事会をしよう。
そんな風に思える、うれしいお土産だった。

完成。OUT IN JAPAN 金沢21世紀美術館展覧会。

『OUT IN JAPAN』の金沢21世紀美術館での展示も、週末の三連休を残すところとなった。
『OUT IN JAPAN』はLGBTカミングアウト・フォト・プロジェクトであるけれども、こうして2000名以上の写真を並べて圧巻ではあるものの、もしかしたらまだまだきちんと伝えきれていないような気がしていたのだ。
そんな時Kが言った。
「お客さんは、この展覧会の内容を知らずに入ってきて、ただの綺麗な白黒写真だと思われて終わっちゃうかもね…
ただしくん、あの、ホームページにあるカミングアウト・ストーリー数枚を壁に貼ったらいいんじゃない?」
思いがけず出たKの発案に、「これだ!」と目の前が開けた気がして、会社が始まってから数日間かけて沢山の人のカミングアウト・ストーリーを読んで、いくつかのストーリーをピックアップしてデザインした。
結局、60名近いカミングアウト・ストーリーをプリントアウトして、それを持ってもう一度金沢へ向かった。
そんなこんなで、カミングアウト・ストーリーを壁に貼り付けて、やっとこの『OUT IN JAPAN 金沢21世紀美術館展覧会』が出来上がったのだった。
案の定、貼り付けていく側から人々が集まり、みんな食らいつくようにそれぞれのストーリーを読み漁っていた。

同性婚訴訟。次回期日は、10月16日(水)。

前回、7月8日に、裁判所に行ったのだけど、その時は原告による意見陳述が認められることはなかった。
僕はその日までに、意見陳述をすることになるかもしれないと言われていたので、10分間程度で読める陳述書を用意していたのだけど、結局陳述は行われなかった。
次回進行期日は10月16日(水)の予定で、そこでは僕が意見陳述を行う予定になっている。
前々回の、ふたりの意見陳述は素晴らしかったのだけど、子どももいないし重病でもない僕の話は、前回のような人の涙を誘うものにはなりにくいとも思っている。
たとえそうであったとしても、ある1人のゲイとして、裁判所で意見陳述をしようと思う。
まさか人生で、国を相手取り訴訟を起こし、意見陳述をするとは思わなかったな…。