9年目のアニバーサリー。

Bridgehttp://bar-bridge.com/index2.htmlに飲みに行ったら、つきあってから9周年の日だと言う、シンガポール人のカップルが来ていて、シャンパンを開けていた。
彼らは、年上の方の仕事の都合で、3ヶ月に1度くらいの割合で、東京を訪れ、その度にBridgeに顔を出す(その度に、Tがいるのは、どうしてか?と聞かれた(苦笑))し、温泉や北海道などに旅行をしている大の日本好き。今回は、沖縄に4泊で行くらしい。
ふたりは、香港のグランドハイアットで、偶然出会ったらしい。お互いに、はじめて顔を見た時に、『この人は、自分の恋人になる人だ』と思ったと言う。まるで、映画のような話だ。
9年経ったと言うことは、その関係性を続けていくために、それだけふたりが努力を続けて来たということだけど、(聞いてもいないのに)ふたりはいまだに熱々で、セックスも頻繁にしていると言うから、相性も良かったのだろうと思う。
人生を、ともに生きる人がいるということは、それだけでとても幸運なことだ。
彼らの溢れるような笑顔を見ていると、これから先も、ふたりの幸せな姿が、また何度も何度もBridgeで見れたらいいなあと思った。

NEW BALANCE という定番 1

996

高校生の時から、ニューバランスを履いている。
矯正靴の製造をしていたニューバランスの履き心地は、1300という品番をラルフローレンが「雲の上を歩いているようだ」と評したことで話題になり、その包み込むような感覚は、『百恵ちゃんの唇』とも言われていた。
僕の定番は、この1300と、996なのだけど、今日、他の靴の修理でニューバランスに行ったら、4月に996のブルーが出たようで、夏らしい色に惹かれて買ってしまった。
そして買いながら、Kが一緒にいたら、色違いで履くのもいいかもしれないなあと考えた。(Bridgeの店子Hが、お揃いのシューズってかわいいと言っていたので洗脳されたようだ)
表参道から戻り、早速Kに、週末会った時に、同じ靴を買うのはどうか?と聞いてみると、喜んでいるメッセージが送られて来た。そこで、品番を送り、僕はブルーなんだけど、グリーンはどうかな?と聞いてみると…
「ブルーはTさんらしい派手な色ですね。グリーンもキレイだけど…なんて言うか、僕にはどちらも派手過ぎます…」という返信が…
よくよく考えてみると、Kと知り合った時も、黒い洋服に身を包んでいたし、ワードローブも、黒か紺か鼠色(敢えてグレーではない)ばかりだし、総天然色レインボーの僕の洋服とは真逆…
その後、気を取り直して、もう少し地味な色がある、1400の紺かグリーンはどうかと問いかけると、すぐに、「これはキレイですね」という返信が来た。
博多の天神辺りで、ふたりで買い物をする、なんでもない週末を、今から楽しみにしている。(気づいたら、また、おのろけに…)
※まったくの余談だが、学生の頃の友人で、「ニューバランスで踏みつけられると感じる」という男がいた。彼は今も、踏みつけられているだろうか…

ともに仕事をする人たち。

20年くらい前から、一緒に仕事をしているカメラマンKさんや、撮影の時に様々な手配をしてくれるMさんと、久しぶりに撮影をした。
シズル師(ビールの泡や水滴などを、美味しそうに作る人)として有名なMさんも、今は57歳。先日、白内障の手術をしたばかりで、まだ、完全に仕事に復帰している感じではないせいか、ずいぶん年をとったと感じた。病気のせいかちょっとやつれて、小さくなっていた。
若い時は、わからなかったけど、今感じることは、
『ともに仕事をする人と過ごす時間は、決していつまでも続くことはないということ。
その時間を、一緒に分かち合って生きているようなものなのだということ』
二人とは、色々な所にロケに行った。飛騨高山、屋久島、金沢、京都、名古屋、金山、静岡…
昔、静岡の温泉地に行った時に、温泉芸者がいたことがあったとか、風呂の中に砂が入っていたとか、屋久島で、亀の爪のような食べ物を食べたとか、子どもの撮影に、僕は自分の甥っ子を呼び寄せ、Mさんは自分の子どもを忍び込ませたとか…
一緒にいるだけで、自然と気持ちはほぐれ、ともに過ごした時間を懐かしく思い出して笑いあった。
これからもMさんと、まだまだたくさん一緒に仕事をしたいけど、それも永遠ではないことはわかっている。一つ一つの仕事で喜びや笑いを、ともに分かち合っていこうと思った。

アジアンクィア映画祭3。

愛なんていらない

Rec

白夜

★『愛なんていらない』
オープニング作品は、トランスセクシャルものだった。この映画、トランスアメリカ並みに良くできているので、いつか公開されるかもしれない。
全く違う3つの時世のストーリー展開、それらが次第に重なり意味が解けていき、最後には、さめざめと涙が流れた。
若い時は、ゲイの話しか共感出来なかったけど、こういう トランスものやビアンものの映画でも、自分が共感出来ることが改めてわかった。
★ソ・ジュンムン プログラム『Rec』『蛍の光』
この二作品、あまりのせつなさに、むせび泣いてしまった。
『Rec』は、30歳と26歳のカップルが、つきあってから5周年のアニバーサリーに、ビデオカメラでその一日を記録しようとする話。観ている内に、自分が昔つきあっていた人との色々な懐かしい日々を思い出し、そして、今つきあっているKのことを考え、いつか来るかもしれない別れを考えたら、涙が止まらなかった。素晴らしい作品なので、日本での公開を願うばかりだ。
『蛍の光』は、老人のゲイの話。昔、止むを得ず別れてしまった二人が、老いた後、偶然に町中で出会う。それぞれに、自分のセクシャリティーを隠しながら社会で生きてきた二人は、お互いの来し方を見て、再び抱き合う。これも、老人の話とはいえ、人ごとですませられない共感性を持って見ることが出来る素晴らしい作品だった。
★イ=ソン・ヒイル監督トリロジー
この監督は、素晴らしい才能を持っている。映画を観終わった後に、しばらくこれらの映画のことで頭がいっぱいになってしまった。強いテーマ性がありながら、ゲイを演じる役者たちの繊細な心を見事に演出しているし、カメラワークがとても美しい。
『あの夏、突然に』
高校生と担任の先生が、ゲイバーで偶然遭遇してしまい、その顛末。夏の照りつける太陽に、高校生の真っ直ぐな眼差し、はち切れんばかりの性欲が描かれる。先生のジリジリと迫り来る恐怖感は、保守的な韓国で生きる同性愛者の心理を上手く表現している。
『南へ』
兵役の時に、関係を持った先輩と後輩の話。先輩は既に兵役を終えて、女性と関係を持つようになっている。後輩は、一日の外出令に、先輩との愛を確かめようとするが、先輩は、強烈なホモフォビアのため、自分の同性愛を受け入れることが出来ず、昔のようにはなれずにいる。二人の狂おしいまでの感情のぶつけ合いが、強く胸を揺さぶる佳作。
『白夜』
3年くらい前に、新宿2丁目のようなゲイの集まる町チョンノで、実際に起こったホモフオビアによるヘイトクライム。町中を手を組んで歩いていた二人のゲイが、何人かの男たちに暴行を受けて、半死の状態になった。その航空会社に勤める被害者が、親からも絶縁され、恋人も失い、2年後に復讐を胸に、ソウルに一日だけ戻ってくる。セクシャルマイノリティには生きにくい現代の韓国社会を取り上げつつ、繊細なゲイの心情を表現した傑作。この映画も、日本で公開されることを願うばかりだ。
この3日間、クィア映画三昧だったのだけど、本当に素晴らしい作品群だったと思う。また、再来年が今から楽しみだ。

アジアンクィア映画祭2。

朝から、自転車に乗って六本木へ。
短編集Bの中の、『おたくラジオ』という35分の短編が、ちょっと鳥肌が立つほど素晴らしかった。今もその余韻に浸っているくらい。
上海で、同じ会社に勤めて、それぞれ別々に暮らす日本人と中国人の男たちが主人公なのだけど、二人の関係は、ゲイと気づきながらも、それを受け入れ認められずにいる。そして、家から一歩も外に出られずにいる潔癖性の老婆と、彼女を支える老人医師の話が、ラジオで繋がってゆく。上海という大都会で暮らす二つのストーリーが、素晴らしい音楽と、映像によって重なり、言葉に出来ないせつなさを紡ぎだしていた。
中国人の男が、信じられないほど美しい。この映画、日本でまた、公開して欲しいな…
※本作はネットで公開された日から数えて一千万以上の再生回数を達成し、中国では大ヒットとなった。ネット上での評価は8.2、たくさんのコメントや賞賛が書き込まれた。また、2011年11月の中国における映画トップ50チャートでは「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」や「猿の惑星:創世記」をはじめ国内外の劇場映画をおさえてベスト10入りした。ゲイライフを応援するエンターテイメント誌「Badi」の表紙とグラビアを飾ったこともあるHIROが主演を務めている。
★アジアンクィア映画祭http://aqff.jp/2013/index.php

アジアンクィア映画祭。

先週末始まったアジアンクィア映画祭に、二週目にしてやっと行った。
韓国の映画『2度の結婚式と1度の葬式』は、まるで二丁目の僕らの周りで起こっているような話だった。
ゲイのエリート医師と、ビアンの医師が、親の目を誤魔化すためと、養子をもらうために偽装結婚をする。
日本と同じような、世間体を気にする韓国の社会で生きるセクシャルマイノリティの問題を、真っ正面から捉え、かつコミカルに描いた見ごたえのある秀作だった。日本で上映されたらいいけどなあ。
監督は、19歳年下の男性と結婚式をあげたそうだ。韓国でそんなことをするなんて、すごい勇気だと思う。
『短編集A』は、ビアンものが多かったけど、青春のせつなさを描いた『夏日時光』と、カンボジアの映画『雨に抗う女たち』が素晴らしかった。
特に、『雨に抗う女たち』は、カンボジアの田舎で暮らす、年をとったレズビアンのカップルのドキュメンタリーで、田舎であるがゆえ、世間の目も厳しかっただろうけど、自分に正直に生きて、村でも権利を認められて、家族にも受け入れられて暮らしている姿は、感動的だった。
この『アジアンクィア映画祭』、二年に一度開催されていて、今年で4回目なのだけど、レズビアン&ゲイ映画祭の作品とは、またちょっと違っていて、とても見ごたえのある作品が多いかもしれない。
明日までなのだけど、当日券もありますよ。
★アジアンクィア映画祭http://aqff.jp/2013/index.php

自転車。

イル・ポスティーノ

新しい自転車を買った。
僕が探したのは、イタリア映画『イル・ポスティーノ』に出てくるようなクラシックな自転車。
結局、行き着いたのは、前にもここに書いたイタリア製ABICI。アウトレット物を安めに買うことが出来た。
自転車を選ぶ基準は、『美しさ』。昔から変わらぬ、自転車の美しさを持っていること。
東京の町中で走る僕にとって、走ることを追求した細いタイヤや、5段変速ギアや、前傾姿勢のフォルムや、余分な機能は、不要だと思った。
白い自転車に乗って、フランスの籐の釣り用バスケット(写真)をかけた人が、あなたの横を走り過ぎたら、声をかけてください。

20年後、何をしていますか?

「20年後、何をしてる?」と、20代半ばの子が、Bridgehttp://bar-bridge.com/index2.htmlで周りに聞いていた。
40代で何をするべきか、50代で何をするべきか、20年後の自分のために何をするべきか…のような、人生の自己啓発本は、残念ながら、僕にとっては何も意味がないことは分かっている…。
それにしても、20年後、僕は、いったい何をしているだろうか…?
僕がまだ若い頃、飲み屋にOさんという人がいた。Oさんには若い恋人がいて幸せそうだった。
『60歳になったら、汚い姿を誰にも見せたくないし、誰の迷惑にもならないように、みんなの前から居なくなる』と宣言していた。
Oさんは、早期退職をして、どういうわけか、月に何本も好きな演劇や映画を観続けていた。
恋人とも、幸せそうだったある日、Oさんは、僕たちの前から忽然と姿を消した。
親戚でさえ、どこに行ったのか分からず、なんの遺言も見つからない。恋人も何も知らされず、手がかりもないまま月日は流れた。
富士の樹海を彷徨っているのでは?
どこか田舎で、人目を逃れて暮らしているのか?
様々な憶測が流れても、情報は何も得られぬまま…
今の60代は、まだまだ若いにせよ、Oさんのように、自分の人生の幕引きを、自らコントロール出来るうちにしておきたいと思う人はいる。
実際に、二丁目で知り合った多くの年上の人たちは、年を重ねると、ほとんど飲みに出て来なくなるし、人前に出ることもどんどん少なくなってゆく。
44歳の僕にとって、60代はもうすぐだと思える。自分が60代になった時、いったいどうしているだろうか?
『何かに好奇心を持ち、情熱を傾けているだろうか?』
(できればそれが、誰か、何かの役に立っていて欲しい)
『友人が、そばにいるだろうか?』
『愛する人は、いるだろうか?』
先のことは分からないけど、この三つがあったら、僕はいいような気がする。
20年後、いったい何をしていますか?

きっと、うまくいく

港で評判の・・・
ではなく、巷で評判のボリウッド映画、
『きっと、うまくいく』を観た。
(昔、僕の会社のエライ上司が、プレゼンで、クライアントに、「港の噂では・・・」と得意げに言ったことが語り継がれています。因みに、他の上司は、『団塊の世代』のことを、『だんこんの世代』と会議中みんなの前で何度も言い、笑いをこらえるのが大変だった)
インドで歴代興行収入no.1を獲得し、
すでに海外でのリメイクも決まっているインド映画。
インド映画は、『ムトゥ踊るマハラジャ』のヒット以降、
日本でも定期的に上映されるようになって来ているけど、
この作品も趣向を凝らした脚本に、
豪華な役者陣、そして壮大な撮影をこなして、
人生をドラマティックに描いている。
世界一の映画大国インドで作られる映画は、
ある種の典型的な構造があるのだけど、
歌や踊りをふんだんに取り入れた手法は、
完全にエンタテインメントに徹していると思う。
敢えてストーリーには触れないが、
3人の大学生の友情をテーマに、
親子愛、男女の恋愛、夢や将来、就職など、
人生を描いた大作映画。
3時間という時間も飽きさせず、思う存分楽しめて、
所々ほろっとして、爽快感を味わえる。
観終わった後に、余韻に浸るというよりも、
観ている時に、200%楽しめる映画。ぜひ!
★きっと、うまくいくhttp://bollywood-4.com/index01.html

ふたりで旅をする。

出会ったばかりの頃、初めて長崎に二人で旅行をした。
Kは長崎に行ったことがないと言うし、
僕も修学旅行以来だったため、
様々な観光名所を二人で巡り、いろいろな物を食べ歩き、
二人の距離がぐっと縮まっていった気がする。
その後、僕は大分に六回訪れ、Kは三回東京に来て、
京都、熊本、福岡二回、北九州、そして宮崎と、
色々な場所にふたりで旅をした。
旅に出ると、色々なハプニングを前に、
その都度、決断を下さなくてはいけない。
何をするか。何を食べるか。
どこへ行くか。どういう道で行くか。
思っていたのと違った時や、道を間違えたり、
電車に乗り遅れたり、行った所が閉まっていたり・・・
そして、その時その時で、相手がどんな風に動くのか、
自分のことばかりなのか、人を思いやる余裕があるか、
普段は気づかないような色々な面が垣間見える。
僕は、数ヶ月前に酷い捻挫をしていたのだけど、
今回、山道を歩いている時に、
また同じ足を挫いてしまった。
Kは運転があまり好きではないのだけど、
その日は僕を気遣い、運転を代わってくれた。
ふたりで旅をすることは、
ふたりでつきあってゆくことを、
ぎゅっと縮めたように見せてくれる。
これからも、ふたりで一緒に、
食べたことのない料理を味わって、
見たこともない景色を眺めて、
知らない町を訪れてみたいと思う。
そしていつか、水戸黄門になりたい…