海と太陽。

犬の海と猫の太陽は、最初に太陽が外に捨てられていた日に家に招き入れると、

太陽が海を怖がって毛を逆立てることがあった。

海はやさしいので太陽に尻尾を振っていたが、太陽は必死で自分の身を守ろうとしていたのだ。

でも、時間が経つ中で二人はどんどん近づいていった。

時々太陽にいうことを聞かせようと首根っこから頭をがっぽりと海が口の中に入れてしまったり、本気で追っかけっこをすることはあるものの、二人はすっかり家族のように見える。

動物同志のやりとりはわからないのだけど、見ている限り一度たりとも本気でお互いを傷つけようとしている場面を見たことがない。

そして今では二人で一緒にいる場面もよく目にするようになった。

犬と猫の間にはきっと言葉なんて存在しない。

それでもこうやって家族のように親しくなれるのかと思うと、無闇に殺し合いをしている人間の方が下等な生物であると思わざるをえない。

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