今年一番のピンチ。

実は今日チェックインのお客さんが1組いらっしゃった。でもそのお客さんは本当に宮古島に来られるのかわからなかった。飛行機は飛んでいるようだけど、宮古島にちゃんと着陸できるのだろうか?

そんなことよりも僕たちはAZZURRA始まって以来、最大のピンチを迎えていた。台風の土砂降りで客室のドアが2つとも閉まらなくなってしまったのだ。

客室のドアはアメリカの天然の赤杉を使っているため、水に濡れると膨張するのだ。昨年も膨張して閉まらなくなってしまったことがあり、その時も大工さんに修理してもらったのだ。それが今回は2つとも全く閉まらない。

朝から僕とKは二人がかりでドライヤーを持ち出してドアの膨張している部分に熱風をかけ始めた。何度も何度も表と裏から、それでもダメだと思い一番膨張しているところを集中的にやったり、今度は全体に満遍なくなど、不安に押しつぶされそうになりながらドライヤーを当て続けた。

2時間くらいやっただろうか、それでも何度試しても一向にドアは閉まらないどころか、1ミリも収縮していないように思われた。

僕は1時間くらい経つ頃に不安になり大工さんに電話をかけた。「お忙しいとは思いますが、客室のドアが閉まらなくなってしまいました。お客さんが今日夕方にいらっしゃるので、なんとかそれまでに応急処置をお願いできないでしょうか?」

お昼過ぎに大工さんが親子で現場を抜け出してやってきてくれた。そして、難しい決断だと言いながらドアを外して丁寧にドアの1辺をカンナで削り始めた。そして1時間くらいかかっただろうか、ドアがきちんと閉まったのだった。

「あんまり削りすぎると今度は乾いた時に隙間が開き過ぎちゃうから、この辺りがいいと思います」ものすごい職人肌の大工さんで、食事もせずにドアを修理してしてくださった。

こうして無事に、夕方に神戸からのお客様をお迎えすることができた。

このご恩は一生忘れませんと心の中で誓ったのだった。

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