裏の畑のおばさん。

僕たちの家の裏には畑があって、元々の家の持ち主の子どもたちがそこで野菜を作っている。

僕が庭仕事を終えてシャワーを浴びていたら、その裏の畑を持っているおばさんが家にやってきた。

「こんにちは。先日はお菓子ありがとうございました。パンを買ってきたので召し上がってください」

僕が東京に行った際にご家族にお菓子を買ってきたのを受け取ったようだった。

おばさんはその後、懐かしそうに我が家の庭の花々を見ながら少し散歩していた。

昔子どもの頃この家で家族そろって過ごしていた幸せな日々を思い出しているようだった。

「このバジルすごい元気ですね!父がここにバジルを植えていたんです。全くおんなじだから驚きました」

「ドアが青くて綺麗ですね。父が青が好きで、実はあの雨戸や戸も全部水色に塗っていたんですよ…ほんと、一緒の青だから驚いているんです」

僕たちの家は青をテーマにした建物で、これから窓枠や戸を青い色に塗っていこうとしているところ。

亡くなったお父さんが青色が好きだったようで、偶然なのかわからないけれども同じ場所を僕たちが青色に塗り直そうとしている名を聞いて、おばさんは本当に不思議がっていた。

「お花がこれだけ咲いているのも昔の我が家のようでびっくりしてるんです。きっと亡くなった父も喜んでいると思います」

おばさんはしばらく庭を眺めた後に、満足げに帰って行った。

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