母の宮古島。その4

宮古島から帰る日、あいにくの雨の中朝9時半にホテルに迎えに行く。

Kが運転してくれて、海は僕の膝の上に座っている。

下地島空港へは車で40分くらい。車の中で母は宮古島の話をしている。

「宮古島はマンションは安いの?」

「東京の変わらないくらい高いよ」

「あら、そうなの…安かったら借りてもいいと思ったの」

母ひ随分宮古島を気に入ったようで、またすぐに遊びに来たいような話ぶりだ。

父もはじめての宮古島をどうやら気に入ってくれたようだ。

空港でチェックインして、荷物検査の手前で手を振る。

改めて、80歳の母がとても小さく見える。

また宮古島に遊びに来てくれるだろうか?

「Kちゃんにありがとうって言う言ってね」

母はニコニコと手を振りながら、検査場に入って行った。

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