朝5時に起きた僕たちは、まだ片付けられていなかった場所の荷物のまとめを半狂乱になりながら続けた。
ダンボール箱は当初予定していた50箱を越えて60箱近くになっていた。
10時に引越し屋さんが来る頃にはなんとか片付き、下に止まったトラック2台を家から眺めながら、こんなトラックで家の荷物は全部乗り切るだろうかと不安になる。
すると引越し屋さんが、「上から見るとあのトラック小さく見えますけど、前のトラックが4トンワイドロングで後ろが2トンですから大丈夫です」
「普通の4人家族だと4トントラックで十分に入るので…」
心配していた大型家具も60段近い階段を昇り降りしながら5人で運んでゆく。途中休憩を取りながらも3時前には運び込みは終了した。
何もなくなった部屋を見ながら、いよいよ熱海ともお別れだと思う。
Kと海とで過ごした熱海生活は、僕たちにとって忘れることのできない幸福をもたらしてくれた。
今日はリビングに布団を運んで、3人でくっついて寝ることにしよう。