日本ではクリスマスイブは、昔から恋人たちの特別な日のように思われてきた気がする。
テレビドラマやマスコミがそうさせたのだろうけど、プレゼントを買って恋人とフレンチがイタリアンレストランで豪華なディナーを食べるみたいな感じだろうか。
僕もひとりだった若い頃は勝手にそんなイメージに騙されていて、「今年もひとりきりのクリスマスイブか…」などと思っていたように思う。
でも今は、Kや海という家族がいて、クリスマスイブは特別な日ではなくなった。
ケーキ屋さんの端っこに残っているような1/4サイズのケーキを買って、晩ごはん、スーパーで買ったつまみ菜(色々な野菜の小さな芽を摘んだもの)に温泉卵とアンチョビやブラックオリーブを載せて、冷蔵庫にあった豚肉でトンテキを作る。冷凍庫にあったガーリックのバゲットを焼いて、日常ワインのスプマンテを開ける。
贅沢なものなど何もないけど、家族と囲む晩ごはんはそれだけで幸せだ。