郁さんの逝去。

「結婚の自由をすべての人に」訴訟で、一緒に原告として戦っている郁(佐藤郁夫)さんが逝去された。

1月5日に脳出血で倒れ、搬送されて入院されていたのだけど、昨日亡くなったことを同じ原告からのLINEで知らされた。

あまりにも急なことで、僕自身受け入れることができず放心状態になってしまったのだけど、パートナーの「よしさん」のことを思うと言葉もなくやりきれない。

僕は時々よしさんにLINEを打っては、その後の経過を訪ねていたのだけど、特に病院からは連絡はなかったようで、Kと二人案じていたのだ。

「病院では、ちゃんと家族として扱われているのだろうか?」
「意識が戻ったら、よしさんは面会できるのだろうか?」
「コロナの影響でなかなか会えないかもしれない」

そんな思いも虚しく、突然逝去の知らせが来たのだ。

郁さんは生前、裁判所の意見陳述において、こう述べられていた。

「「私はHIV以外にも病気を抱えており、寿命はあと10年あるかどうかだろうと覚悟しています。 死ぬまでの間に、パートナーと法律的にきちんと結婚し、本当の意味での夫夫(ふうふ)になれれば、これに過ぎる喜びはありません。天国に逝くのは私の方が先だろうと思っていますが、最期の時は、お互いに夫夫となったパートナーの手を握って、『ありがとう。幸せだった。』と感謝をして天国に向かいたいのです。」

郁さんは最後に、よしさんの手を握っていられたのだろうか?

僕とKはいつまでも郁さんとよしさんのことを話し続けた。

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