朝ごはんを食べている時に、ふとKが言うのだ。
K「羽田空港と成田空港の検疫所の検査で、新型コロナウイルスの検査ができる人を募集しているみたいなの」
僕「へー、人手が足りないのかね?」
K「うん。今の病院、休みが多くなって来たし、やってみようかなと思って・・・」
それは、僕がどう思うか聞いているようでいて、自分の中ではやろうと決めているみたいに聞こえた。
Kが病院に出勤した後、僕は色々と考えてみた。
危険な場所にKを行かせない方がいいのではないか?万全の防護服を着たところで、もしもの可能性がないわけではないだろう・・・。
Kが家に帰って来てすぐに言い出したことは、どうやら勤め先の病院に聞いたところ、承認されるのは難しいのではないかとのことだった。
そんな病院の反応を聞いてホッとしたのだけど、Kは正義感からやろうと思ったのだろうか?それとも、給料の穴埋めをしようと考えた末に思ったのだろうか?
どちらにせよ、いつもアニメばかり見て笑っているKが、いつもよりも大人に見えたのだった。
ネットのニュースを見ていると、国や自治体に対する批判や不満ばかり目にして疲れるのだけれど、そんな批判に目を向けるよりも、病院や保健所、自衛隊など、最前線で働く人たちに、心から感謝したいと思う。