朝起きた時に、どうしようもない不安に襲われて、しばらくベッドから出たくなかった。
こういう時が年に数回あるのだけど、特に原因はなく、胸に空洞が空いているようで、どこか力が入らず、得体のしれない不安がいつまでも胸に残っているような感じなのだ。
そんなことをKに言うと、ベッドの中でKが僕をハグしてくれて言った。
「ただしくん、もうクリエーティブやめてあげて」
「ね・・・海のそばに行ってのんびり暮らしたいね・・・」
「うん。のんびる暮らそう」
「そうだね」
そんなことをやっているうちにほんの少し元気になり、タレント撮影に向かったのだ。
51歳になっても、誰にでも弱くなる時はあって、そんな時に支えてくれる家族がいるということは、なんてありがたいことだろうと思うのだ。