クリスチャンヌ・ペロションの食器。

今回買った25センチの皿。

ふたりの朝食に。

長く使い続けているお皿。

クリスチャンヌ・ペロションの食器にはじめて出会ったのは、彼女の食器が、キラー通りに面した北青山にあったフランスの家具屋『カトリーヌ・メミ』が出来た頃。おそらく、18年から20年くらい前になるだろう。
クリスチャンヌ自体は、スイス人で(ずっとフランス人だと思っていた)、トスカーナにアトリエを構えているらしい。
『カトリーヌ・メミ』は、ミニマリズムにフランスのエスプリを加えたお洒落な家具屋さんで、彼女の家具を見た途端、いっぺんに虜になってしまった。
当時、カネマングループがやっていたカトリーヌ・メミには、メミのブランド意外にもフランスの香水だとか石鹸、雑貨、ランプなんかが入っていて、その中に美しい器を見つけて購入したのだった。
器は薄く研ぎ澄まされた形をしていて、どこか無国籍な香りのするものだった。
茶碗は2つ、お皿は大中小と、それぞれ4枚ずつくらい購入しただろうか。その当時であっても目玉が飛び出るくらい高かったのに、引っ越しを決めた時に思い切って買ったのだった。
あれから20年近い時間が流れて、僕の元に残ったお皿は、たったの2枚。
引っ越しの運搬で割られてしまったこともあったし、僕が不注意で割ってしまったこともあった。20年も経てば、形あるものは壊れるというものだろう。
そんなクリスチャンヌの食器も、いつのまにか料理研究家などにもてはやされ、大流行りになり、今では日本のところどころで見かけるようになった。あいかわらずその値段は勇気のいるものだけど、本当に自分の気に入った美しいものを身近に置きたいと思ったら、ちょっと無理してでも買った方がよいと、今の僕は思っている。
今回、久しぶりに買ったクリスチャンヌの器は、丸や四角ではなく、強いて言えばオーバルに近いもの。でも、こういった形の器が、日常では意外と使いやすいのだ。
たとえば、朝の慌ただしい時間に、クリスチャンヌの器でパンを食べる。
それは買ってきたパンであっても、器が美しいと朝の時間も豊かに感じられる。
小さな器には、ささやかな日常を変える力があると思うのだ。

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