同性婚訴訟の裁判所で驚いたこと。

同性婚訴訟で裁判所に行った時に、実はあっと驚いたことがある。それは、傍聴席に古くからの友人のTがちょっこり座っていたことだ。
なぜ僕が驚いたかというと、この訴訟に出る前に、何人かの友人たちと晩ご飯を食べている席で、
「同性婚訴訟に出ようかと思ってるんだよね…色々なバッシングがあるかもしれないけど…」
と切り出したことがあったのだ。その時に友人Tはすかさず、
「俺は友だちがそんなのに出て、ネットで色々言われるのを見たくないな…そんなの出ない方がいいんじゃない?」
と、きっぱりと言っていたのだ。そしてもう一人、友人Sも同じことを言ったのだった。
「ネットの世界で酷いこと書かれるの、友だちとして見てられないわ…」
僕はこういう性格なので、その時は友人たちに相談をしたわけではなくて、「彼らがいったいどう受け止めるのだろう?」と思って話したのだった。
僕の友人たちでさえ、今回の同性婚訴訟に出ることを、素直に賛成してくれる人ばかりではなくて、T やSのようにはっきりとやめた方がいいと言ってくる人もいたのだ。
そんなT にいったい何があったのかはわからないのだけれども、今回の第一回目の意見陳述の傍聴席にいたのだった。
そして、陳述が終わって出てきた僕に向かって、「色々たいへんだろうけど、応援してるから」と言ったのだ。
Tの顔が見れてうれしかった。
たとえ友人たちに反対されたとしても、僕の意志はすでに決まっていたのだけど、今改めて思うことは、この訴訟に出て、心からよかったということ。
だってまるで、映画の中に入ってしまったかのようなシーンが、今まさに僕たちの目の前で起こっているのだから。

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