婚姻届。

こんな日が僕たちにやってくるなんて、思いもしなかった。
婚姻届を取り寄せて、書き始めたのだけど、書き間違えた。
婚姻届には、自分の父母を書く欄があるのだけど、僕の父は亡くなっており、母は再婚していてそこに僕が養子になったということもあり、父の欄をどうすべきかわからずに、養父を書いたのだった。続柄を長男として書いた。
よくよく読んでみると、養父はその他の欄に記入するようだった。
それでは、父の欄には亡くなった父を書くことになるのか?母の欄はどうだろう?母は父と結婚した時の名前を書くのか、今現在の再婚した名前を書くのか・・・散々迷った挙句、また書き間違えたようで、結局渋谷区の戸籍課に電話をして聞いてみた。
「お母様の現在の名前を記入してください」
「続柄は、生物学上のお父様お母様との間の続柄を」
3枚目の紙でようやく正確な情報を書けた気がするが、実際にこれで合っているかどうかはわからない。
ちなみに、Kの記入する欄は、あらかじめ『妻』と書いてあって、これを二重線で書き直したいと思ったが、それを理由にもめるのも面倒なので、書式に従うことにした。本来、夫や妻の文字も、要らないのではないだろうか?それにKは、三男であるにも関わらず三女と書かなくてはいけなかった。この違和感・・・。
受理されないとわかっていながらも、人生で一度しかないほど重要な書類なのだ。僕たちふたりは真剣に紙に記入した。僕が2回も書き間違えたから、Kは「もー、ちゃんと紙を読んで!」と言っていた。
ただの紙切れにすぎないものであっても、この紙切れが受理されることによって、法で守られるカップルと、守られないカップルが分かれるのだ。いつかこんな不平等がこの世界からなくなったらいいな。

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