日本における同性婚について。

親しい友人と食事をしながら、日本における同性婚について語り合った。
主要7カ国(G7)の中で、同性婚を認めていないのは、日本とイタリアだけだ。キリスト教の強いイタリアでも、16年に同性カップルに対して婚姻に準じた権利を認める法律が成立した。
保守的な日本は、これから世論が少しずつ変化していき、海外からの圧力などにより遅かれ早かれ同性婚を認めざるを得ない状況になるのだと思う。
一方、当事者である周りのゲイの友人たちに、「同性婚のことをどう思っているか?」と聞くと、大抵の人は「特に僕には必要ないかな・・・」などという返事が返ってくることが多い。
僕たちが新宿2丁目に飲みに行っている感じだと、「男同士だし、経済的にもそんなに困ってないし、僕たちは特に変化は望まない。むしろこのままでいいよ・・・」という意見や、「もう養子縁組しちゃったから、今更同性婚と言われても僕たちは当事者にはなれないし関係なくなっちゃったんだよね・・・」という声も聞こえてくる。
ある親しい友人は、「日本(の特にゲイ)は、同性婚したくないという人の方が圧倒的に多いかもしれない。同性婚よりも、結婚制度とそれにまつわる法的なことを、最初から考えるっていう方が理想的だと思ってるのだけど・・・」という考えだった。(これはイタリアに近いのかもしれない)
僕が今思うのは、僕たちはもう、結婚も、家族や友人に囲まれる結婚式も、子どもを育てることも、あらかじめ諦めている中から人生を捉え、生きているということ。ストレートの人たちが思い描くようなある種の幸福は、初めから僕たちには選択肢にはない中で、これ以後の生活設計をしていると思うのだ。
でも、もしも、これから先の若い人たちにとって、『同性婚』という選択肢がはじめからあったならどうだろう?
今の僕には必要のない同性婚も、もしも選択肢としてあらかじめあるのならば、それを望む人たちにとっては、結婚式をする。家を買う。子どもを育てる・・・そこからはじまる人生の可能性が大きく拡がる気がするのだ。

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