判決、ふたつの希望

『レバノン』と聞いて思い浮かべるのは、パリやロンドンで食べた野菜たっぷりのレバノン料理。
それ以外にレバノンのことを、あまりにも僕は知らずにいたのだけど、アカデミー外国語映画賞にレバノンではじめてノミネートされた映画『判決、ふたつの希望』は、ジリジリと手に汗握る恐ろしい映画だった。
自動車の修理工をしているレバノン人の男と、その男の住む通りの改装工事をしているパレスチナ人難民の男の物語。
本当に取るに足らない些細なことで思わず口を出た言葉から、小さな諍いがはじまり、やがて事態はどんどん大きくなり、ついに国中が注目するほどの法廷闘争へと膨らんでゆく。
はじめは小学生の男の子同士のどうしようもない喧嘩に見えた諍いは、やがて我々自身の中にもあるエゴや譲れない気持ちに変わっていく。
そして次第に隠蔽されていた中東の長きに渡る憎しみが浮かび上がってくる。
人間としての誇りや自尊心、そして人を赦すということの難しさを描いた素晴らしい作品。
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