60歳のZさん。

新宿2丁目のBridgeでよく会うZさんは、60歳。でも、2丁目デビューしたのは、なんと53歳だったそうだ。
Zさんは、ずっと自分がゲイであることには気づいていたそうだ。
23歳になって東京に出てきて、新宿の西口で男と出会い行為に至ったのだけど、その男に恐喝され、そのあと仕事場にもその男から電話がかかってきて、脅されてお金を盗られたそうだ。
それ以来トラウマになり、「新宿2丁目みたいなところは本当に恐ろしいところなんだ・・・」と思い、二度と近づかないように生きてきたらしい。
20代30代40代と仕事だけに没頭して、無駄遣いをすることなくきちんと暮らしてきたのだ。
僕「えええ?じゃあ、ゲイとしての遊びはまったくなかったんですか?」
Z「いや、それがね、時々タイやなんかに海外旅行に行っていたんですよ。訳知りの旅行会社にお願いして、1回40万円くらいアテンド料金がかかっちゃうんですけどね・・・」
僕「まあ、飛行機代とホテル代入れたら、贅沢したらそれくらいかかっちゃいますかね・・・」
Z「それが違うんです。飛行機代もホテル代も別に払ってあって・・・その・・・ゲイの色々なところに連れて行ってくれるのにそれだけお金を払わされてたんです・・・」
僕「えええ!!!信じられない!!!40万!!!」
Z「彼ら、2丁目なんて怖いから絶対に行かない方がいいですよ・・・と何度も何度も言うんですよ・・・今思うと、私は完全なカモだったんですよね・・・」
Zさんは53歳になり、ひょんなことで知り合った人に新宿2丁目の『Bridge』のホームページhttp://bar-bridge.com/index2.htmlを教えてもらい、恐る恐るのぞいてみると・・・
そこはずーっと自分がトラウマのように恐れていた世界ではなく、自分が行っても良さそうな空気感が広がっていたのだとか。
こうしてZさんはBridgeを訪れ、驚くほどの速さで新宿2丁目に溶け込んでいった。今や2丁目ライフを誰よりも謳歌するようになったのだ。
僕が知っているZさんは、友人たちをいつも気遣い、思いやりに満ちている。そして本当に素晴らしいと思うのは、その地に足のついた人生設計。
Z「人生、だいたい90歳だと思うんですね。それで、90歳までのお金はきちんと貯めてあるので、あとは毎日楽しんで生きていこうと思ってるんです」
僕「ひええええ!すごい!そんな人、はじめて会いました!」
やさしくて、思いやりがあって、人生の余裕を持ち楽しんで生きている60歳のZさん。素敵な恋人に出会う日も、もうすぐだろうな。
カテゴリーgay

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です