ザ・スクエア 思いやりの聖域

カンヌのパラドールを取った作品ということで、ちょっと身構えて観に行ったのだけど、案の定、不思議な世界観を持った映画だった。(かなり変わった作品なので、一般的にみんなにおすすめ出来る作品ではない)
主人公のクリスティアンは50代だろうか、ハンサムで美術館のトップの権限を持ち成功を手に入れている。順風満帆に見える生活の中で、小さな事件が起こり、その事件への何気ない対応から、少しずつ彼の人生の歯車が狂いはじめてゆく・・・。
作品を観ているうちに、自分自身が主人公の行動や意識と同化していき、なんとも言えない居心地の悪さを感じるようになる。モヤモヤとした気持ちはやがて得体の知れない罪悪感へと変わり、現在の西欧が牽引してきた資本主義社会が築いた豊かさへの警鐘に変わってゆく。
作品自体が現代アートのような趣を兼ね備えている。映画を観ているうちに傍観者ではいられなくなり、いつのまにかこの不思議な映画の世界の真っ只中に立ち、路頭に迷うことになるのだった。
もう一度観たい映画ではないけど、映画の可能性を感じさせてくれた作品。一緒に観たKは、「ここ最近で一番つまらなかった」と言っていた。笑
⭐︎ザ・スクエア 思いやりの聖域http://www.transformer.co.jp/m/thesquare/

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