バラが咲いた⁉︎

「ただしくん！
下の庭に、バラが咲いてるよ！」
Kが先に見つけた発見を僕に伝えようと叫んだので、下の庭を覗いてみると、それは『椿』だった。
「Kちゃん、あれはバラみたいな花の形をしてるけど、椿だよ。木になってるでしょ？こないだも御苑で間違えたやつ」
Kは今まで、花のことなんか考えずに生きてきたに違いない。
花も、チューリップと百合とバラくらいしか知らなかったのではないかと思う。
僕とつきあうようになって、いつもいつも道端や旅先で咲いている花を教えるものだから、今ではかなり植物にも興味を持つようになったし、家のベランダの植物の成長にも目を留めるようになった。
時々こんな風に、バラと椿を間違えたりしてしまうのだけど、そんなKを笑いながらも、たまらなくかわいいと思ってしまうのだ。